祝興行収入200億円突破記念!『ONE PIECE FILM RED』出張版SBS書き起こし


本記事は、
2022115日から実施された「FILM RED出張版SBS副音声上映≫」を書き起こしたものです。映画館でメモ帳を見ずに殴り書きしたものをテキスト化しているので、正確でない箇所もあります。

この副音声は「HELLO!MOVIE」というアプリで配信されていましたが、WJ202251号(1121日発売)で尾田先生が「BD特典は拒否!!笑」と宣言したとおりUHD/BDには収録されず、2023717日ごろにはアプリ内での配信も終了してしまいました。

二度と聴くことができなくなったので仕方なく放流しますが、実際の音声による尾田先生と谷口監督の掛け合いの魅力を削いだものとなっているので、副音声収録版BDがリリースされたり、公式からYouTubeなどに恒常的にアップされたらこの記事は削除します。

 

 

O:尾田栄一郎

T:谷口悟朗

 

・連絡手段

O:喧嘩になるからアニメ監督と直の連絡手段は持たない

進行:ちょっとギスギスしてる……

O:ギスギスしないためにですよ。今日はLINE交換して帰ります

 

・ウタの歌

O:ウタは有無を言わさず歌姫と思われるようにした。アイドルではない

T:映画館の音響設備を考えてライブシーンは低音を意識した

O:歌のシーンは上がってきたものにケチつけたいのに(映像が)上がってこない

T:元々は新時代ではなく、脚本の黒岩くんは「新世界」としていた。尾田さんが「新時代」として、そこから「大海賊時代」と対比になるように

 

・ウタの演技

O:Wキャストは絶対やりたかった。Adoが全ての曲を七色の声で歌ってくれたが、名塚佳織も役者として七色の声でAdoのウタに合わせてくれた

O:他のVTuberと並んだときに合わせるよう、ウタ日記ではあえて高めに演じてもらっていたが、映画本編より先にそっちが出たので世間では「ウタ・Adoに合ってない」と言われて悔しかった

 

・楽曲提供

T:ワンピースファンのアーティストが多いので「ワンピース」でバチッとスイッチが入ってくれる。「尾田先生が待っている」とも

O:実際に待ってるしね(笑)

進行:グリーンアップルはファンを公言してますね

O:「ウタカタララバイ」のデモを初めて聞いたとき、「歌えんの? 先輩アーティストからの挑戦状?」と思ってたら、歌えんのかい!

O:Ado7組のアーティストの競い合いが生まれる。7組の提供者同士でも競い合いが。そのみんながウタを歌姫にしてくれた

O:設定的にはそれを(ウタ)一人でやってるので本当に天才

 

・フィガーランド家について

O:説明したくない(笑)

O:名前だけでいいでしょ。原作をお楽しみに

(担当からバツが出る)

 

・ウタウタの実

T:企画にまず「歌」があった。じゃあ能力が歌に関わってないと駄目

T:黒岩くんが「シャンクスとルフィは会えないから世界を分けましょう」

O:歌だと!? 正気か!?

O:僕よりも経験があってどうなるか分かってるはずなのに本気でやるの?

 

・ウタのチキンレースでのジュース戦法は第1話のシャンクスのジュースと同じ?

T:それ以外にある?

 

・負け惜しみィ

T:印象に残るよう言わせた。話題になるとは考えてなかった

 

・ウタのデザイン

O:片目を隠すことは谷口監督のこだわり。ラフを無数に描いてるうちの片目を隠したものが気に入った

T:ヘッドホンなど未来っぽいデザイン

O:隠すなら左目を隠してほしいと言われた

T:カミシモでウタは左側に配置されることが多かったから

O:髪型は色々研究した。みんなは動物の耳が好きだよな、とか

O:髪の毛が動くことで2種類にできた。うさぎの耳とたれ耳うさぎ

O:モチーフは「未来」と「天使」

O:ラストのゴードンの「天使の歌声だ」で感動するシーンになると思ったから、そこで映えるように

T:左手の麦わらマークを見つけて、これは劇中で使わないと! とびっくりした

 

・初期にルフィが音楽家を欲しがっていたのはウタの影響?

O:そうなんですよ〜〜〜!!

担当:ワハハハ

O:なんで笑うんですか(笑)

O:みんなで作っていきましょうよ

 

・ウタは何故海賊嫌いの設定に?

T:ルフィと相反する、真逆で対比させる

T:何故嫌いになったのか? と考えてあの過去になった

 

・「逆光」

T:観客のclapはデモにあったものをAdoが気に入って取り入れた

 

・虚構のヒーロー・ウタに対して現実のヒーロー・コビーは意識した?

T:ゲストキャラはプロデューサーに誰を出したいか聞いたらボン・クレーにこだわりがあり「ボンちゃんを中心に!」と。ボンちゃんは大きすぎて説明が必要になるので申し訳ないが……

O:みんな(スタッフ)のやりたいことを最優先にして、その上で自分がまとめて「ワンピース」にする。ゲストを見たとき地味だなと思った

T:コビーとヘルメッポは出したかった。REDから入ったファンが原作を読んだとき、最初の方に出てくるから映画を思い出して「W7やレヴェリー)こうなってんの!?」と

 

・ゴードンさん、誤解しててごめんなさい!

O:REDの企画が2019年からスタートしたから忘れてる……

O:(デザインを)依頼した人を驚かせたいから意外性はいつも意識している

T:没になったけどゴードンが黒幕のプロットもあった

T:決定稿までどうなるか分からない。どう転んでも覚えてもらえるように(インパクトのあるデザインにした)

 

・ウタにとってゴードンとは?

T:父には「なり得ない」。育ててくれた恩は受け止めている。優しい親戚のおじさん

O:ん!?

O:もう一人のお父さんなんだろうな。監督は冷たかった

O:格好いいキャラを演じる津田健次郎を面白がってゴードンに当てた(そしたらいいキャラになった)

 

・サニーくん、ブルーノ、ベポ

O:谷口監督がミニブルーノを出したがった

T:サニーくんについて説明をせずに「(デザインが)欲しい!」と

T:出来上がってる音楽や画を説明すると長すぎて尾田先生が途中で聞かなくなるから、省略して信じてもらう方がいい

O:出来上がったらサニーくんが必要だった意味も分かった

 

・第1055話のシルエットは?

O:ウタですよ

O:原作は原作で完結しないと、ずっと読んでる人が混乱するから、本来はアニメのキャラは出しちゃいけない

O:「そんなに恐いか?」は台頭する若者、ルフィ、モモの助、日和を思い出すシーン。シャンクスの頭の中ならそこにウタがいないと鬼すぎない?

O:REDは原作の中には存在する

O:せめてシルエットでも描きたかった。(シルエットなので、REDを観てなくて)分からなかったら読み飛ばしてね

 

REDは正史?

T:正史は尾田先生が決めること

T:原作にあってもおかしくない。最初から嘘として作ったら嘘になる、という創作姿勢

(谷口監督へのインタビューではパラレルではなく時系列を決めているとも)

 

・過去編までが正史? REDの事件は原作でも起きた?

T:マルチバースではない。アニオリにするとルフィの性格も一から考えることになる。それは原作にも失礼

T:原作でどうか決めるのはアニメスタッフではない。権利は尾田先生

O:原作にもあるけど(前述のシルエットのように)原作には引っ張ってこれない

 

・ウタの生死について

O:指摘されて気付いたけど、年表(40億巻)には「死にゆく」としか書いてない。「死んだ」とは言ってない

 

・「ウタ サバイブド」という文字があったけど(「永遠に生き続ける」ということ?)

O:スタッフのいたずら?

T:心の中に、という意味かも。実際に生きているかも。それを決めるのはあなたたち

 

・「ウタカタララバイ」

ウタの歌には仮タイトルがあった。「ウタカタララバイ」の仮タイトルは「みんな私の仲間」

T:マイケル・ジャクソンのスリラーのMVをイメージ

 

・怒りは踵、リズムはつま先は意識した?

O:気付いてた。印象的だった

T:そうだよ

 

・ギャグ

O:キングオブコントビスケットブラザーズが「笑うことを諦めるな」と言っていて名言だと思った

O:分かんなかったーで投げるのは簡単

T:(意外な反応について)海外での上映などにも立ち合ったが、どれも思ったとおりの場所で思った反応をしてくれた

T:ギャグのつもりでやってないのはルッチ。予想外だった。普段慌てないキャラが取り乱す、という演出のつもり

 

・帰りたいから一連のシーン

T:演出家は誰でも好き

O:コンテにもキャラの年齢まで書いてあった

T:そこを書いておかないと男だけとかになってしまい立体感が出なくなる

 

・ヨルエカとロミー

O:(ロミーの名前に元ネタは?)覚えてない

O:依頼されて描くキャラと、必要になりそうなので先手を打って描くキャラがいる。これは後者。使ってくれと思った

T:ヨルエカのデザインはスタッフにチャレンジさせた。けど貧乏の記号の入れ方がそうじゃない、とリライトばかり

T:プロデューサーが「尾田先生が描いてきてしまった

T:このデザインなら声作りもちゃんとしないといけない

T:梶くんはワンピースファンでようやく出られたと思ったらモブ……

T:モブにも格のある声優を使う、それを笑って許してくれるのが梶くんだと思って選んだ

O:モブなんかいない! みんな人生の主人公!(笑)

 

トットムジカについて

T:世界中の負の感情の集合体

O:「魔王」はワンピースに出てきてもいい概念ではあるけど、アニメはアニメとして割り切っている

O:「魔王」は原作に存在するけど描いてない

O:ワンピースの「不思議」は悪魔の実だけ。そこにトットムジカはいる

T:そこまで言って大丈夫!?(設定を知ってそう)

O:最後まで話さないから。謎は謎のまま。これについては描かない気がする

 

・ウタは夢の果てを知っている?

O:ごめんなさい! 40億巻はミス、修正前のものを出してしまった

(現在は当該部分を修正したウタ年表が公開済み)

O:読者はエース・サボ・ルフィが好きで大切。ウタの存在はそれを壊しかねない、反感を買うかもしれない。ウタの立ち位置は二人とは違う

O:ルフィ・ガープ期ルフィ・シャンクス・ウタ期ルフィ・シャンクス期ルフィ・サボ・エース期の四つの時代に分かれる

O:三つ目、シャンクス時代に夢の果てが決まる

O:ガープに海軍に入れと言われたけど(自分が目指すべきは)海兵ではない、シャンクスに会って海賊になりたいと思った

O:アニメ連動エピソード(アニメ10291030話)は全てチェックしている、正しい(つまり泳げない設定なども含め10291030話は全て正史と確定でよさそう)

 

トットムジカの倒し方

O:上手い!

T:見ようによってはワンピースっぽくない? と不安

O:(シャンクスとルフィ)これしかない! よくやってくれた!

 

・ルフィがウタに言った「新時代」は夢の果てのこと?

O:自分が書いた台詞

O:ウタに理解できるような言い方にした。ウタは海賊を知らないので他の言葉では伝わらなかった

O:新時代というワードで二人は結ばれている。総括している

 

・ルフィが技名を叫ばないのは?

T:気付きましたか。ルフィがウタのことを考えると技名を叫ぶ心理にならないと思った

T:その分他のキャラはできる限り叫ばせた

O:気付きませんでした

 

・ワンピースの正体

T:24年前に仲間になる順番や離脱して……ということもワンピースの中身も全て聞いた。すごいのは24年間そのとおりに進んでいること。聞いてたよりも長い時間かかったけど(笑)

O:言ったこと覚えてない……

O:お酒は飲まないし誰彼かまわず喋らない。初めて会ったアニメ監督なので話した

T:こっちも誰にも言えないまま抱え込んで……早く最終回になってくれ(笑)

 

・漫画とアニメ

O:谷口監督に「漫画家がアニメ監督になれるか」と聞いた。そのとき無理と言われたが、24年経って今の現場で改めてスキルの積み重ねで追いつけないと分かった。あのとき監督を目指していれば別だったかもしれないが

T:当時223歳の漫画家が予算管理のことまで考えてるーというのを覚えている

 

・原作にも格好いい赤髪海賊団を出してください。ホンゴウさんの虜になりました

O:描きます……よね

O:ホンゴウさんが活躍するかはその場のノリだから分からないけど

O:ただこれから色んな海賊団を出していくからな〜

T:緑川さんが「台詞が少ない……」と。モンスターよりはいいでしょ(笑)。重鎮の島田敏さんがあれなんだから

 

・ルフィの悪者マーク(麦わら+赤髪マーク)

O:ウタの知っている海賊のイメージだからああなった。麦わらの一味のマークも知らないし

O:(勿論スタッフの作ったものだけど)映画のデザインというよりは「ウタのセンス」の衣装

 

・キャラデザ

O:デザインは僕発信じゃない。99%描き直すけど、まずは案を見る。それでスタッフのやりたいことが分かる

O:SWで黒、Zで赤、GOLDで青と白とやってきたので今回はそれと被らないように。スタンピードは自由だった、色を変えるだけ

O:アニメで動かさないといけないから複雑なデザインにしないよう

T:あんたが言うの!?

O:サトマサ(佐藤雅将)は(衣装の装飾を)取ってと言っても取らない人なので、途中で脱ごう、そうしないとバトルできないので、と

 

・シャンクスはカリファをCP-0だと知っていた?

