今月観た映画(2023年6月)

先月観た映画


観た映画

『アンテベラム』

 

プリンセス・プリンシパル Crown Handler 3章』

 

『劇場版 少女歌劇 レヴュースタァライト

劇場で再鑑賞。2周年記念の再上映で、県内では初上映。2年前からずっと映画館で観たいと思っていて、ようやく念願が叶いました。内容は言うまでもなく傑作。2年前に糞のような仕打ちを受けて泥をすすっていたので、『ロンド・ロンド・ロンド』も再上映して当時のファンの気持ちの1/10でも味わいたかったです。本当に面白いので、この感情に至るまで2年かかったことへの怨みが強く、晴らされることがなくて自分でも怖いです。全てはブシロードが悪いのですが。

 

インターステラー

 

エリジウム

 

『ミッション: インポッシブル』

 

『ミッション: インポッシブル2

 

『ミッション: インポッシブル3

 

『ミッション: インポッシブル/ゴースト・プロトコル

 

『ミッション: インポッシブル/ローグ・ネイション』

 

『ミッション: インポッシブル/フォールアウト』

 

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』

 

『忌怪島』

 

『お葬式』

 

太陽を盗んだ男

 

新幹線大爆破

 

『さかなのこ』

 

トランスフォーマー

 

トランスフォーマー/リベンジ』

 

映画館4本(うち新作3本)、旧作15本。

 

 

観たかった映画

殺しのはらわた』『ACTION!』『ある実験』『Escape to nowhere

新文芸坐黒沢清特集。

 

『リバー、流れないでよ』

『カード・カウンター』

『マルセル 靴をはいた小さな貝』

 

M3GAN

県内での上映はあったけど、片道1時間強なので腰が上がらず。

 

 

読んだ漫画

BLEACH』〜破面

ソウル・ソサエティ篇は文句なしに面白いんだけど、破面篇はとにかく長すぎる。当時は十刃落ちのところで脱落、空座町決戦で完全に追うのをやめ、完現術篇で復帰、隊長が出てきた辺りで脱落、なんとなく最終章に入ったことだけ知る、打ち切りカウントダウンで復帰、という、感じだったけど、今回も同じところで脱落しそうになった。

破面篇は前座が多すぎるし、敵が変わるとまた前座が生えてくる。仮面の軍勢を活躍させるためにそれまで隊長格が与えたダメージがリセットされたところでは頭がおかしくなるかと思った。

ソウル・ソサエティ篇と同じことの繰り返しで、平子がまんま浦原の立ち位置だったり、章ボスと戦う直前に修行の流れも似た感じなのもつらい。作品としてはここまでがワンセットなんだからせめてもう一個くらい引き出しを用意して、ずっと違うことをやってほしかった。

 

死神代行篇は霊界探偵編を下敷きにしてるんだけど、1話完結の挿話が演出優先で34話に膨らんでいる。こっちは面白いから許せるんだけど、「◯◯するぞ」で終わった次の回が「◯◯をする!」で終わったり、ヒキのことだけを考えている。ドラマに重きを置いているので、その分読み応えや演出の冴え方は現世・人間をベースにしたここが一番。

 

ソウル・ソサエティ篇も前座多めで長くはあるんだけど、許容範囲。何より敵が全員魅力的なのがすごい。ここを読んでる時点では「BLEACHは再評価すべき」と思ってた。

 

何よりの発見は、BLEACHの元ネタが分かったこと。『呪術廻戦』がまんま『HUNTER×HUNTER+BLEACH』だと言われてたけど、『BLEACH』は『ドラゴンボール+『幽白書』。要素を分解していくとこの二作に行き着くことが分かった。ギャグのノリ(特に現世のドタバタ感)は『すごいよ!!マサルさん』を感じた。オリジナリティとセンスの人だと思ってたけど、ちゃんとベースになるものがあったんだ、と安心した。

 

 

日記

布団

敷き布団を新調して厚みのある(といっても折り畳みベッドに乗せているのでまともなそれではないが)ものにした結果、眠りが深くなり睡眠時間が短縮できた。いつかまた、まともなベッドで眠りたい。

 