O:(回答を求められて)僕!?

T:シャンクスの知識レベルをルフィと同じにするために必要だった(会話シーンが)。関係は言いませーん

O:これについては文句がある。カリファとブルーノは元々CP-0に入ってなかった。もっというとヘルメッポもSWORDじゃなかった

O:映画としてやりたいことは分かるから原作の方を変えた。本物のCP-0を出しても(設定的には正しくても)説明がないと観客が混乱する

T:一応明確にはCP-0とは言ってない……

O:今更言われましても……

O:丁度ワノ国編でCP-0を出して考えて、仮面を付けているか付けてないかで段階的に強さが違うという設定があった

 

・尾田先生はウタちゃんを愛していますか?

O:みんなにとって娘のように育ったキャラ

O:キャラの名前で僕が関わっていたら名付け親になる

O:脚本で決まった名前にボツを出した。「絶対ウタだ」と思ってたのに向こうから(そのキャラに「ウタ」という名前が)出てこない

T:「ウタ」はシンプルすぎる。当時ワノ国編だったこともおり、そんなにシンプルでもいいの? と。「エレジア」の響きからヨーロッパ風の名前にしていた。「ウタでよくない?」と言ってもらえれば……

O:(スタッフを)誘導したかった

T:今思うとそれくらいシンプルな名前じゃないとこんなに多くの人に響かなかった

 

O:ASLをウタが食わないよう。スタッフが優遇してしまうが、今回は僕もウタを優遇した

 

T:今のファンというよりも、新規を取り込んだり、昔のファンを呼び戻す

 

・ギア5

O:「最初」(2019年?)にはまだ存在していない。REDを作っている間に出てきた

T:編集部からは「いつ登場するか分からないから、出ない想定で」と言われた。そしたら出ちゃった

O:原作で出す時期までは計算できないから

O:原作で出てしまったので「なんで映画に出ないの?」と思われてしまう

T:(ギア5登場週に)スタジオに入ったらみんなザワザワしてる。こっちから原作側に出そうと言うとややこしいので、準備だけしておこう

O:谷口監督はスタッフに配慮してしまう。なので我儘な人が一人必要。「尾田さんが出すって言うから仕方ない」と思わせる

 

・シャンクスの出生地

O:シャンクスの人生はガチガチに決まってる方のキャラ。でもまだ全ては埋まってなくて、例えば1日とか1時間ごとのスケジュールには空きがある。どこかに挟んで違和感はないか?

O:ルフィにも自分の知らない部分はある

O:担当によく言うのが、「(そのキャラのことが)分かった」。(後付けするというより)シャンクスのことをより知っていく

T:尾田先生からオーダーをもらって、そのシーンを入れるならラストしかない。そのときにどのキャラを置いていいか相談した

O:二十歳の男が子育てって? その説得力には「あのシーン」を思い出すしかない

 

・ウタの「あんたも寂しかったんだね」

T:トットムジカから散り散りになった一つ一つの声を聞いた。溜め込んでいた負の感情の中には「寂しい」と言う声が。(ウタが)自分でも自分を見つけた

T:ワンピースの台詞じゃないかもしれない

O:僕からは出ない。この映画の、ウタというキャラの核心になっている。この台詞でウタは天使になった。人柱。この世界の負を背負った

 

・「世界のつづき」

O:谷口監督が「泣いちゃうかも」

O:天使のシーンにベスト

O:担当タカノの音楽知識を信じる。今に合う感覚を持っている

 

・「風のゆくえ」

T:最後にこれを聞いて映画館を出る

T:2パターンあって、少年漫画っぽい曲と、情感を受け止めていくもの

O:後者でよかった

 

・エンドロール、サブキャラ祭りは尾田先生の案?

O:映画スタッフのサービス

 

・エンディング

O:ウタの声を世界中の人に変えていく案があった。その案を取り下げるほどすごい曲

T:合唱のコンセプトだったけど、Adoに負けない声を乗っけられなかった。麦わらの一味(声優)なんかは個性が強いから使えないし

O:Adoと張り合うとかじゃなく、作中世界の人なので)素人の下手な声でもいいと思ってた。でもAdoの声をずっと聴かせなきゃ駄目だと思った

 

・「海賊王におれはなる」、アニメでは次回予告で言ってきたがFILMシリーズでは初

T:ルフィのウタへのアンサー

T:これでいつものアニメに戻りますよ、という意味も

O:ルフィとウタのエピソード0として正しい台詞

精読・『暗号学園のいろは』3巻

本記事は、『暗号学園のいろは』の魅力を伝えるために書かれたものです。

起こったイベントや人間関係、細かな台詞を拾っていくことで、その面白さを解説する狙いがあります。

これを読んで少しでも『暗号学園のいろは』の面白さを分かってもらえたなら、本誌でアンケートを出したり、単行本を買っていただけたら嬉しいです。

 

https://ukaritchu.hatenablog.com/entry/2023/10/04/191330

 

第十七号「下手な戦争休むに似たり」

 ことわざ「下手の考え休むに似たり」から。インターネットやPC、携帯電話、電子レンジ、缶詰など、戦争はテクノロジーを発展させる。

 

3P「死ななくて済んだ」

 打ち切り回避とのダブルミーニング? 本誌掲載時はドベ5、ドベ3ときて前話でドベになり、17話掲載号(WJ202317号)ではドベ3。改編期直前なのでファンは気が気でなかった。

 

5P3コマ目

 無言で知恵の輪を置く夕方。これも当然「暗号解読」に含まれる。

4コマ目「当分禁止だよ ボドゲ系は」

 母倉の所属したAリーグでは、匿名希望があんなことをしたばかりなので。

 

6P3コマ目「町じゃなくてお菓子を焼けば」

 爽やかさに反して物騒なことを言っているが、そもそも暗号学園が戦争を未然に防ぐためにあるものだから。真意は13P目にて。

 

7P1コマ目「パンがあってもお菓子は食べたいですの」

 マリー・アントワネットが言ったとされる「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」から。

4コマ目「ミリ飯」

5コマ目「?」

 13P目から、東洲斎はバウムクーヘンの逸話はを知っているので、ここでは要塞村の狙いが分かってないということ。

 

8P2コマ目「どうかボクに暗号を解かせて……!」

 頭脳労働から解放された代わりの肉体労働に根を上げて。

「求.23

 クエスチョン(Q)ではなく求む。実際のQ.2318話で。

3コマ目「うどんのミステリーサークル」

 いろはの好きな食べ物は麺類。学食でもうどんを食べている(212話)。

3コマ目「ニックネームも禁止かも」

 暗号のようなものなので。とはいえこれは縁沙のギャグ……だとは思うが、(あだ名で呼び合うキャラ自体が少ないとはいえ)このシーン以外で17話ではあだ名は使われていない。

 

9P2コマ目「リベロの武田」

 週刊少年ジャンプ連載作品。主人公の武田弾丸の好物がバウムクーヘン

 

10P1コマ目

 濃姫は乗馬が好き(213号扉絵)。「動物全般」は鴨撃ちのこと?(文脈的には馬や家畜?)母倉と膾は濃姫派(212話)。

2コマ目

 符号(連想)は暗号ではない。ウミツバメも雁(がん)もどちらも鳥。

3コマ目

 長物得意繋がり?(ミリタリー、邪気眼食客

 

11P1コマ目

 超スピードで疲れた縁沙の分(9P目)、いろはが運搬。

 

11P5コマ目「素敵」

12P2コマ目「素敵」

 前者は「可愛い」、後者は「格好いい」。

 

1617P

 仲良しの綿菓子・目々蓮の間に雁音が。綿菓子は縫ぐるぐる見にバウムを食べさせている。

 羊狼川の一気食いを観戦する小芝井・沼田場。

 いろはの同盟3人と夕方。

 乳搾りから引き続き一緒にいる濃姫派と、濃姫に話しかける牡丹山。膾は少し離れて真蟲犇と。

 

18P2コマ目

 匿名希望はバウムクーヘンの中でルールを無視、凍は設問自体を破棄。

 

19P3コマ目「筒抜ポーカー」

 ツーカーの仲は、多くを話さなくても汲み取れる間柄のこと。「つうと言えばかあと答える」。

 

〜バウムクー編〜

 バウムクーヘンからヘンを省略。面白い面白いじゃなく。

3コマ目

 「竹」を使って「輪」にしたから、年輪ならぬ竹輪、、という解説も禁止。

「クラブハリエ」

 バウムクーヘンが有名な菓子店。

 

第十八号「兵は記号なり」

 孫子の「兵は詭道なり」から。記号が暗号化された筒抜ポーカーゆえに。

 

1P1コマ目「【軍事機密】」

2コマ目「【アクセス制限】」

3コマ目「【自主規制】」

2P1コマ目「【アカウント凍結】」

 1話から使われている伏せ字演出だが、眼鏡兵器「個人情報縫合法」によるもの。12話でも匿名希望の名前だけ括弧でくくられている。実際には匿名希望の名前を発音している?

 

1P2コマ目

 チョコレートで目線を再現。2162P1コマ目でも同じことをしている。軍用チョコ(Dレーション)は嗜好品としての食べすぎを防ぐため、あえて不味く作られた。

46コマ目「「うえ」「にお」「なじ」

 「ウエッ(えずき)」「臭(う)」「詰(る)」ではなく、3人合わせて「上に同じ」。

 

1P目はおそらくいろは目線で、友人の縁沙、一度戦った綿菓子と真蟲犇、濃姫派の3人と、近しい者に聞き込み。

 

2P4コマ目「有名も希望もないだろう?」

 夢と有名で掛けている。

 

3P

 「M」のチップはモルグ?

 匿名希望の自己紹介Xワード。不明さがテーマか。手書きではなく、筆跡を隠すための犯行声明のようなコラージュ。

 

6P4コマ目「思ってたのとちょっと違う

 2107P目でいろはに語ったのは、11票の投票。また、これだと東洲斎支援できない。

 

7P2コマ目

 出席番号(五十音)順で投票が行われたよう。

 

9P1コマ目「ブロンズ」

 オリンピックのメダルをもらえる最後の一人。

10P1コマ目「クリンナップ」

 野球用語。4番は強打者が選ばれることが多い。下位2人にも優しい呼び方。

 

1213P

 ノドを避ける匿名希望。以降もメタ演出を多用する。

 大胆な一枚絵を描ける見開きだが、真ん中に人物を配置すると顔が潰れてしまう。『めだかボックス』ではクライマックスで主人公・めだかの鼻と口が潰れてしまった。

 

17P1コマ目「蔑賭」

 張る。賭けるから「賭」で、「蔑む」は意味なし? ちなみに「ベット」の語源は「better」と同じらしい。蔑視と正反対。

 

18P「交流」

 同額で受ける。前の出番と「交流」するから?

18P「励呪」

 上乗せ。奮い立たせて「励み」、負ければより多く失うから「呪い」?

 

19P5コマ目

 インディアンポーカーのポーズ。

 

〜投票行動編〜

 2016年からは選挙権年齢が引き下げられ、高校生でも生まれ月次第で「有権者」になれる。

 

 

第十九号「疾解きすること風の如く徐かなること速しの如く侵掠すること飛の空爆停まらざること鬼蜻蜓の如し」

 武田信玄が引用した孫子の「風林火山」から。「其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山(其の疾きこと風の如く、其の徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し)」。

 疾解きはそのまま、林と速しで掛けて、どちらも解読の速度のこと。火を飛(戦闘機)に転じて空爆、「如く」と「空爆」で押韻。オニヤンマは肉食で滞空時間が長いから?

 

1P

 要塞村の自己紹介Xワード。モチーフは電気?

 

3P5コマ目「放奴」

 東洲斎が言っているが、意味は「降り」。麻雀用語で「放銃」は捨て牌でアガられる=負けること。戦争からの連想では、「奴隷」の「ド」。

 

7P4コマ目「ズルして勝った奴!」

 11話目。29話目などから、いろはが眼鏡兵器のことを「ズル」だと思っているのが分かる。

 

8P1コマ目「雛共」

 文字どおり、ペンギンが雛を育てること。さすがに殻はついてないが。

 

12P4コマ目「先月までなら」

 

1……入学日

2……翌日

34……同日

57……「開校から一か月」、兵長選抜は3週間かけて行われる

811……同日

1213……不明

1416……二回戦(57話の一週間後)

17……レストレ日、5

1821……勝戦1416話の一週間後)

 

 時間軸はこんな感じ。兵長選抜開始が51週目、その2週間後(ないしは3週間以内)に決勝が行われているので、「先月」は「4月」、つまり14話(綿菓子戦まで)のことと思われる。

 

16P12コマ目

 東洲斎の性格を知り、「きょらりん」と呼ぶ沼田場。その理由は427話で。

 

17P2コマ目

 1515P6コマ目の回想。

 

19P「【言論弾圧】」

 「アホ」。ブタだけに。

 

 

第二十号「戦陣の解には詐欺を厭わず」

 韓非氏の「戦陣の間には詐偽を厭わず」から。戦争には欺くことも必要であるという格言で、それに従うのは東洲斎と要塞村。そしていろはは……

 

3P2コマ目

 マダミスで小芝井が夕方に見えたのが、小芝井の特殊能力ではなく、いろはのトラウマだったことが明かされる(→44話)。

3コマ目

 PTSD(心的外傷後ストレス症候群)のこと。ベトナム戦争でここで語られる例が見られて認知された他、イラク戦争では戦地の兵士よりも無人機のパイロットの方がPTSDを発症する確率が高いことが分かった。

5コマ目

 211話。

 

45P

 扉絵は牡丹山、羊狼川、母倉、膾の自己紹介Xワード。

 羊狼川は食べ物縛り。

 母倉は濃姫の似顔絵を描いている。地味に1P目からここに繋がっている(回収は21話で)。また、三人は濃姫派。

 膾は医療関係。頬を赤らめているのは、1D組担任・国語教師の払沢文鋏(初登場は19P1コマ目、名前が明かされるのは32話)。「六十の手習い」、「媼」から、百合の波動を感じる……

 

8P23コマ目「ものの哀れ」

 可哀想哀れの連想。正しくは「感動する」の意味。

「いとをかし」

 古文繋がりだが、意味は「可哀想」ならぬ「可愛い」。「可笑しい」からの連想か。

 

9P2コマ目「食穂」

 羊狼川の下の名前。仲間であるが故に、特に。

 

10P3コマ目「目線」

 アイコンタクトと目隠しをかけている。それを指摘する濃姫は盲目。

 

15P5コマ目「原点の5枚」

 減点で5枚。

 

16P45コマ目「失礼」「——しちゃうね」

 謝罪ではなく。謝れない女、夕方。

 

17P2コマ目

 嗜めるほどの拷問を額面だけでも「引き分け」だと認め、友人であることも認める、叱咤激励。

 

18P3コマ目

 当初から返却しようとしていた眼鏡兵器を、ようやく手放す。

 

19P

 冷めた目なので「冷視」。レアではない。

 

 

第二十一号「一将暗号なりて万骨枯れる」

 「己亥の歳」の「一将功成りて万骨枯れる」から。

 

1P3コマ目「合併号」

 21話はWJ20232121号掲載で、先週ではなく今週が合併号。読み飛ばしてません。本誌掲載時には「この号が合併号です!!」のアオリがあった。

 

23P

 扉絵。171617P目の続き。沼田場が羊狼川にくっつき、膾は牡丹山と髪型をお揃いにしてもらっている。

 

5P Q.24Q.76

 Q.23では難易度が☆5だったが、4枚ずつの組み合わせにすると難易度は☆2まで下がる。最後の「解答編」みたいなもので、このページで暗号が解ければ及第点、そしてこのカードのセットが何を指すかが分かれば満点。

 

6P

 ノドを跨いだり合併号に言及するなどメタ的に干渉する匿名希望なので、文字どおりカードを裏返す。

 

9P3コマ目

 いろはが夕方の筆跡を見たのは、212話と自己紹介Xワードで。

 

1012P

 筒抜ポーカーのカードは番号ごとにA組全員が書いていた。いろは坂いろは、東洲斎享楽、匿名希望、要塞村鹵獲の4人を除いて出席番号順。AからKまで13+4人なので、余った17番の夕方はジョーカー、19番の羊狼川はディーラーを務めた。

 

いろは坂

A…海燕

 言葉遊びがしやすいのでストレート。Qと英語で被ってるけど縁取り文字なので区別できる。

2…

 食べ物+絵。影のおかげで共通点は分かりやすいが、素直に「2」なのが2枚だけ。

3…

 三角形の数や棒の数などで深読みできるが、並べてみると分かりやすいし、共通点も素直。

4…

 Aのような言葉遊びとそうでないものが半々。漢字はJ、アルファベットはQ、記号は7と被ってしまっている。

5…雁音

 「SS」が2に見えるが、3同様、数字が共通することは分かりやすい。

6…小芝井

 ペンの材質というテーマからして解かせる気がなく、法則性もばらばら。

(東洲斎)

(匿名希望)

7…

 こちらも解かせる気なし。一つだけスートがそのままなのも酷いし、スペード(クラブ)はそれ以外に読みようがない上にクラブの4と被っている。

8…沼田場

 武器モチーフ。基本は数字だがクラブだけ言葉遊び。スペードは211J)、ハートは3とも読めるし、イラスト繋がりで10とも混同しがち。

9…濃姫

 9Qの音が同じなので、Q12をモチーフにしていることが分からないと解けない。

10…母倉

 前話扉絵で判明していたが、15話「席替えテトロミノ」の「神絵師」の正体は母倉。「テン」と「とう」が混在するものの、参加者4人で分かりやすい。

J…牡丹山

 モチーフそのままだったり「ら要る」みたいな言葉遊びだったり。名詞、動詞、食べ物、個人名で共通点がない。

Q…真蟲犇

 知識問題と言葉遊び。

K…目々蓮

 全てにKが入っているが、向きも場所もばらばら。

ジョーカー夕方

(要塞村)

ディーラー羊狼川

 

 ……と、個別に見ていくと解きようのない(作中でも触れられたとおり無数の選択肢がある)暗号だけど、実際にはほとんどの数字には共通点があるので、そこさえ読み解いてしまえば4枚ずつでセットにできた。

 一回戦「カステット・カルテット」がクリアタイムを競うものでも脱落者が出るものでもなかったように、筒抜ポーカーの目的も(勝利が前提だが)「クラスメイトのことを知る」ことが主眼にあった。

 その上で、インディアンポーカー方式のポーカーに勝つ勝負強さが求められた。

 

14P3コマ目「一度だけ」

 2011P5コマ目。ルールの不備のために一度だけ、なら不公平だが、ひとり一度なら「公正」。眼鏡兵器を使うのは(いろはからすれば)反則だが、カードチェンジのルールは東洲斎・要塞村から提案されたものなので、反則には当たらない。

 

17P1コマ目「4番目だったと思ってさ」

 21169P目「自身をラブリン・オブ・クラスに置くと?(自分をクラスで何番目に可愛いと思っていますか?)」「みっつめ(3番目です)」

 「4番目だと」ではなく「だったと」なので、匿名希望ではなくいろは自身を「4番目」だと言っている。

3コマ目「勝負」

 手札の公開。勝=ショー、ダウン=負か。

 

18P1コマ目「巴旦杏」

 はたんきょう、アーモンド。ではなく、バタンキュー。

3コマ目「俺とは信条が反する要塞村鹵獲」

 凍と要塞村の関係は3巻おまけページの四コマ漫画で。

 凍の信条は、「暴力をふるわなくてもヒーローになれるから」(11話)、「金は欲しいね すげー欲しい」(12話)、戦争を販売する戦争屋(210話)。

 要塞村の入学理由は「兄の無念をはらしたくてね 弟のために」(12話)。要塞村からはともかく、少なくとも凍は要塞村を敵対視している。

 

19P2コマ目「大きな声で言いたいぜ。」

 大きな声で言えない理由は3258P目で。

 

 

第二十二号「暗号は常に初陣である」

 山県昌景の「戦は常に初陣である」から。タイトル回収で初陣。オリジンを語ることも。

 

1P3コマ目「綺麗っ綺麗」

 キレッキレで綺麗。

 

2P

 一人だけフキダシを持つ匿名希望。

 東洲斎は腕を組んだまま匿名希望の肩を持ち、匿名希望は腕を回し、要塞村は東洲斎の肩に肘を置いている。

 

3P4コマ目

 慄くいろは。地べたにケツを下ろしたから? 庶民の隣に座ったから?

 

5P3コマ目「風刺漫画」

 いろはの父親の職業は風刺漫画家(211話)。

 

6P5コマ目「女の子だから」

 「女の子」だと思われたのは、見た目か、それとも……。いろはは女子だと思われており(1224P2コマ目)、声変わりはまだ(21169P目)。

 

7P3コマ目

 173P13コマ目の回想。

 

8P5コマ目

 出席番号順。筒抜ポーカーのときなので。

 

11P5コマ目

 ムカチンから無価値。

 

12P2コマ目

 「以呂波」。平仮名の「い」「ろ「は」の元となった漢字。

 

16P

 シーズン1堂々完結、らしい。打ち切りじゃなくてよかった……

 

1819P

 『めだかボックス』ではこんな感じで出てきた新キャラ6人が翌週に瞬殺される事件があった。死ななくてよかった……

 

 22話は掲載号(WJ202323号)ではドベで、巻末コメントも「お陰様でここまでお話をお届けできました!お楽しみ頂けましたなら幸いです!<維新>」というもので、さらに内容もこれで、打ち切り詐欺だった。掲載順を利用したやり方に読者は肝を冷やした。

 

〜いろは丸事件編〜

「これであなたもリボルバー

 日本ではペリー来航時にリボルバーが伝わり、戊辰戦争でも多く輸入された。坂本龍馬リボルバーを常に携帯しており、遺品にもあったらしい。ちなみに龍馬は騙して出させた賠償金を手にする前に暗殺された。

 

 

第二十三号「戦争多くして軍艦金山に登る」

 ことわざ「船頭多くして船山に上る」から。立ち行きがいかなくなるという例えだが、戦争が増えれば儲かるという野蛮な警句に。学級兵長が決まったので、「船頭多く」はならない。

 

3P1コマ目「アタシみたいにパッと謝って許してもらえばいいのに」

 2125P1コマ目のこと。夕方が謝った事実はない。謝った(ない)時点で「許された」もセットになってるし、綿菓子曰く謝罪時もその感情はゼロ。

4コマ目「暗号バトルかダンスバトルか!」

 14話で綿菓子がいろはに持ちかけたバトル。ポーズもそのときのものを踏襲。

 

8P1コマ目「ARからVR

 AR(拡張現実)は携帯端末などのカメラで現実にデータを投影するもので、VR(仮想現実)はHMDなどで仮想空間に没入するもの。眼鏡兵器で都道府県を羅列したり色分けするのは前者。

 

10P目「不私不私」

 二字熟語を二つ並べるのは縊梨の口癖。「不」は漢文で「〜ず(否定)」と読み下すので、「私不」で「しず」?

 

12P3コマ目

 今後男子が出てきたら確定で判別可能に。

4コマ目「男か女かはどっちでもいい」

 1巻の『RRR』、『THE FIRST SLAM DUNK』に引き続き最新映画ネタ。『さかなのこ』本編では、男性であるさかなクンを女性であるのん(能年玲奈)が演じることを説明した言葉。

 

18P5コマ目「本来の権限者」

 パスワードの権限者は「東洲斎派」なので、眼鏡兵器の所有者でも学級兵長でもない。

 

24時間時計編〜

ジャック・バウアー

 ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』の主人公。物語がリアルタイムで進行し、各シーズン全24話で24時間を切り取る。そのため随所にデジタル時計で現在時間を表記する演出がある。

 

 

第二十四号「三読同盟」

 三国同盟から。

 初の自力Cカラー。

 

5P1コマ目「しゅーたん」

 21916P2コマ目で沼田場から「きょらりん」呼びをしていたが、どうやらお互いにあだ名で呼び合う仲らしい。

 

6P3コマ目「いろはしか勝たん」

 「勝たん」は「好き」の意であって、「いろはが勝つ」と思っていたわけではない。

 

11P1コマ目

 読者には周知の事実だったが、いろははここが初耳。

3コマ目

 A組に配られた眼鏡兵器。左から匿名希望、真蟲犇、朧、濃姫(おそらく。義眼型)、目々蓮、小芝井、雁音、いろはのもの。

 173P目にはそれに加えて母倉も「同じような兵器を使っているクラスメイト」として挙げられている。名称は3巻おまけページの四コマ漫画で判明。

 兵棋演習「暗号学園殺人事件」では、いろはが所属するDリーグは全員が眼鏡兵器持ちで、逆にBリーグには眼鏡兵器使いが一人も着なかった。

 雁音の眼鏡兵器は眼鏡型で、兵棋演習のときに使っていたコンタクトは本物のコンタクトレンズのよう。

 

13P1コマ目「パスワードを解析してもらった」

 踏襲図のパスワードを盗み出すことがBからF組の兵長選抜だった。A組のそれとは全く異なる方法で選ばれたらしい。

 

17P3コマ目「危うく朝からプールにボク達だけ集合しちゃうところじゃん!」

 赤っ恥をかいても講和会議自体には出席できる。日付を逆にすれば不正解だった場合そもそもA組は参加できなくなるので、兵長講和会議の不参加によりイニシアチブを取るのが目的ではない。

 

19P5コマ目「あの社風」

 11話、213話、317話、322話でやっていたあのポーズは社風らしい。

 

 

第二十五号「戦利の道も一歩から」

老子」の「千里の行も足下より始まる」から転じたことわざ「千里の道も一歩から」から。「千里」と「戦利」を掛けている。

 

5P3コマ目「媒酌人」

 結婚式で新郎新婦を補佐する役割。酒を飲むわけではない。

 

6P1コマ目「育雛醇乎」

 初登場は119P3コマ目。

2コマ目「メチルアルコール

 戦中日本では、安価であることから粗悪な密造酒に使われて、中毒を起こした。失明する者が続出したことから、もじって「目散るアルコール」と呼ばれた。ソ連時代には禁酒キャンペーンのためにアルコールの値段を釣り上げた結果、工業用アルコールや靴クリーム、ブレーキオイルなどを飲む者が増加し、同じく失明や疾患を引き起こした。

 安価な代替品としてメチルアルコールを飲んでしまう、というジョーク(?)を踏まえたジョークグッズ。

 