保護猫の季節

今年もまた、カルカンが保護猫活動支援キャンペーンを展開する。新しくできたスーパーでパウチ1袋が、近隣の最安値より10円安かったので、大量に買い込む。

去年は合計105ポイントで上位賞から最大数申し込んで(40ポイント×2口、10ポイント×2口、1ポイント×5口)、1ポイントの景品が当たりました。

みんなもカルカンのパウチを買おう!

https://www.pet-lovers.jp/promotion/kalkan/2023donation_campaign/

 

体重が10kg増える

脱衣所の床が元々平面でないタイル張りで(この時点で怪しかったが)、さらに経年劣化で形が崩れ、デジタル体重計に乗ってもエラーを吐くばかりで体重が量れなくなった。

廊下など平坦な床に置いて量ってみると、前日よりも10kg多い値が表示された。一日で太ったんじゃなくて、何ヶ月も10kg“痩せていなかった

半年ほど体重を記録して参考にしており、最近は体重が減っていることに喜んでいたのだけど、実際には床のせいで表示される値が減衰傾向にあるだけだった。なんだ、数字を見ているだけでも間食をしなくなって効果って表れるんだな、と思っていたが、そんな効果はなかった。

 

来月観た映画

ukaritchu.hatenablog.com

魔術詠唱の長さについて

「古の妖精よ。地に潜む魔のものよ。人の営みに生まれたもの。叡智とされるもの。ここに宣言する、獣を祓うと。あまねく栄華を我が手に、全ての輝きをこの手に。果実が落ちる音、川のせせらぎ、飛び立つ鳥、弔問客の訪れない墓地。近付けば溶ける。果てる、朽ちる、終焉の鐘よ。この地の生命を奪い尽くす強欲な竜よ。黄昏から消え朝日から奪われるもの。ああ、赦されよ。御身が終わらせることを赦されたまえ。ファイア!」

 

 俺──田神総一がこちらの世界に転生してから、早くも一ヶ月が経とうとしていた。

 アリシャが詠唱を終えると、かまどに火が灯り、鍋が加熱される。火の大きさは弱火か中火くらいか。

 

……いや、多すぎないか!?」

「そう? 二人分はこれくらいだと思うけど。ソーイチって少食だっけ?」

「そうじゃなくてだな」

 

 魔術詠唱の話だ。その二百何文字ある呪文。それだけ長々と喋るのであれば、山を吹き飛ばす……とまでは言わないでも、人を焼くくらいの強さがあって然るべきだろう。

 この世界の常識を知らず、ゲームか何かの知識を当てはめてるだけなので何とも言えないが、とにかく、「詠唱すること」のコストが割にあっていないと感じる。

 

「うーん、ソーイチって田舎者だと思ってたけど、魔歴の大改修も知らないって、本当に山の中で魔物と一緒に暮らしでもしてたの?」

「マレキノ……? 何だそれ」

「魔歴の大改修。魔歴3年に魔術詠唱にまつわる事故が多発して、半年くらいの間に男児が二人死亡したの。魔歴8年、詠改法……魔術における詠唱の基本改正法が作られたの」

 

 魔歴3年鳥の月8日、ぶどう酒とマンドラゴラを服用した準魔術師の男性が、家の庭でBBQを行う際、無詠唱でファイアを使用した。左手の中指を指定したつもりだったが、右手の人差し指と中指からファイアが追従、その延長線上にいた男の息子に引火してしまう。母親が凍結術の資格を持っていたため、時間凍結を行い病院に搬送されるも、治療の甲斐なく男児は亡くなってしまった。

 

 魔歴3年王の月20日、夕刻の3ごろ、箒で帰宅中の女性が地上へ降りる際、無詠唱で下降したと思われる。おそらく別の魔法を使用し、急降下してしまう。上空から充分な加速が生まれてしまい、周囲3エールに甚大な被害をもたらす。爆心地の外縁部には男児がおり、その場で死亡が確認された。女性の身体は炭状となっていたが、ぶどう酒またはマンドラゴラの服用の可能性があったとみられる。

 

 魔歴8年、以上二つの事故を主に、大戦後40年間手付かずだった魔術における詠唱の基本法(詠唱法)が見直され、魔術における詠唱の基本改正法(詠改法)とされた。内容は主に、魔術詠唱の破棄の禁止。また、同時にこの他にも四つの魔術基本法が改正された。この五つを指して魔歴の大改修と呼ばれる。