9P3コマ目「暗号皇帝に内定するようなもの」

 学年大将のうち最も学年の高い者(もしくは暗号バトルで勝った者)が学園元帥だが、暗号皇帝はただそれだけでは決まらないらしい。

 

10P1コマ目「できるだけ手短に終わらせて」

 431話で、手短どころか一度しか戦わないことが判明する。

3コマ目「暴力行為の禁止」

 ずっとやってきたことではあるが、改めてバトル展開を封じている。

 

12P1コマ目「無差別解読クラス」

 A組のクラス名が明かされる。

 

15P2コマ目

 正解の数が8分の6から3分の1に。ただしいろはは第1話で勘で勝負を捨てることを否定している。

3コマ目「ケツまずく」

 臀部にまつわる夥しいまでのスラング採集。

5コマ目「解凍編」

 朧の眼鏡兵器(兵棋演習のカードによれば「色眼鏡」?)の能力で色分けがなされる。

 

17P1コマ目「私の時と違って」

 第1話の時点では眼鏡兵器の存在を本当に知らなかったらしい。

 

19P4コマ目「私達4人」

 「4人」の内訳は427話で。

 

〜迷路編〜

 「アリアドネの糸」はミノタウロスの迷宮を脱出するために使われた糸玉のこと。

 芥川龍之介は「蜘蛛の糸」という小説を書いている。地獄に蜘蛛の糸を垂らして一人の罪人を極楽に救い出そうとする物語。

 

 

イースターエッグ

 「ボナペティ」はフランス語で「召し上がれ」。上流階級は使わないとか。

 

 

3巻の出来事・バトル

17……レストレ日

1821……学級兵長選抜試験決勝戦「筒抜ポーカー」

22……兵長選抜エピローグ

23……幕間(E組)

24……幕間(峠洲坂同盟)

25……学級兵長講和会議

 

1巻後半から始まった学級兵長選抜試験がついに完結。リーダーのしての素質を認めさせ、クラスメイトからの信頼を得た。

「学級兵長になる」という小目標をクリアした途端に、次の小目標「学年大将になる」に向けたストーリーが始まる。

キャラとして「失言半減質疑応答」の尋問で聞き出されたはいろはの過去が明かされ、縊梨と東洲斎らの関係性が示唆される。

今後の目標を整理すると、「学年大将(学園元帥)になる」、「暗号皇帝になる」、「デジタル暗号学園に没入する」、「戦場の踊り子を救出する」となる。

精読・『暗号学園のいろは』2巻

本記事は、『暗号学園のいろは』の魅力を伝えるために書かれたものです。

起こったイベントや人間関係、細かな台詞を拾っていくことで、その面白さを解説する狙いがあります。

これを読んで少しでも『暗号学園のいろは』の面白さを分かってもらえたなら、本誌でアンケートを出したり、単行本を買っていただけたら嬉しいです。

https://ukaritchu.hatenablog.com/entry/2023/10/03/190726

 

第八号「踊る戦争に見る戦争」

 阿波踊りの唄「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々」から。「戦争」を「阿呆」としているのか。(13話に続き)ダンスがテーマ。

 

2P4コマ目「思ったより早い再会だし 思ったより速い解読だな」

 「早い」は時間に、「速い」は動作に対して使われる。

5コマ目「2人のスピードクイーン」

 カステット・カルテットでチームを組んだ東洲斎と縁沙のこと。

6コマ目「妬けるぜ 凍だけど」

 妬く(嫉妬する)を焼くと読んで、凍えるのに焼ける。

 

3P4コマ目「とてもあざやかだな」

 いろはの言われたい褒め言葉。

 

4P1コマ目「折角だし確度の高い

 前ページの「折角だし」はいろはの解読が速かったから、「確度の高い」は数学パズルに対して使われているが、ここでは「確度の高い解読」をすることを「折角」だと言っている。それと、「折『角』」と「『確』度」で掛かっている。

 

5P5コマ目「あ ボクが最初じゃないな これ

 13P13コマ目同様、凍の表情を読む。

 

7P1コマ目「今ってスマホこんな感じなんだね」

 作中の年代が不明であることをメタ的に指摘している?

 

8P1コマ目「『踊る人形』」

 13話の扉絵で暗号が使われた。

 

10P3コマ目「三年生にならないと許されないようなカリキュラム」

 暗号学園の三年生は、大国の絡む内戦に関する暗号を解くらしい。

 

11P2コマ目「この戦歴では口出しがしにくいわ」

 いろはを戦争屋・凍に加担させたくないが、それが利己的な理由だとは思われたくない。令嬢であり派閥を率いているから、体面が必要。

4コマ目「後方博士ヅラ」

 2010年代の地下アイドルの「現場」で生まれた「後方彼氏ヅラ」という言葉から。

 

14P2コマ目「ああいう映画」

 イギリス領インドにおける独立運動・革命を描いた映画なので。

3コマ目「怒られるとしたら別の理由」

 大人の事情で。

ワンポイントレッスン

 『RRR』は日本では20221021日公開(掲載はWJ20238/123日発売)。本記事を投稿した現在も少数の劇場で上映中であり、リバイバル上映がされる可能性もあるので、この情報から年代を推定するのは不可能。

 

17P4コマ目「シャッポを脱ぐ」

 シャッポはフランス語で「帽子」、なので脱帽。「舌を巻く」「尻尾を巻く」とも掛かっている?

5コマ目

 1418P1コマ目で「使用者を暗号兵器に促成する」と語られている。レベリングとは……

 

 

第九号「戦争は遠くにありて思うもの」

 室生犀星の詩「小景異情」の一節「ふるさとは遠きにありて思ふもの」から。

 「故郷は遠くから思うものであり、たとえ東京で乞食になったとしても帰るところではない」という意味だが、これを詠んだころの犀星は、東京で文筆だけでは生活ができず、「帰る場所でない」金沢に住んでいた。本編の展開に当てはめると、「踊り子が戦地から日常に帰りたがっている」ということか。

 

3P6コマ目「『なんとなく』は『難なく』に通じるぜ」

 「なんとなく」は「何とはなしに」、「何気なく」といった意味なので、「難なく」ではない。無関係だが縁起がいいのでゲンを担ぐというのはよくあること。

 

4P3コマ目「ズルっこの眼鏡に頼るのは」

 815P4コマ目の台詞から、いろはが眼鏡兵器の返却を申し出た(そして拒否された)ことが伺える。

 

67P「解凍編」

 1321P2コマ目の発言を撤回して。ということで、2話以来3度目の眼鏡兵器を使った解凍編。

 

9P「手指の動きに主旨がある」

 面白い面白くないではない。

ワンポイントレッスン

 814P1コマ目のいろは(がトレースした踊り子)のナートゥのポーズは、たしかに映画のダンスと異なっている(YouTubeに国内外の映画サイト、VOD、レコード会社などが公式でアップロードしているので確認できる)。

 

17P3コマ目「おめざ」

 「お目覚め」の幼児語。何故幼児語で話しかけたのかは、1110P6コマ目に。

 

18Pワンポイントレッスン

 同じことを1巻カバー下で行っている。

 

 

第十号「昨日の戦争は今日も戦争」

 日露戦争を歌った「水師営の会見」という曲の歌詞「昨日の敵は今日の友」から。東洲斎と凍の関係性についてか。

 

1P

 一枚絵や見開き以外でタチキリまでコマが拡げられるのはこれが初。9話までは内枠を基本としていたが、10話以降はタチキリが使われるようになる。

 

2P5コマ目「氷漬け」

 凍に関わるとそうなるのか、眼鏡兵器を使いすぎるとそうなるのか。

ワンポイントレッスン

 ディスペンパックの名称がパキッテに変更されたのは、20199月。

 

6P4コマ目

 濃姫の名前が出てくる理由は213話で。

6コマ目「M組へ入るため」

 「入る」というのは編入か、それとも教室に入室するのか。

 

11P1コマ目「わけのわからんイチャモンをつけて引き分けに持ち込む」

 14話目のこと。他人がそれをされたら笑うけど、自分はやられたくない女、夕方。

 

12P1コマ目

 西尾維新自身、『りぽぐら!』という小説を書いている。

ワンポイントレッスン

 『幽白書』の領域編を、ここでは『HUNTER×HUNTER』の念能力に重ねているが、同人誌「ヨシリンでポン!」では「アレ(作品名は伏せているが『ジョジョの奇妙な冒険』スタンド編)」の「パロディ」としている。領域編本編は、書き文字などが特に『ジョジョ』を模している。

3コマ目「賭けるのは魂じゃなくてプライドだけど」

 そんな『ジョジョの奇妙な冒険』第3部、ダニエル・J・ダービー戦及びテレンス・T・ダービー戦から。西尾維新ジョジョパロで有名である。

 

 冒頭で触れたとおり、本作はアンチバトル漫画でありながらジャンプ漫画を志向している。『幽白書』の領域編は作者本人が「笑い飛ばして欲しかった」と語るようパロディであり、暗黒武術会編もいわゆるジャンプ漫画のトーナメント展開をパロディしたものであった。『HUNTER×HUNTER』では序盤が特に「アンチジャンプ」のきらいが強く、単純に勝つだけで終わらないサバイバルや、負け残りの逆トーナメント、主人公が脇役になる章と、王道を外しながらも少年漫画であることを目指した。

 ダービー兄弟戦はいずれも「ポーカー」と「テレビゲーム」という非バトルの戦いである。

 決してバトル展開に移行しない本作において、この二作のタイトルが引用されるのは示唆的である。

 

16P1コマ目「ブラバー」

 イタリア語「ブラボー」の女性形単数形の語尾変化。つまり、一人の女性に対して使う場合。

 

 

第十一号「泣く子と暗号には勝てぬ」

 「泣く子と地頭には勝てぬ」ということわざから。

 

1P

 夕方の自己紹介Xワード。名前縛り。『るろうに剣心』、『新世紀エヴァンゲリオン』、『美少女戦士セーラームーン』とアニメの趣味が90年代後半。筆跡が鋭い。

 

5P1コマ目

 夕方の質問は全ていろはの自己紹介Xワードのヨコのカギ。

 

6789P

 間のページを飛ばして69ページだけでも見開きとして成立している。

 独断で気になるものをピックアップする。

 

・父親は風刺漫画家

・入学理由は父の強制

・年齢は不明だが兄弟と姉妹が一人ずついる

・幼少期に虐待された経験がある

・初恋の相手はサークルの先輩(中学校以前)

・中学時代はチア部

・告白経験あり

・失恋経験あり

・ラブレターをもらったこともある

・好きなタイプは枢斬暗屯子(『激!!極虎一家』)

・結婚するなら肉枝教官

・神は信じない

・声変わりはまだ

・自分のことをクラスで3番目に可愛いと思っている

・人の死に9回立ち会ったことがある

・暴力や人数差を嫌うのは、渦中にいたから

 

 また、夕方の質問についてはのちに回収される。

 

・綿菓子のヘアスタイル(4巻)

濃姫にこだわっている(213話)

 

12P

 自明だが、夕方の持つカードと照らし合わせて一応穴埋めしておくと(こういうことをするのがこの記事の目的だし)、「なぜ せ[ん]そうはな[く]な[ら]ないの? [にん]げ[ん]はいつまで [ころし]あうの?(何故戦争はなくならないの? 人間はいつまで殺し合うの?)」。

 

13P5コマ目「ああうう ゆうが

 「た」「さ」「ん」が使えないので言い淀む。意識が飛んでなおルールを守ろうとしている。

 

14P1コマ目「引き分けってことだね。」

 1414P1コマ目、いろはの台詞を引用して。無論、夕方は(そしていろはも)引き分けだとは微塵も思っていない。

4コマ目「なかなか明るいね」

 いろはの言われたい褒め言葉「とてもあざやか」の失言半減質疑応答での言い換え。

1話で東洲斎、28話で凍、4話で綿菓子に言われた「とてもあざやか」だが、夕方には言われなかった。「わけのわからんイチャモン」すら付けられない、完全敗北だから。

 

〜リポグラム編〜

 こちらも穴埋めしておくと、「みな[さ]んは訊きたい[こ]とは訊け[る]う[ち]に訊いておきまし[ょ]う出ないと任意の半減で[も] [こ]の[ザ]マです[ね] [さ]あ! [こ]れであなた[も]【言論弾圧】!」

 「このザマですよ」の方が文として自然だが、なるべく多くの文字を使うならで「ね」とした(「こ」と「さ」が3回、「も」が2回使われているので、被りなしではないが)。「わ」や「ぞ」でも通じます。

 

 

第十二号「堪忍は無事長久の基、怒りは暗号と思え」

 「東照宮御遺訓」の「堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え」から。怒りによって周囲が見えなくなり、見えるはずのものが暗号になってしまうというお話。

 

4P2コマ目「おうどん」

 2話のリベンジ。目当てのものを食べることができた。

 

5P1コマ目「バトルはお前が雑魚だから負ける かつてない程弱かった どうせ大して暗号やる気ないよね?」

 初めて解答が明かされなかった暗号。

 

ばとるは[お]

まえがざ[こ]

だからまけ

るか[つて]な

いほどよわ

かつたどう

せたいして

あ ん ご

うや[る]きな

い よ ね

[?]

 

 5文字で区切って五十音に当てはめて、五十音表と一致した文字だけを拾っていくと「怒ってる?」となる。いろはを拷問したことについて、いろはが怒っているか確認している……のだが、(真意でないとはいえ)わざわざ煽る意味もないのでいい性格。なお、夕方はこのQ.17をもって「いろはに謝った」と自認している。「同じクラスでギスギスしたくないし」。自力で解かなかった読者には死体蹴りしているようにしか見えないが……

 

7P5コマ目「それと同じで」

 1151P1コマ目で解説したとおり、暗号バトルに負けた東洲斎だったが、本気で「下女にな」ったわけではない。あえてミスリードを誘う言い方をしたのは夕方だが、言葉を遮ったのはいろは。

 

8P3コマ目「NO…

 言葉を失った、のではなく、苗字。

 

 時系列順に並べると、58P→13P→9P〜となる。

 

9P1コマ目

濃姫家雪 314日生まれ

 NOYESNO。姫(貴族階級)で家柄もいい。それと、お嬢様の語尾「ですの」、でスノー。誕生日は雪だけにホワイトデー。

2コマ目

 夕方の言葉をいろはが遮り、濃姫の台詞を羊狼川が遮ることで、理由は説明されず。が、遮られなかったとしてもこの二人が初手でストレートに説明してくれるかというと……

 

1011P

 東洲斎派以外の派閥が明かされる。

母倉、膾、羊狼川は濃姫派。

縁沙、朧、海燕はいろはとの同盟(17話)。

無所属・真蟲犇、個人主義・小芝井、独立独歩・要塞村。要するに全員同じ。

 

11P2コマ目「女子校的」

 要塞村はこれを「女子校の派閥」と捉えているが、実際には、本作には政治劇の側面もある。これまでにも東洲斎が体面を気にするなど、その要素はあった。

 

15P2コマ目

 コールとルールで掛かっている。またポーカーの「コール」から、髪留めをチップに見立てている。

 

16P4コマ目「いろいろ」

17P2コマ目「縁ちゃん」

 カステット・カルテット以降、あだ名で呼び合うほど仲を深めていたよう。

 

17Pワンポイントレッスン

 GIGAに載ることはなかったが、2巻で描き下ろされた。

 

18P1コマ目「勝っても負けても引き分けても! いろは坂いろははただじゃ済まない──」

 これまで勝利条件や敗北条件を誤魔化したり、そもそもバトルではなく拷問を受けたりしたが、今回の暗号バトルでは、勝つことも負けることも、引き分けることさえも許されないという条件が課せられた。

 

3コマ目「革命と8切り」

 どちらもトランプゲーム「大富豪」のローカルルール。「ハウスルール」は店のローカルルールのことで、貴族のお家が決めるルールではない。

 

〜リドルストーリー編〜

 「リドル」は物語の形式の一つで、「ミステリ」とは異なりその謎が作中で解決されないもの。ここではQ.17に解答編がなかったことから。

 東洲斎が食べているのは12話で夕方が食べているのと同じ、⑦サラダ(食券機の番号は12話)。

 

 

第十三号「笑中に解答あり」

 「旧唐書」李義府伝の「笑中に刀あり」から。濃姫を笑わせるいろはは、勝ちでも負けでも引き分けでもない解答を得る。

 

1P

 濃姫の自己紹介Xワード。全体的に貴族っぽい答え。縁沙や夕方のようにテーマを決め打ちしないまま統一性がある。

 ハインラインの代表作といえば『月は無慈悲な夜の女王』。当主で女王だけに。パンはマリー・アントワネットから。それと、平仮名が丸文字。

 

3P1コマ目

 前話に引き続き、髪留めなしで髪は下ろしたまま。

 

4P7コマ目

 一人だけ顔に出してしまう羊狼川。

 

10P1コマ目「この暗号バトル 東洲斎享楽が預かるわ」

 前話18P1コマ目において、勝ちも負けも引き分けも許されないことが語られたとおり、そのどれでもない決着にするしかなかった。はずだが……

 

11P2コマ目「尊厳破壊」

 「尊厳破壊」「尊厳陵辱」は元はアダルトゲームに使われる言葉だったが、2020年、『ONE PIECE』第969話、第970話をきっかけに広く浸透した。

5コマ目

 軽々しく友達だなんて呼ばれて怒り心頭の東洲斎、かと思いきや友達だと思われたことを喜んでいただけ。11話のやりとりも、本気だったことが窺える。

 

13P5コマ目

 幼き日の濃姫はメカクレ。なので、失明した時期がいつなのかは(そして眩しい暗号が何なのかも)現時点では不明。

 

16P「当家はあなたに1億モルグ出資しますの」

 12話で解説したとおり、2021年を例にした概算では500M59551億円(を下回らない)。なので、1M120億円。

 

19P

 これまでA組生徒としか関わりのなかった凍だが、裏では教師と密会していた。

5コマ目「兵棋演習」

 兵棋演習は、実際の戦争・作戦を想定して机上で戦況を再現するもの。地図を広げて凸型の駒をレーキ(参棒)で動かすやつ。

 

 

第十四号「へぼ将棋王より飛車を暗号化」

 将棋の格言(川柳?)「へぼ将棋 王より飛車を 可愛がり」より。

 

2P1コマ目「今回はまずリーグ分けをおこなう」

 学級兵長選抜試験第一回「カステット・カルテット」の二人組は解散となる。ということで、選抜試験全体をあのチームで行うわけではない。カステット・カルテットの勝者・いろはチームに何の特典もないことから、あれは勝負というよりも親睦を深めるためであったり、対外的なポーズを見せる場であったと考えられる(それにより、いろはは縁沙、朧、海燕を仲間に引き入れることができた)。

 

4P1コマ目「伏線の回収も速い!」

 1615P5コマ目の口癖。

 

5P2コマ目「きみ達に協力されると強力なんでね」

 協力と強力が掛かっている、のはいいとして、同盟とはいえいろはに完全には与しない。仲間になっても友達にはなってない、という距離感。

 

6P1コマ目「解答編!!(常温)!!

 失言半減質疑応答、初の出題側を経て、久しぶりの解凍編。眼鏡兵器なしなので、時間はかかるけど常温解凍。

 

7P1コマ目「将棋盤じゃなくって!」

 サブタイトルが将棋に関するものなのもミスリード

 

14P1コマ目

 17話で明かされた小芝井、真蟲犇、雁音と、目々蓮が眼鏡兵器を光らせる。が、雁音は眼鏡を外しているように見える。

 

15P「マダミス」

 マーダーミステリー。リアル脱出ゲームの隆盛と共に台頭したパーティゲームで、リアル脱出ゲームのように施設で行う体験型と、家やボードゲーム専門店などで遊べるパッケージ型がある。後者はゲームデザイナーの作品のほか、ラノベ作家・河野裕がシナリオを書き下ろしたり、WJ202316号には「キミと青いヨルの」というマーダーミステリーと導入となる読切漫画が掲載された。

 

17P6コマ目

 夕方のカードを見せつける小芝井。いろはの「知ってる子」は夕方と朧の二択だった。

 

18P1コマ目

 朧そぼろのキャラクターカード。「非公開情報」は「暗号学園殺人事件」のための設定だが、それ以外のほとんどは正しい情報に見える。

 眼鏡兵器「色眼鏡」は17話で使用しており、211話でいろはは(根拠不明だが)朧のことを「元囚人」と推測している。が、「虚実皮膜入り混じる」と言われるとおり、その中にはフェイクの設定も含まれている。

このキャラクターカードによって、全てのクラスメイトが各々一人ずつの(知られたくない、いくらかは事実の織り交ぜられた)パーソナルデータを覗き見することとなる。

 

 

第十五号「桂の暗号歩の解読」

 将棋の格言「桂の高跳び歩の餌食」より。情報が飛び交う中で、一歩ずつ解読していく。

 

1P2コマ目

 笑う朧。1214P2コマ目では「おしりのり」で笑っていた。

 

23P

 Dリーグの自己紹介Xワード。

 小芝井は「逃げる」「演じる」の印象。

 雁音は理科・自然っぽい。

 目々蓮は……危険思想。

 真蟲犇は名前が収まらないのでトリッキーに。タテのカギが「あなたの名前は?」なので(広義の「フルネーム」を問うているのを狭義の「下の名前」と解釈して)、必然的に苗字の方を横書きに。

 そして、四人は本来のキャラデザではない。

 小芝井は髪を結んで夕方風のポニーテール。

 雁音は眼鏡を外して(コンタクトを入れて。コンタクトの方が眼鏡兵器?)次ページで丁寧にツインテールを作ってもらい牡丹山に。

 目々蓮は包帯を巻いて沼田場に。

 真蟲犇はバンダナを外し学生帽を被り、上着を開けて羊狼川に。

 

5P1コマ目「牡丹ちゃん」

 牡丹山春霧のこと。仲良し。

4コマ目「おたまちゃん」

 真蟲犇のこと。一匹狼同士仲がいい?

 

6P3コマ目

 ☆1☆1☆3☆0を独占する目々蓮。これにより☆5を押しつけると同時に、☆21枚余らせてトーク1枚のプレイヤーを3人作る非道い一手。1人とは2枚差、2人とは3枚差のアドバンテージを得られる。

 

7P3コマ目「強火担」

 アイドル用語。「推し」と呼ばれる好きなアイドルを「担当する」と表現し、「(名前)担」を名乗る。それに、愛情が強火(大きい)であることから「強火担」。特定のアイドルのことが好きすぎるので「同担拒否(同じアイドルを『担当』する者を憎む)」となることもある。ここではより没入するアイテムを求めている。

 

8P67コマ目

 波と並々ならぬで掛けている。

 

10P1コマ目

 夕方そのものになりきる小芝井……ではないことが、3202P目で分かる。

 

11P4コマ目「なんなら一番コスプレしてないのに

 目々蓮は全身に包帯、真蟲犇は学生帽+前開け、いろははマント、雁音はヘアゴム(+眼鏡マイナス)、小芝井はヘアゴムのみ。

 

1213P

 会話の流れを整理すると、以下のとおり。

 

夕方牡丹山に質問「勿忘草の話」

羊狼川夕方に反論「東洲斎派への牽制」

沼田場夕方に追撃・トークA「凶器は踏襲図の新兵器」

 怪しまれる夕方。

 

牡丹山・トークA「スパイは天麩羅もしくは天秤」

牡丹山・トークB「勿忘草は朧を疑っていた」

羊狼川・☆4トークン「スパイは豚の覆面」

羊狼川・スキル『残飯処理』使用

羊狼川・☆2トークン「犯人の出席番号」

牡丹山羊狼川に反論「解読を疑う」

沼田場・トークBツインテールの絵」

夕方・☆4トークン「犯人の左目を傷つけた」

 羊狼川がスキルを発動して場に全てのトークンが出揃う。その全ては犯人の特徴について。

 

牡丹山夕方・スキル『オデュッセイ・アイ』使用「暗号カードの透視」

夕方沼田場・スキル『くれなずみ』

使用「牡丹山の『オデュッセイ・アイ』を沼田場に使用」

沼田場・スキル『記憶喪失』発動「『オデュッセイ・アイ』を無効化」

 スキルの応酬。牡丹山がトークンを手に入れるはずだったが最終的に無効化される。

 

沼田場羊狼川に攻撃・トークC「スパイは大量のモルグを所有している」

羊狼川沼田場に反論「濃姫からの借金」

 怪しまれる羊狼川。

 

夕方沼田場に質問「勿忘草に流した情報」

沼田場夕方に解答「言えない」

 怪しまれる沼田場。

 

夕方牡丹山に攻撃「口論しているのを見た」

牡丹山夕方に反論「大親友だから喧嘩くらいする」

 怪しまれる牡丹山。

 

牡丹山・疑問「暗室に行った理由は?」

牡丹山・疑問「現場は密室だった?」

羊狼川・疑問「合鍵を持っていたのは?」

 

 

第十六号「王手飛車解き」

 将棋の指し手と、そこから生まれた格言「王手飛車取り」から。苦渋の決断の意味で使われるが、実際の将棋では二択ではなく一択。それが分かっていないと「へぼ将棋王より飛車を可愛がり」となる。

 兵棋演習ということで、1416話のサブタイトルは全て将棋に掛けたもの。

 

12P

東洲斎いろは役

夕方東洲斎役

濃姫母倉役

目々蓮役

 夕方は本人の前で東洲斎役。同グループのロール。

 

海燕小芝井役

縁沙匿名希望役

要塞村真蟲犇役

沼田場要塞村役

牡丹山縁沙役

 沼田場と牡丹山は本人の前で。和気藹々の雰囲気。

 

綿菓子海燕

濃姫

母倉膾役

羊狼川雁音役

匿名希望綿菓子役

 母倉と匿名希望は本人の前で。母倉、膾ともに同グループのロール。緊張した空気、というより凍りついている。

 

 「いたたまれない」という理由らしいが、Dリーグ以外は同卓内で本人の目の前でロールをすることになっている。

 

5P2コマ目「ネガポジ反転」

 暗室にある写真から連想。

5コマ目「いや

 何が「いや」なのかは11P5コマ目に繋がる。

 

7P1コマ目「名探偵」

 言い訳のできない朧のキャラを逆手に取り、主導権を握ることで発言できるようになる。

3コマ目

 ミステリの世界に没入して感動しているミステリマニアの雁音。

4コマ目

 ☆5トークンを解いて以降敗色濃厚で青ざめる目々蓮。

5コマ目「色めいたのは」

 朧の口癖が色にまつわるものなのは、171P目から。

 