 そして大星歴1年、詠改法がさらに改められ、詠唱の省略を禁じた。失われた古代の詠唱については元老院が新たに詠唱創造を行うなどして、この世の全ての魔法やそれに準ずるものに正式な詠唱が与えられ、一切の省略が禁じられた。

 

「なるほど。一部の人間がルールを破って大多数の人間が不利益をこうむるというのは、どこの世界にもある話なんだな」

「若い子はもうこの詠唱の長さに慣れてるみたいだけどね」

「若いって……アリシャも若いだろ?」

「言ってなかったっけ。私は211歳よ。若いっちゃ若いけどね」

 

 この世界には俺の知らないことが多すぎる。

 次はエルフの寿命について訊いてみようと思う。

今月観た映画(2023年5月)

先月観た映画

 

 

観た映画

マタンゴ

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー vol.3

『神は見返りを求める』

口裂け女

『ヴィレッジ』

口裂け女2

TAR/ター』

クリード チャンプを継ぐ男』

クリード 炎の宿敵』

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』

THE WITCH/魔女 -増殖-

クリード 過去の逆襲』

『ザ・ハント』

岸辺露伴 ルーヴルへ行く』

 

新作8、旧作7本。

TotK発売とドラマ『岸辺露伴は動かない』を見たこともあり、映画を見始めてから初めて新作を観た本数が旧作を上回ることになりました。

 

 

観たかった映画

『食人族』

『少年と犬』

『お葬式』(午前十時の映画祭)

マルサの女』(午前十時の映画祭)

戦場のメリークリスマス

『フリークスアウト』

『まーごめ180キロ』

 

 

見たドラマ

岸辺露伴は動かないS13

「原作の翻案がすごい!」みたいな評価を聞いていたけど、言うほどかな〜という感じでした。特に第五話「背中の正面」は、スタンドビジョンを使わないことがネックになって、チープ・トリックの面白さが損なわれていました。シーズン冒頭に説明役を出すのもドラマしぐさでかなりきつく、そのパートで即物的な笑いを欲しがるのもきつかった。笑いを待つとか考えさせるのって高度なことだったんだな、と思いました。

第二話「くしゃがら」と第四話「ザ・ラン」、第八話「ジャンケン小僧」が好きです。「ザ・ラン」は原作では小粒なエピソードだという印象だったけど、ドラマ版だとホラー的な演出が似合っていて、ジョジョの持つホラー映画性とドラマ版の「世にも奇妙」的な空気感がマッチしていたように感じます。S2は六壁坂が縦軸になる強度を持ててないから改変が破綻していたけど、S3四つ辻は納得できて好きでした。

 

 

読んだ漫画

岸辺露伴は動かない

エピソード♯10「ホットサマー・マーサ」

コロナ禍の時間経過の速度を面白く切り取っている。「六壁坂」以降タイトルに反して動きがちだけど、「動かない」し「動けない」。ドラマ版からフィードバックを受けたであろう泉京香の使い方もよかった。

 

エピソード⑪「ドリッピング画法」

ジョジョ本編のような内容だが、絶望を予告されて始まるとおり、『動けない』でしかできないエピソードだった。敵を倒しても終わらないし、あまりに現実的なメッセージが心を沈ませてくる。何より露伴が放った心の底から出た言葉が、自分自身を傷付ける。前後編で掲載されたことにも意味があり、前半だけでもホラー・スリラーとして楽しめる。そしてそれを後編でひっくり返す構成が面白い。「ホットサマー・マーサ」と合わせて、個人ではどうしようもない不可逆な現実を描いた、とても厭な物語だった。

 

 

クリアしたゲーム

ゼルダの伝説 ブレス オブ ワイルド』

6年前に買ったのに途中で詰んでたのを、ここ数ヶ月でようやくクリアしました。といっても祠を100個くらいクリアしていたし、そこからミニチャレンジを全部埋めてハイラル城をクリアしただけですが。TotK発売が迫っていたというのもあるけど、厄災ガノンを倒したら驚くほど起動しなくなったので、結果的に「6年かけて全コンプしてクリアする」は私のプレイスタイル的に正解だったっぽいです。

 

プレイ中のゲーム

ゼルダの伝説 ティアーズ オブ キングダム』

これのせいで全然映画が観られなくなって困ってます。

誰だったかラノベ作家がTwitterで、「勉強のためにゲームをやってみたが、数百時間プレイしてまだ終わらない。コスパが悪すぎる(つまり費用対効果はいいということだけど)」といったことを言っていたけど、私がゲームが苦手なのもこれで、進捗なしでも時間を食われるのがやばすぎます。

 

 

日記

・花を植える

何週間かかけて草を抜いて、なんとか花壇だけは土が見えるようになったので、苗や種を植えました。その直後に大雨が降って、流されたのか芽が一切出てきませんでした。

数メートルの地下茎がいくつもあって最悪の土壌なので、なるべく触りたくなくて逸るように植えたのもよくなかったかなと思います。本来なら一週間くらいかけて土に栄養を与えるべきだったし、去年はそれでなんとか成功してました。

地下茎が強すぎてすぐに雑草が繁殖するし、一人で管理できない広さなので、花を咲かせる以前に現状維持か微増にとどめるだけでも無理があり、全ての花壇に花を咲かせるなんてのは無理なのだろうなと諦めています。もがいて前に進もうとしているのに足をとられて動けなくなるのは、私の人生そのものみたいで滑稽で笑えます。

 

来月観た映画

今月観た映画(2023年4月)

先月観た映画

 

観た映画

 

『ダンジョンズ&ドラゴンズ』

 

パルプ・フィクション

 

『由宇子の天秤』

 

ゴジラ(1984)

 

『箪笥』

 

『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』

 

ゴジラvsビオランテ

 

ゴジラvsキングギドラ

 

ゴジラvsモスラ

 

BLUE GIANT

 

ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』

 

『鹿の王 ユナと約束の旅』

 

ゴジラvsメカゴジラ

 

ゴジラvsスペースゴジラ

 

ゴジラvsデストロイア

 

ザ・グリード

吹替、午後のロードショー

 

『アフリカン・カンフー・ナチス

 

新作3、旧作14本。

 

 

観たかった映画

 

『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』

前作同様県内の遠い映画館で上映されていて、一ヶ月ほど機をうかがっていたけど、結局行けなかった。1時間圏内の映画館が限界で、1時間半かかると精神的にも肉体的にもきついので、今後は県内での上映がない映画と同じく観られないと最初から諦めることにしました。

 

『オオカミ狩り』

『ノック 終末の訪問者』

『聖地には蜘蛛が巣を張る』

『セールスガールの考現学

『ベネシアフレニア』

 

 

見たアニメ

 

EVANGELION:3.0(-46h)

マリとスミレの共闘が見たかったので思ってたのと違ったけど、鶴巻っぽい演出をされたエヴァは新鮮で面白かった。敵を出せない都合上こうなるのは分からなくもないが、ハイカイの正体の謎が深まったのと、マリの合流時期も思ったより最近で、妙によく分からなくなった。マリはシンジ(≒視聴者)と同じく現実のレイヤーに存在するので空白の14年間でヴィレと接触することはない、ってことなのかな。

 

EVANGELION:3.0(-120min.)

3.0+1.01」版の入場者特典の漫画をボイスコミック化したもの。声が当てられるだけで全くの別物に感じる。「-46h」が46時間前でも何でもなかったので、一度読んだものなのにむしろこっちの方が望んでいたという感じ。

 

 

クリアしたゲーム

『パラノマサイト FILE 23 本所七不思議』

七不思議をモチーフにした呪殺能力者の殺し合いバトルってだけでも面白いのに、ザッピングシステムでいい具合にストーリーを詰まらせたり、メタ解決をしてみたり、用意されたカードを惜しげもなく全部使い切った快作。一発アウトで殺せてしまうので、相手の条件を踏まずに自分の条件を満たす駆け引きが楽しいし、七不思議そのものの話、ミステリとしてのストーリーライン、呪殺能力の正体と、楽しめる箇所が無数にある。設定、ストーリー、システムだけじゃなくキャラも魅力的。『レイジングループ』とは別軸でFateを感じた。値段に対してボリュームがあるのにコンパクトで、さくっとクリアできるのに満足感も高い。

 

 

日記

・脱衣所を見つめる時間

脱衣所にムカデが出た。

5年以上前になるが、寝ていると、枕元で何かが鳴っていた。ビニール袋のようなカサカサした音だ。猫がどこかから持ってきて遊んでいるんだろうか。でも、同時に何故か嫌な予感もして、飛び起きた。ムカデだった。2階のベッドの枕の上にムカデがいた。声にならない悲鳴を上げて、どうにか殺した。寝起きが悪いのだけど、その日ばかりは一瞬で目が覚めた。