10P2コマ目

 鉤括弧が取れているので、牡丹山(役)ではなく雁音の発言。名探偵の名推理にテンションが抑えきれない。

 

11P2コマ目「『推理作家にでもなったらどうだコラ!』」

 ミステリ小説やミステリードラマの定型句、「探偵さん、面白い推理だ。作家にでもなったらどうだ」。奇想な推理を披露する探偵に対して、アリバイを持っているから犯人だとばれないようそれを諭す言葉。

3コマ目「羊狼川さんのイメージが悪いな

 真蟲犇から羊狼川が悪く見えている、ということ。

7コマ目「未読の暗号」

 ☆0トークンのこと。これを解くと真相に辿り着いてしまうので、朧(役)が読んでないこと偽装した。

 

12P2コマ目「『決はちゃんと取るよ 東洲斎派だし』

 ケツだけに。

 

13Pワンポイントレッスン

 事件の途中どころか終わってから始まるのでストーリーが掴めないが、「暗号の答えが反転する」という以外に真っ当かつギミックを消化してるミステリになっている。

 

いろは:唯一正解に辿り着けるロールだった。目々蓮との密談がファインプレーで、「暗室に真実がない」情報を手に入れ、「スパイが2人いる」という本来なら不利になる情報をクリティカルに渡せた。

真蟲犇:いろはから見た「犯人」。真相を知り盤面を優位に動かせる役柄だが、それゆえに前提を崩されるとリカバリーが効かなかった。

小芝井・雁音:捜査主任役の小芝井は「一票が確保」と言っているが、盤面が正しく進んだ場合、雁音は必ずいろはを指名することになる。雁音はミステリ好きが災いした、どころか素になって本来敵対すべきいろはを補助してしまった。

目々蓮:「狂人」のロール。優位に立つつもりで☆0カードを渡したのが最大のミス。

 

 

ということで、兵棋演習「暗号学園殺人事件」は、

・会話劇と慣れないロールで一度美味しく、

・ゲーム開始前からのストーリーの全貌と各人の勝利条件を把握して二度美味しく、

・ある程度読み進めて朧、小芝井、夕方、真蟲犇、羊狼川、雁音、牡丹山、目々蓮、沼田場の8人を知ってそれぞれの言動が本人のものかロールなのか(他リーグに関してはコスプレとして)、そしてキャラクターカードの情報がどの程度真実なのかで三度美味しい章だった。

 

14P6コマ目「たゆたん」

傍点が振ってある理由は1116P

 

 

キャラクター設定資料集「東洲斎京楽」

コートを羽織るのは三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛、姫カット美人画(というか当時の町人)の髪結いから?

KPAの企業ロゴは写楽の判子と蔦屋重三郎の版元印。

https://otakinen-museum.note.jp/n/n563eeb22d908

 

 

縁ちゃんといろいろ!

「ラブハンドル」はカップルが使う英語圏スラングで、(恋人の)脇腹の贅肉のこと。

「背中じゃなくて脇腹」になっているのは、「腕が長い」から。

 

 

イースターエッグ

「紅葉の髪飾り」

81213P目。いろは坂のシーズンが紅葉だから。

「みんな自己主張が強いよ」

いろはのボトルは同シーン。KPAロゴは失言半減質疑応答の裏面。暗号学園殺人事件のシルエットの下に「KOGOE」。

「本にとっての希望でもある」

漫画家として本望だし、本にとっても。

「アスタラビスタ」

スペイン語で「さようなら」。『ターミネーター2』での「地獄で会おうぜ」という翻訳が有名。

 

 

カバー下

東洲斎や小芝井のコスプレをしている……のではなく、正解を当てる間違い探し。1イースターエッグにて髪飾りと制服について言及されていた。

 

 

2巻の出来事・バトル

89……戦場の踊り子

1011……いろは対夕方「失言半減質疑応答」

1213……いろは対濃姫

1416……学級兵長選抜試験二回戦「兵棋演習 暗号学園殺人事件」

 

1巻ではいろはの志が描かれたが、2巻冒頭では「大目標」が提示される。小目標は目下のところ「学級兵長になること」だが、それを積み重ねた先に「踊り子の解放」が新たに追加された。つまり、現れた敵を倒す踊り子を解放する全ての戦争を停める、という順に戦略を叶えることになる。

1巻では東洲斎、綿菓子と戦ったが、2巻で戦うのは夕方と濃姫。いずれも東洲斎を軸とした配置で、バトルを通していろはを描くとともに、メインキャラとして東洲斎とその周辺を掘り下げている。そして対夕方戦でいろは、初の敗北を喫してしまう。

1巻から続けて「主人公の名前を覚えさせる(第1話の暗号の答えが名前になっている)」「ヒロインを出す(東洲斎、凍)」、「テーマを作る(停戦)」、「都度、小目標を更新する(バトルを用意する)」、「大目標を作る(踊り子)」、「主人公の敗北(夕方戦)」、「軸となるメインストーリーを進める(兵長選抜)」というのは現代のジャンプにおいて必須と言える要素で、2巻のうちにこれらを済ませることができた。

ストーリーとしては、序盤の山場である兵長選抜試験のラスボス、匿名希望が登場して終わる。

精読・『暗号学園のいろは』1巻

本記事は、『暗号学園のいろは』の魅力を伝えるために書かれたものです。

『暗号学園のいろは』はWJ本誌において掲載順下位を行き来し、安定した人気があるとは言い難いです。私はその理由の一つに、「難解さ」が挙げられると思いました。

暗号、つまり謎解きが難解なのもそうだし、設定やキャラの関係、話数を跨ぐ伏線や台詞についても、読者が気付かないからいまいち支持が得られていないのだと。実際、ジャンプにおいて分かりやすさ、派手さは大きな武器といえます。

しかし、『暗号学園のいろは』の魅力は「一見して地味であること」、「難しいが暗号自体はある程度フェアであること」、そして「アンチバトル漫画であること」にあります。

『暗号学園のいろは』は徹底してバトルを行わない。暗号のストックが枯渇してバトル展開に移行することもなければ、キャラの扱いに困ってバトルで解決することもない。

その素晴らしさを伝えるために、細枝の小ネタを拾い、解説していこうと思います。マジで、マジで切実なのでついてきてください。読めば絶対に面白いので応援してください。アンケートを出して、単行本を買ってください。

 

 

第一号「第四次世界大戦は紙と鉛筆でおこなわれる」

 アインシュタインが「第三次世界大戦でどのような兵器が使われるのか私は知りません。ですが、第四次世界大戦は石と棍棒によって戦われるでしょう」と言ったとされることから。

 

1P1コマ目「正解は38ページ後!」実際に38ページ後で正解が発表される。本誌掲載時はカラーページを含めた「58ページ後」だった。

2コマ目

 「38ページ後」で文が終わっておらず、実は続いていた。この「文末を引き継いで別の意味にする」は本作で多用される語り口。

 

2P「才媛」

 才媛は「教養のある女性」のこと。「女性」に掛けて傍点が振られている。

2P「次なる大戦」

 1話サブタイトルで言及されているのは第四次世界大戦。前述のとおりアインシュタインからの引用だが、作中世界における「次なる大戦」が第三次世界大戦なのか第四次世界大戦なのかは不明。

 

1話おまけページ1dwnLhlxaam

 1話掲載号の週刊少年ジャンプの表紙。裏返す(いろは視点から見る)と「weekly Jump」になるアンビグラム。ちなみに西尾維新のローマ字表記(NISIOISIN)も点対称かつ線対称のアンビグラムとなっている。

 

4P4コマ目「先取的」

 「先進的」と同じ意味で使われているのであれば、男女の隔てがないこと、スカートを強制しないことなど、ジェンダーレス的な方針を指している?

 

5P1コマ目

 15歳と銃後が掛かっている。

1コマ目「戦争を放棄」

 日本国憲法の施行は1947年。

 

6P4コマ目「高度経済成長期」

 1955年ごろから1973年ごろを指す。クロスワードパズルの成立や日本での普及はもっと古いので、「高度経済成長期」という言葉のチョイスには特に意味はなさそう。

2017年時点で刊行されている最古のクロスワード誌は1984年創刊らしく、やはり無関係。

http://blog.livedoor.jp/shienpuzzle/archives/51150870.html

 

8P12コマ目

 「才媛」の中でも特に優秀であることが示唆されている。

3コマ目

 何気ないカメラアングルだが三人には共通点がある(→12P4コマ目)。

 

13P2コマ目「他に利用者のいない図書室」

 東洲斎と他二人、「匿って」と言った少女は「利用者」ではないので嘘ではない。

3コマ目

 東洲斎はそれを見抜いているのでより確度の高い質問を続ける。

4コマ目

 なので、これは完全な嘘。

 

15P1コマ目

 17P目までモノローグで主人公の一人称は出てきておらず、ここでようやく性別が明かされる。

 

16P3コマ目「前の席くん」

 ここで思い出したのか、それとも13P目は煽り言葉だったのか。

 

17P3コマ目「悪役令嬢」

 13P目で「お嬢様」であることが明かされているが、さらに「悪役令嬢」でもある。類型はより過去に遡るが、29P6コマ目から、ここでは「小説家になろう」に投稿される「悪役令嬢もの」をパロディしていると思われる。

3コマ目「後ろの席くん」

 凍から見て後ろの席に座っているので。

5コマ目「大きな声じゃ言えないがね」

 凍小声なので、大きな声では言えない。普通、人は後ろめたいことがあると大きな声では話せなくなる。

 

20P1コマ目「賢そうに見えるよ」

 字面どおり受け取ると、眼鏡をかければ周りから賢く見られるということ。

 

22P1コマ目「暴力をふるわなくてもヒーローになれるから」

 西尾維新WJ前作『めだかボックス』で引用されたキャラでいえば、孫悟空ケンシロウ空条承太郎キン肉マン緋村剣心も、ヒーローと呼ばれる者はみんな「暴力をふるっている」と言える。

 前述のとおり、本作は「アンチバトル漫画」であるため、この思想が根底に敷かれている。

 そして何より、本作は最大の暴力である「戦争」を止めるために暗号を解く物語である。

 

24P6コマ目「見た目を変えても現実が変わるわけじゃないけど」

 外見を変えたところでいきなり賢くなるわけではない。20P1コマ目と同じく、のちのページに続く。

 

26P1コマ目

 自己紹介Xワード。問題文のないクロスワードという、読者(そしていろは)からすれば「何をしていいのか分からない」ものだが、実は「タテのカギに名前を入れる」というルールさえ分かれば解けるものだった。クラスメイトは全員それに気付いていたので、作成者側(そして読者)からすると、ただ言葉を入れただけではなく、いかに信条を当てはめられているかを見る場となる。

 

30P4コマ目「踏襲図」

 東洲斎から踏襲、さらにそこから蹴りの連想で「トゥシューズ」と掛けている。

5コマ目「この学園で」

 この学園以外で友達になると損がある?

5コマ目「敵に回すと欠損しますよ」

 損するどころか、である。

 

31P3コマ目「完成度がいまいち稚拙よ 特に④

 言われたい褒め言葉「とてもあざやか」。7文字で5文字目が「ざ」の言葉が思い浮かばず、副詞で文字数稼ぎをしているため。

 

33P6コマ目「帳面を破るくらい簡単」

 赤子の手をひねるように。文字どおり、帳面を破っている。

 

35P

東洲斎享楽 51日生まれ

 名前は東洲斎写楽から(2巻おまけページ)。誕生日はメーデー

夕方多夕 14日生まれ

 名前に「夕」が「多」い。「たゆう」は「太夫」、あるいは「たゆたう」雲のイメージで「夕方」? 誕生日は銃士(14)?

 名前や誕生日には何かしらのネタが仕込まれてそうだけど、全然分からないので各自で解読してみてください(放棄)。

 

36P2コマ目

 1P目に戻る。生きててよかったね。

 

38P

 1P目から数えて38ページ後(3P目と4P目の間におまけページがあるので1ページずれている)。

2コマ目「解凍編」

 ミステリの「出題編」に対する「解答編」。特に推理小説の場合、「それまでに出揃った情報で犯人を推理することが可能」を意味する。

 解答からの連想で「解凍」、謎を解凍する。英語にして「icy」、音を拾って「I see」は「分かった」。また、「コールドリーディング」は観察法の一つで、相手の外見や口調から推理すること。事前に得た情報を伏せたままその場で推理したように見せる「ホットリーディング」の対義語。

 

39P3コマ目「否 それも否」

 一つ目の「否」は1コマ目と同じ「いや、」の意味だが、二つ目は「それも違う」。否定を重ねているのではない。

 

40P12コマ目

 「賢そうに見える」は暗号の解き方が見える」という意味だった。

 

43P4コマ目「だから出身地かもって思ったし」

 1P目の時点で漢字の被りがなく都道府県を連想させる漢字のみが使われていることから、読者もそこまでは読めるだろう、と踏んでいろはの理解度をそこに設定している。

 

47P1コマ目「えらく私を悪く言うのね」

 つまり、「検証するためのあてこすり」でも「笑い者にするつもり」でもなかった。

 

49P1コマ目「とてもあざやかね」

 言われたい褒め言葉で褒めてくれる東洲斎。

 

50P1コマ目「暗号を解かれたオマエの負け」

 この暗号バトルにおいて、東洲斎が勝利した場合の報酬は決められていたが、いろはが勝利した場合は決められていなかった。なので「いろはから提案された」この言葉には従う必要があった。

4コマ目

 綿菓子が振り翳しているのはビニールチューブ入りのチェーン。欠損します。

 

51P1コマ目「ご主人様」

 とはいえこれ以降、東洲斎がいろはの下女となってはいない(その理由は213話で)。

 

54P2コマ目「M

 モルグは死体安置所。また、初めて密室殺人事件を扱ったミステリ小説のタイトルは「モルグ街の殺人」。

「暗号資産の発掘戦争」

 暗号通貨のマイニングといえば、現実世界ではビットコインで有名になった行為。

 

都道府県編〜

 左手が「四」本、右手が「七」の形で四十七都道府県?

 「裸眼!享楽教室」のサブタイトルは、実在するものの名称には「編」が付き、本作オリジナルの造語には付かないという法則がある。

 

 

第二号「腹は減っては暗号ができぬ」

 「腹は減っては戦ができぬ」ということわざから。言葉どおり、物語は学食から始まる。また、比喩として「腹」は「資金」でもある。

 

1P

 モールス信号のアルファベット対応表。

 

3P1コマ目

 「うどん」を食べたかったが「カツ丼」。1/16の賭けに出た可能性もあるが、「ドン」を読めていたのならニアミス。

 モールス信号を一切知らなくても、券売機に書かれた「--//-/・・-」を「MENU」だと当て推量することができれば「U」と「N」は分かる。

 

4P2コマ目

 逃げている=隠れているから顔を隠してあげる。

 

6P2コマ目「いじめを避けるEASYめ」

 いじめとEASYめで掛かっている。難易度は星3(食券<クロスワード<これ<都道府県)なので、EASYめではない。

 

7P3コマ目

 文房具を武器にするといえば、<物語>シリーズの戦場ヶ原ひたぎ。「戦争を、しましょう」

 

8P5コマ目「教室裏サイト」

 ゼロ年代半ばから流行したもので、学校裏サイトと呼ばれる主にガラケーでアクセスできる会員制のサイトが存在した。いじめを助長、過激化させる投稿が多数を占めた。

5コマ目「背中サイト」

 自身の背中をその掲示板に見立てているのか、サイト(照準器)のことなのか。ちなみに東洲斎の髪飾りは、7P3コマ目で分かるようにライフル実包をモチーフとしている。

 

9P4コマ目「頭の上かなー?」

 眼鏡を頭の上に置いて「メガネメガネ」と探すのは、横山やすしのギャグ。

 

11P6コマ目「おなかがいっぱいで あたまもいっぱいで」

 前者は満腹で、後者は「いっぱいいっぱい」。予期せぬ再会、追われる理由、謎の眼鏡、暗号、宿題と矢継ぎ早に考えることが生まれたから。

 

13P2コマ目「新設校ゆえに」

 12Pでも言及が。いろはたちは一期生なので、学園に上級生はいない。

3コマ目「M組のあるメタバース

 メタバースは、2021年ごろから投資の対象となった、VRゴーグルで没入する仮想空間のこと。M組の教室は現実世界にはないらしい。

 

16P3コマ目「嘘吐き共の狙いは」

 つまり、嘘をついてない生徒の目的は500Mではない。

 

17P3コマ目「その価値は時々刻々と劇的に変動する」

 例えば最も有名な仮想通貨ビットコインは、初めて行われた取引が「ピザ2枚」と「10,000BTC」、2011年には1BTC3000円、2013年には12万円、2017年の最安値は85000円、最高値は230万円と、乱高下している。

4コマ目「先進国が計上する軍事予算の中央値」

 2021年のG7の軍事予算はアメリカは7782億、イギリスは592億、ドイツは528億、フランスは527億、日本は491億、イタリアは289億、カナダは228億(単位はドル)。中央値は527億ドル。130円で換算すると、59551億円。

 

18P3コマ目「とっぽい奴ら」

 「とっぽい」は、辞書によって「不良っぽい」、「間抜け」と全く別の意味が紹介されるが、ここでは前者。

5コマ目「つるはし」

 前話ラストで「マイニングウォー」という言葉が出てきたが、「マイニング」は英語で「採掘」。

 

22P3コマ目「嘘吐きのクラスメイト共」

 ここに挙げられた14人(-3人)は、志望理由を偽っている?(「嘘吐きを含む」という意味かもしれないが)

 

朧そぼろ「動機は憎しみ そして怒りだ」

海燕寸暇「あははっ だって制服可愛いもん」

絣縁沙「学園の理念に共感したのさ

濃姫家雪「もちろん ノブレス・オブリージュですの」

羊狼川食穂「タダメシ食えっから」

沼田場愁嘆「しゅーたん友達に誘われたの」

小芝井躾「なーんか楽しそうじゃん? 私の理由は常にそれ!」

雁音赫音「暗号を解くのが好きだから 一流の暗号解きになるのが夢なの」

真蟲犇蝌蚪「某には憧れの暗号兵がいるのです」

目々蓮馬酔木「【コンプライアンス違反】」

匿名希望「………………。」

 

24P2コマ目「相当数の生徒がいろは坂のことを女子だと思っていました」

 「相当数の生徒」は、A組以外であろう。そしていろはは外見も声も女子に見える。

 

 

第三号「暗号は踊る、されど進まず」

 ウィーン会議を評する「会議は踊る、されど進まず」という言葉から。タイトルどおり、ダンスが主軸となっている。

 

1P

 巻末でも解決されているが、シャーロック・ホームズシリーズの短編「踊る人形」の暗号。グラフィック内の文字は一文字ずつ対応しており「CIPHERACADEMY」。左下は「AM HERE」。

 2話冒頭の食券機(「MENU」)と同じく、「AM HERE」には「CHIPHERACADEMY」の文字しか使われてないので、「踊る人形」の暗号を知らなくても解ける。

CHIPHER ACADEMY』は『暗号学園のいろは』の英語タイトル。

 

10P3コマ目「気の毒な人ではなかったわけですか」

 1話での心理ネームで、いろはのことを何度か「気の毒」だと思っていた。夕方とは異なり、綿菓子は眼鏡がキーになっていることに気付いてなかったよう。その後の会話で東洲斎が「兵器」について知っているのは、凍が踏襲図の元社員だったから(2話ラスト)。

 

14P1コマ目「ダンスバトル」

 ヒップホップのカルチャーの一つ。日本では2010年代後半からヒップホップ、日本語ラップの再ブームが起き、2022年からは日本テレビ主催のダンス大会「THE DANCE DAY」が開催されたり、フジテレビで「乃木坂46とダンスバトルズ」が放送されている他、ダンス関連の番組も増えている。

 ヒップホップにおけるダンスバトルは、基本的にブレイクダンスを指し、いろはが踊ったものとは異なる(はず)。

 また、2008年から中学校でダンスが必修科目となり、それ以前から小学校では「表現運動」が必修となっていた。

2コマ目「ごめん!」

 謝れる女、綿菓子。

2コマ目「とてもあざやかでしたよ!」

 いろはの言われたい褒め言葉。

5コマ目「暗号文で交わされた約束は絶対ですとも」

 1話で東洲斎がいろはのことを「ご主人様」呼びしたのも、暗号バトルだから。逆に、ダンスバトルで嘘をついたのは暗号ではないから。

 

16P4コマ目「お前の孫」

 いろはの眼鏡のこと? シィジィはAIのようだけど、1話ラストの台詞は凍によるものか、AIによるものか。

 

17P5コマ目「オマエ こないだ口にくわえてたし」

 137P6コマ目。

 

20P4コマ目「コマンド」

 「commando」なら特殊部隊、精鋭部隊の意味。

5コマ目「私は常に選択肢を提示します」

 ここで提示された選択肢は「条件を呑んで暗号バトルで戦う」か「みっともなく泣きを入れる」。

5コマ目「男の中の男なら」

 かかっているのは「選択肢」ではなく、「条件」に対して。男の中の男なら暗号バトルを選ぶだろう、という意味。

 

21P2コマ目「これが最後の解凍編」

 いろはは学食でも2B組でも凍に兵器を返却しようとしていたので、勝っても負けても手放すつもりだった……どころか、この暗号から兵器を使えなくなる。

 

15パズル編〜

 ジグソーパズルは好きな位置にシャッフルできるけど、15パズルならスライドしなければ指定の位置にピースを置けず、そのために他の順番を入れ替える必要がある。私からすると脳内でやるならどっちも同じくらい難しい気がするけど、どうなんでしょう。

 

 

第四号「解いて暗号の緒を締めよ」

 北条氏綱の遺言「勝って兜の緒を締めよ」から。例によってタイトルどおり、いろはの解いた暗号のにまつわる。また、が重要ということで、話数とサブタイトルも1ページ目ではなく最終ページに置かれている。

 

1P

 綿菓子の自己紹介Xワード。統一性はない?

 

8P4コマ目「過去問復習」

 綿菓子の尊い勉強法。

 

14P1コマ目「引き分けってことだね。」

 5P3コマ目の「逃げちゃ駄目だよ」という台詞を考えると、最初から最低でも引き分けを狙っていたのか。

 綿菓子は314P3コマ目で「30分以内に解」けた場合をいろはの勝利条件、20P3コマ目で「解けなかった」場合を敗北条件としているが、「31分以上かけて解いた」場合は指定していなかった。

 

 

第五号「暗号同舟」

 兵法書孫子」の故事成語呉越同舟」から。敵対する者同士で同盟を組む話。

 

2P4コマ目「きみの瞳を誤認逮捕する♪」

 ドラマ『君の瞳をタイホする!』から。

 

4P1コマ目「そんじゃギャルはドロンしまーす リュウセンだね ナガレカワだね ルカワだねえ♪」

 『タイムボカン 王道復古』のドロンジョの台詞「流れ石だね、リュウセキだね、流石だね」から。いろはのことを「流石」と褒めている。リュウセン、ナガレカワ、ルカワはどれも「流川」で、2022123日公開の映画『THE FIRST SLAM DUNK』からの引用(掲載号のWJ20233号は20221219日発売)。

 また、朧と海燕はどちらも2話で「嘘吐き」とされた生徒。

 

5P2コマ目「並べた中に答えがあるとも言っていない」

 Q.02と同様に。

 

12P4コマ目

 神絵師の正体は320話と21話で。

 

16P

 212話及び426話の派閥を付記すると、正答者と指名は以下のとおり。

 

1.東洲斎(東洲斎派)いろは

2.真蟲犇匿名希望(未)

3.牡丹山雁音<拒否>(牡丹山は13番目に並び直し)

4.膾商(濃姫派)母倉(濃姫派)

 チーム。

5.濃姫濃姫派)夕方(未)(東洲斎派)

 対立派閥かつ幼馴染み(213話)。

6.海燕朧(未)

 チーム。

7.雁音牡丹山

8.羊狼川(濃姫派)沼田場(未)

 対立派閥。

9.綿菓子(東洲斎派)目々蓮(未)

 仲良し。

10.母倉<指名せず>

11.要塞村小芝井(未)

12.いろは縁沙(未)

13.牡丹山<指名不可>

 

 東洲斎いろは、牡丹山←→雁音、膾商母倉のみ正答者への指名で、それ以外は未回答者への指名。夕方、朧、目々蓮辺りは指名されることを分かって解いてなさそう。

 

〜手錠解錠〜

「手首だけに剃刀」

 リストカットといえば、『新本格魔法少女りすか』。

 

 

第六号「暗号兵は拙速を尊ぶ」

 前話に引き続き「孫子」の「兵は拙速を尊ぶ」から。三人の「拙速」が描かれる。

 

1P1コマ目「カステット・カルテット」

 カステットはフランス語で「ジグソーパズル」。

 

4Pワンポイントレッスン「こういうのは面白い面白くないじゃねーから」

 本記事でもこういうのをいくつか解説しているし、今後も頻出するが、面白い面白くないではないです。

 

5Pワンポイントレッスン

 「頭を壊すこと・もの」が「大きな声じゃ言えない」というと、『銃夢』新装板刊行時に20年間使われてきた「発狂」という単語が差し替えられた(作者曰く「論理的に矛盾しまく」っている)修正を思わせる。

http://yukitolog.blogspot.com/2010/06/1.html

 

8P1コマ目「九倍」

 2種類のピースを2人で四重奏、なので3種類3人で9倍。

2コマ目「口癖 臀部にまつわる夥しいまでのスラング

 18P27P24P59Pと、登場回では毎回「臀部にまつわるスラング」を発していた。その由来は212話で。

 

9P1コマ目「ご縁がなかったってことで」

 縁沙だけに。

8コマ目「体裁が悪い」

 笑い者にするほど悪人ではないが、いろはや縁沙を切り捨てない理由が情ではないくらいには打算的。

 

14P「敏捷いって言うか 敏腕い!」

 敏の字で掛けて。

 

15P5コマ目「袖擦り合うも他生の縁さ」

 袖擦り合うだけに、萌え袖。

 

19Pワンポイントレッスン「よいお年を!」

 掲載号は

 

 