家の裏手が畑なので、昔から虫には悩まされてきた。その上多くの網戸が壊れていて、夏場になると居間では羽虫が飛び回り、便所では数分便座に座っただけで何箇所も蚊に刺され、脱衣所には数日おきのペースでナメクジが大量発生している。

ナメクジが苦手なので、梅雨の時期からは脱衣所に入るとまず携帯電話のライトで手前の壁を確認し、電気を点けたら奥の壁を確認してナメクジがいないか探す時間が生まれる。何十秒か、脱衣所に入るたびに、毎回、壁を見つめる時間が浪費される。

今年は4月だというのに脱衣所にムカデがいて、もうすでに気が滅入っている。

 

来月観た映画

今月観た映画(2023年3月)

先月観た映画

 

 

観た映画

機動警察パトレイバー THE MOVIE

アーリーデイズを見たのでようやく観られた。VODがなかったような時代にレンタルDVDでアーリーデイズを何話かだけ見てやめた記憶があるので、およそ10年越しになったっぽい。

写実調のタッチにリッチなレイアウトで、いかにも押井映画らしい画作り。遊馬・後藤隊長・松井刑事をスイッチすることで、情報レベルを変えながら物語は滞りなく進められる。それぞれのパートで質感が異なり、飽きさせない。クライマックスはパトレイバー同士の対決で、OVAとは打って変わって直球のエンタメ映画。

 

機動警察パトレイバー2 THE MOVIE

「東京を戦争状態にする」というシミュレーションのような内容で、全編を通してレイバーが存在していなくても成り立つストーリーになっている。衒学性のなかった前作とは異なり、観念的。ただ、敵の思うままに戦争が始まり、かりそめの平和が幻想でしかなかったことを突きつけられるのは、面白い。

タイトルの「2」は「劇場版2」というより「パトレイバーというシリーズの2」のような意味合いがあり、TVシリーズを見ておけばよかったかな、と思った。

 

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

マルチバースをテーマにしたアクション映画ながら、その実行われているのは家族の話で、スケール感の調整が上手い。「馬鹿馬鹿しいことをすることで攻撃できる」という設定も見事で、矢継ぎ早にとにかく変な絵面が出力される。真面目なバトルをやっているのに笑うしかない。「肛門にディルドを挿入させないために戦う」なんてシチュエーションは後にも先にも観られないだろう。よくある家族愛で全て解決、ということもなく、独自の解答を見せているのもよかった。

 

『女神の継承』

『呪詛』、『哭悲』とともにずっと観たかった映画。フェイクドキュメンタリーのホラーで、厭さの配置が上手い。キャラも起こるイベントも面白く、ずっと楽しい。ホラーにたまにある「最初から用意されていた」系のもので、そこが明かされるのもたまらなく最高。ラストは『哭声』のようなテーマ性を突きつけられる。

 

『ハードコア』

ゲームをプレイしているかのようなハイテンションでノンストップのFPSアクション。適度にフィールドを変えつつ、どれも印象的なので進行が分かりやすい。アクションの組み立ても面白く、FPSならではのそれこそないものの、SF設定と相まって賑やかで楽しい。ラストはありがちではあるものの、FPSほぼワンカット(風)の没入感で、心に響く。音楽の使い方も本当に馬鹿馬鹿しくて最高。

 

ウトヤ島722日』

ノルウェーウトヤ島で起きた連続テロをモチーフに脚色した劇映画。銃を持った単独犯だが、島にいる主人公の視点からは何の情報も得られず、人数もどこにいるのかも不明なまま、逃げまどうことになる。パニック状態の群衆と、主人公に寄り添ったワンカットで非常にスリリング。被害者へのインタビューを元に作られただけあってリアルだが、登場人物は全員架空で、事実に沿ったものではない。完全なフィクションである以上、事件について語るよりもエンタメに重心を置いているはずだが、真面目なポーズのせいで面白さは損なわれている。それならスリラー要素を残しつつ、史実に基づいて作っていればテロへのメッセージ性も持てたわけで、どちらに振っても面白くなるはずだったのに、日和ったせいで強みを持てなかった凡作。

 