第七号「最後に解く者が最もよく解く」

 イギリスのことわざ「最後に笑う者が最もよく笑う」から。最後に明かされた暗号の答えは……

 

2P1コマ目「眼鏡兵器」

 名称はここが初出。

扉絵

 絣縁沙の自己紹介Xワード。「の」縛り。かつ、口癖も組み込んでいる。

 

3P13コマ目「空気が読めない割には表情を読むじゃない」

 複雑な感情を的確に。これについては322話で。

 

5P7コマ目・8P9コマ目

 お互いが自身の長所が上回っていると考えている。615P1コマ目(14P2コマ目)のいろはの自己肯定感の低さ(37P)との対比。

 

7P4コマ目

 4話のいろはのように書き出したが、本来は同じ文字を抜き出すだけでいい。4P目のボード(真ん中が上下反対)と見比べると分かる(つまり、4P目の時点で解ける)。

 

9P3コマ目「元がごちゃ混ぜのジグソーだったことも加味すれば」

 答えるために出題方法を加味するのは、6話冒頭に倣う。

 

11P4コマ目「カステット・カルテットの正解」

 前ページワンポイントレッスンも引いて、「Q.09」はカステット・カルテット自体には掛かっていない、という仕掛け。

 

14P「ボクが学級兵長になったら世界で起きてる戦争を 全部停める。」

 219Pで語られる凍の夢との対比。の、さらに倍。

 

19P6コマ目「伝えるつもりなかったけど

 6話冒頭の暗号含め、いろはを値踏みしていた。渡すつもりがなかったのは……いい性格してる。

 

ロゼッタ・ストーン編〜

「どんな漫画もジャンプに載ればジャンプ漫画」

 私がこの記事を書く理由でもあります。アンチバトル漫画でありながらジャンプ漫画であることに本作の魅力があります。

 

 

イースターエッグ

いろは坂のカーブ」

 日光いろは坂は、48個のヘアピンカーブをいろは歌に例えて、それぞれに文字板が建てられている。ヘアピンカーブなのでヘアピンで、そのヘアピン自体がいろは歌の看板の形になっている。

「デザインが違いました!」

 115P以前も、他のクラスメイトが全員右前の中、いろはのみ左前になっている。注意深く観察すれば東洲斎より先にいろはが男であることに気付けた(他の推理材料としては2P目の「才媛」への傍点など)。

「バッハ作曲『蟹行カノン』!」

 64P1コマ目の背景。最後の音符から逆行する曲、らしい。ゴールがスタートになるカステット・カルテットゆえに。

 

 

カバー下

 3話で登場した、作中世界に実在する男子校。実際に土嚢を積んで塹壕を作っているのかは不明。

 

 

1巻の出来事・バトル

1……いろはと東洲斎

2……いろはと凍

34……いろは対綿菓子

57……学級兵長選抜試験一回戦「カステット・カルテット」

 

1巻を通して描かれたのは、テーマ……つまり「いろは坂いろはの目標」。1話で志なく入学したいろはは、2話で眼鏡兵器を手に入れて凍に魅せられ、7話(つまりラスト)でその目標を言葉にする。これにより、「主人公の精神性」と「物語の着地点」が明確に示されることとなった。

ストーリー面では東洲斎と凍を天秤にかけ、いろはは凍のために綿菓子と戦う。そしてカステット・カルテットでは同盟を手に入れる。

 

https://ukaritchu.hatenablog.com/entry/2023/10/04/191330

今月観た映画(2023年9月)

先月観た映画


 



観た映画

『アステロイド・シティ』

『恐怖の報酬【オリジナル完全版】』

『オカルトの森へようこそ THE MOVIE

『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』

『回路』

キル・ビル vol.1

キル・ビル vlo.2

ジョン・ウィック:コンセクエンス』

スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』

 

新作3、旧作6本。だいたい毎月15本くらいの映画を観ているので、かなり少ないです。特にこれといった理由はないけど、何故か自由に動けず映画を好きなときに観られなかったです。

 

 

再鑑賞したビデオ

『戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!』FILE-0102

先月に引き続き。無印シリーズの満足度が想定より高かったし別に見なくていいかもな〜と思ってたんですが、大部分を忘れていたし、『ワールド』の予習の意味でも見ておいてよかったです。

 

 

観たかった映画

『スイート・マイホーム』

『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』

『スキンレスナイト デジタルレストア版』

スーパーマリオ 魔界帝国の女神 4Kレストア版』

『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇』

『劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇』

先月に引き続き、リバイバル上映を除くとほとんどなくてよかったです。『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』と『ジョン・ウィック:コンセクエンス』だけで満足度は最高だし、新作映画という点ではいい月でした。

 

『コカイン・ベア』

パーフェクトブルー 4Kリマスター』

県内での上映があったのですが、お金がなくて観られませんでした。悲しすぎる。

 

 

読んだ雑誌

SWITCH Vol.41 No.9

君たちはどう生きるか』特集。

内容ゼロで買う価値のないパンフレットと違って、こちらをパンフレットとするべき濃い内容。鈴木敏夫本田雄、米津玄師、山時聡真、あいみょん木村拓哉のインタビューと、どれも面白いし、80ページの大ボリューム。

鈴木敏夫のインタビューは、端的に言えばモチーフの解題と、「それを読み解くのではなくアニメーションを見てほしい」ということ。それに、宮崎駿の創作の仕方について。宣伝を一切しなかったことについても、納得できるものでした。モチーフはモロだったし、初見ではそこに意識のリソースを持っていかれてたので、「そんなこと考えずに絵だけ見ろ」と言われたのはよかったです。

パンフレットの印象が本当に悪く、久しぶりに金をドブに捨てた気分になったので、一度観た方はこれを買って、また『君たちはどう生きるか』を楽しんでいただきたいです。

 

 

行った展覧会

高畑勲

私は『かぐや姫の物語』が大好きなんだけど、1963年の時点で竹取物語の「漫画映画」の構想があり、下町を徹底的にロケーションした『じゃりン子チエ』から『火垂るの墓』、『おもひでぽろぽろ』と写実を極めた末に行き着いたのが『ホーホケキョ となりの山田くん』のデジタルによる水彩で、『かぐや姫の物語』のラフスケッチに昇華されるという流れが、人生の全てを俯瞰することで浮き彫りになっていたのがよかったです。人生の最後にそれが結実したんだ、という感動がありました。とにかく全てに圧倒されて、楽しかったです。

 

 

日記

Twitter凍結

Twitterアカウント(@ukarichu)が凍結されました。2009年から運用していて、あらゆる感想やメモを残していたので、本当に困ってます。新アカウント(@ukarichu2)を作ったけど、Followingも全員は拾えてないし、半月経ってもフォロワーは30人くらいなので、今後はこれくらいの極小規模でやっていくか……という感じです。一足先に「Twitterがなくなったら」を体験した感じで、全てがどうでもよくなりました。

映画の感想が全て消えたのが本当に痛くて、直近で観た映画ですらどんなことを考えていたのか一切思い出せなかったので、12日に観た『回路』以降、Filmarksに感想を投稿するようにしました。そしたらちょくちょく「いいね!」されるようになって、もしかしてFilmarksって映画をメモするだけのアプリじゃないのか……? と思いました。

https://filmarks.com/users/ukarichu

 

日本米のビリヤニ

どうしてもビリヤニが食べたくなり、インド人のカレー屋で頼んだのですが、長粒米ではなく日本米が出てきて心底がっかりしました。

メニューには「当店では日本米を使用しています」と書かれていて、勝手にカレーのことなんだろうと思ってたけど、ビリヤニにも掛かってたみたいです。

セブンイレブンビリヤニを食べておけばよかったな〜と思いました。この日の時点ではすでにキャンペーンが終わってたんだけど、私が期間限定のものを食べるぞ、と思ったときってたいてい終了していて、アーデーハーデーって一生期間限定のものを食べられないのでは……という気付きを得ました。

 

来月観た映画

今月観た映画(2023年8月)

先月観た映画

 

観た映画

トータル・リコール

トランスフォーマー/ビースト覚醒』

クリムゾン・ピーク

BROTHER

リボルバー・リリー』

『ミンナのウタ』

『電柱小僧の冒険』

シックス・センス

『セブン』

『鉄男』

『鉄男II

スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』

MEG ザ・モンスター』

MEG ザ・モンスターズ2

海上48hours

ユージュアル・サスペクツ

 

新作4、旧作12本。

先月シリーズ映画を観まくったせいで狂ってしまったので、今月は絶対に面白い映画だけを観るぞ、と決めたので、面白い映画しか観なかったのでよかったです。

サメ映画の余波で『海上48hours』を観てしまったけど、それ以外は意図的に新作(VODCS)は観ないようにしました。

 

 

再鑑賞した映画・ビデオ

『コワすぎ!』シリーズ

『オカルト』

『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』の予習で、4年ぶりに見返しました。

FILE-04は記憶だと「お〜かなり面白いな」くらいだったけど、久しぶりに見ると「うおおおお面白すぎる!!! 最高だ!!!」って感じですごすぎでした。

『劇場版』を観て、私は覚悟して殉じる男のことが大好きだな〜と改めて思いました。

序盤は心霊ビデオパロディ性とか暴力とかチープさで、これは人を選ぶよな〜って思ってたけど、『最終章』まで見て、いや、これは世界一面白い映像作品なので全人類が見るべきだな、と心を改めました。

『超コワすぎ!』二作も見るつもりだけど、『ワールド』は『超』世界ではないらしく、不安が半分くらいあります。

 

 

観たかった映画

『オオカミの家』+『骨』

『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』

地球防衛軍4Kリマスター

先月が県内で上映されないタイプの(「面白い」と同義です)映画のピークだったらしく、今月はそこまで観たい映画がなくてよかったです。よかったのか? どうせ観られないから変わらないか?

 

『クロムスカ リターンズ』

県内での上映があったのですが、一作目公開の時点で二作目が存在しており、上映終了後に二作目の公開が決定していたので、観ることが叶いませんでした。連続公開もできなければ最初から二作目もやると言えないのが、所詮トカナ(エクストリーム)の配給だな、という感じです。

 

 

日記

カードを見つける

4回くらい探した同じところをなんとなく探してみたら、ずっと失くしていた銀行のカードが見つかりました。カードケースの側面に貼り付いてました。う〜んそりゃ見つからないのか。

一度銀行に行き、通帳では引き出せないので窓口へ、印鑑が必要なので帰宅するという無駄足を踏んだので、「不運のコスト」のバランス的に、見つかることでトントンになった気がします。

 

これ以外だと気分が沈んだことが一度あっただけで、ずっと体力がなくて体調が悪いし(いつもそうだけど)、今月は本当に特筆すべきことがなかったです。

それでもせっかくブログを書くんだし何か絞り出そう、「何もなかった」なんてのは駄目だ、と思って毎月何かしら思い出してたけど、本当に何もなくて驚きました。

それでも世界は進み続けているらしいです。

 

来月観た映画

今月観た映画(2023年7月)

先月観た映画

 

観た映画

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』

トランスフォーマー/ロストエイジ

トランスフォーマー/最後の騎士王』

バンブルビー

『ビースト覚醒』の予習で観ました。

 

『シロメ』

『バチアタリ暴力人間』

『ある優しき殺人者の記録』

『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』の予習で観ました。

 

君たちはどう生きるか

 

Pearl パール』

 

『ミッション: インポッシブル/デッドレコニング PART ONE

 

死霊館

アナベル 死霊館の人形』

死霊館 エンフィールド事件』

アナベル 死霊人形の誕生』

死霊館のシスター

『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』

今月はシリーズ映画を観まくりました。シリーズ映画を観る必要はありません。

 

新作3、旧作13本。

 

 

観たかった映画

『キングダム I

『キングダム II

『キングダム エクソダス<脱出>

ラース・フォン・トリアー レトロスペクティブ2023

『イノセンツ』

『我が人生最悪の時』

『遥かな時代の階段を』

『罠(1996)

K.G.F CHAPTER1

K.G.F CHAPTER2

『古の王子と3つの花』

 

 

日記

本気で吐きかける

何も見ずに五目ご飯のおにぎりを食べたら、しいたけが入っていて、本気で吐きかけました。子供の頃から嫌いとはいえ味覚が変わってるかもしれない、案外平気なのに思い込んでるだけなのかも、とか思ってたけど、マジで、吐く本当の手前までいきました。濃い味で上書きしようとしても喉の中にこびりついた臭いは取れず、気持ち悪さは寝るまで続きました。

しかも、寝る前に歯磨きをしようとしたら洗面所にナメクジがいました。網戸が破れているので、春の終わりから高頻度で現れ都度処理しているとはいえ、泣きっ面とはこのことでした。この日を境に気温が30度を下回ることがなくなり、ナメクジも現れなくなりました。

 

本を買う

君たちはどう生きるか』と『失われたものたちの本』を買いました。この6年は小説を我慢していたので、人間的な感覚を取り戻せそうでよかったです。脳がぐちゃぐちゃになってるけど、頑張れば文字を読むことも可能なんじゃないかと思っています。

 

絶望

今月は諸事情によって、圧倒的な鬱に入り、気分が一度も上がることがなかったです。とにかく苦しいし、早く死にたいと思っていました。なんとか終わり頃には「死にたい」を「殺したい」にシフトさせて、前向きになれたのでよかったです。

 

来月観た映画