パンズ・ラビリンス

日本での上映権が切れるとのことで最終上映。珍しく田舎でも公開があって嬉しい。

童話のようなファンタジー世界に入り込む少女、そしてダークな雰囲気に恐ろしい怪物……まではよくあるが、空想の世界に浸るにしては現実パートが軍に支配された内戦中の国で、物々しすぎる。クリーチャーのデザインは素晴らしく、少女・オフェリアに起こることもワンダーに溢れて幻想的。しかしその妖精の世界も次に何が起きるのかをオフェリアに教えないまま試練を課し、試練が終われば逃げ場のない現実世界に取り残され、どちらも息苦しい。いわゆる「少女が信じたのは空想だったのか、現実だったのか」というものではなく、きちんと妖精の世界が存在するという設定だが、それにしても……

 

CURE

催眠によって殺人を起こさせる男と、それを追う刑事のサスペンス調のホラー。直接的なゴア表現よりも、まとわりつくような不安さが最後まで落ち着かない。

 

キューティーハニー(2004)

『シン・仮面ライダー』の予習。B級実写映画のノリながら、絶妙なバランスで成り立っている。明らかに予算が尽きて引き延ばすパートもあるのに、何故か王道なので見やすい。語られるテーマは『ラブ&ポップ』、『式日』と合わせて庵野作品で使われるモチーフの意味が、これでようやく理解できた気がする。

 

仮面ライダーTHE FIRST

漫画版を下敷きにしたリブートのはずが、韓流ドラマと合体して軸足が定まらない。もう少し考えれば劇中のモチーフにもっと意味を持たせられただろうに勿体ない。大人向けライダーはライダーを怪人にしがちだが、マスクを使うことで逆に怪人をヒーローに描くのは面白い。

 

仮面ライダー THE NEXT

本作は韓流ドラマではなく、何故かJホラーと合体させられている。Jホラーが好きなので好みだろうと思っていたが、ホラー設定と仮面ライダー・ショッカーの設定に結びつきがなく、ホラーの解決も先行作品を研究したとは思えない。大筋はともかくラストには満足したところで、ポストクレジットが全てに泥を塗り台無しにする。

 

『シン・仮面ライダー

アクションはいいが、人間が(酷評された『シン・ゴジラ』とは比べものにならないほど)描けておらず、台詞は全て上滑りしている。そもそも原作に強度があった『ウルトラマン』と違い、『仮面ライダー』という作品が行き当たりばったりで成功したものなので、統一できるテーマがなく、それを無理やり庵野秀明で包もうとした結果、エヴァでやったことの語り直しにしかなってない。ラストバトルの演出意図は分かるものの、アクションとしては冒頭のクモオーグ戦がピークになっていて、ドラマとアクションのクライマックスを合致させられてないのがどうしようもない。ただ、仮面ライダーシリーズ自体かなり自己言及性が高く、初代は何度も擦られ大人向けも何作も作られているが、先行作品とは異なる魅力を出せたのはよかった。「庵野秀明」が足を引っ張るが、「仮面ライダー」の部分は面白かった。

 

『恐怖人形』

巨大化した日本人形がスラッシャーする和製洋ホラー。徹底して馬鹿なのに、何故か真面目にホラーの文法に則っている。あまりに真面目すぎて展開が読めてしまい、後半は退屈。初見のインパクトで出オチにならない構成は偉い。

 

ゼイラム

とにかく生物兵器ゼイラムのデザインが格好よすぎる。エイリアンなのに念仏が流れるのも最高。段階的に明かされる生態も興味深いし、ただでさえ強いのに何度でも襲ってきてしぶといのも嬉しい。SF的なガジェットも好みで、シチュエーションも無理なくピンチを作ってくれる。『ZIPANG』、『ガンヘッド』、『怪談新耳袋』と観てきて、どうやら雨宮慶太のことが大好きだと気付いた。

 

『シャドウ・イン・クラウド

戦闘機の閉鎖空間でグレムリンに襲われるシチュエーションホラー。グレムリンが出てこないときは唯一の女ということで主人公が蔑まれ、また主人公自身も信用できない語り部なので不安が募る。後半はいきなり強い女と有色人種で都合のいいポリコレ的展開になるものの、ラストバトルが馬鹿馬鹿しすぎてメッセージ性が吹き飛ぶ。グレムリンの出番が思っていたより少ないが、低予算を割り切って強みを伸ばせている。

 

イコライザー

ジョン・ウィックみたいのかと思ってたらめちゃくちゃ真面目。殺人マシンものというには相手が積極的に襲ってくるので「舐められ」感はない。とにかくマッコールさんの精神性が格好いい。ホームセンターにあるものを武器にしてマフィアを殺すクライマックスのアクションも、「意外なものを武器に」的な可笑しさはなく、ひたすらに格好いい。法ではなく善性を自ら執行するマッコールは、正義の人ではあるものの、暴力でしか解決できない悲しさや、恐ろしさを感じさせる。ポジティブなメッセージも、マッコールさんが言うことで地に足がついて現実的に受け取れる。

 

イコライザー2

基本的なフォーマットは前作そのままだが、サブストーリーが本筋に合流しないので、構成の魅力は半減している。ラストのエピソードも取ってつけたようなハッピーエンドで微妙。観客にマッコールの正体が明かされているのでスリルはないし(シリーズものの宿命ではあるが)、敵の立ち位置も輪をかけてスリルとは程遠い。アクションのロケーションにも無理があり、プロ同士の対決なのでそこまで面白くもない。妻の話、「Who are you?」、そしてスーパーヒーローと、前作でやれなかったことを回収してくれたのはよかった。メインとなるゲストも、成功を暗示しかできなかった前作と異なり、実際の成功をビジュアルで見せてくれるのもよかった。前作とは違い、ただ面白いだけという感じ。

 

『アンフレンデッド』

一つのPC画面上でのみ描かれるホラー。発想こそ面白いし、設定を無理なく使って演出できているのもいいが、起こることは平凡な心霊ホラーでしかない。霊は出ずっぱりなので怖くないし、後半のヒトコワ的なパートの方が面白い。

 

『アンフレンデッド: ダークウェブ』

心霊ホラーだった前作とは異なり、サイコスリラーにジャンルが変わっている。ストーリーの繋がりもない。PC画面という設定でやりたいことを全て詰め込んでいて、どのアイデアも面白い。前作の不満点は全て解消されて、脚本も完璧にコントロールされている。絶望感も気持ちいい。「サスペンス」ではなく「ホラー」なのも最高で、大好き。

 

『ズーム/見えない参加者』

2020年、ロックダウン下のイギリスを舞台にしており、実際にコロナ禍にZoomを使って撮影されている。それを除けば設定はオーソドックスで、起こることも古典的ながら、逆に言えば最低限楽しめる。アンフレンデッドシリーズとは異なり、PC画面上で展開されるものの一つの画面ではなく複数人の画面を移動したり、恣意的にズームアップしたりして、アンフレンデッドより見やすいものの没入感は減っている。霊に襲われる後半は、主視点人物がその場にいないので、どうしても傍観的になってしまっている。撮影にも無理があるし、Zoomらしさ、コロナらしさも特にないが、歴史に残る未曾有の世界的パンデミックなのだし、ホラー映画というジャンルはこれくらいダイレクトに世相を切り取ったものを受け入れる土壌があるよな、と思った。

 

映画館3本(うち新作2本)、旧作17本。

 

 

観たかった映画

奇跡的になかったです。まさか、と思って調べたけど、やっぱりなかった。

 

 

読んだ本

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会[復刻版]』

庵野秀明がインタビュー・編集を行った1993年頒布の同人誌。当時あまりに語られることのなかった『逆シャア』を振り返ることで、『新世紀エヴァンゲリオン』を作る土台になったことが語られている。実際、読み進めていくといくつもの創作論が語られ、そこにはエヴァの骨子が見て取れる。

当時の空気感の捉え方も面白く、逆シャア紅の豚劇パト2王立宇宙軍といった作品たちがどう思われていたのかも興味深い。

総括されて逆シャアは「お葬式」であると結論付けられるが、その後の富野作品を見ていると納得できるもので、またVガン放送当時の冷ややかさも面白い。

同人誌ゆえに文体や質にばらつきがあるが、整った文章を書く人間は現在から見ると正しいことを言っていることが多くて、興味深かった。逆にオナニーめいた文章は、的外れであることが多かった。

最後に富野由悠季本人のインタビューが載っているのが、掟破りというか、ものすごい。どこまでが「富野由悠季」というペルソナからのリップサービスかは分からないが、富野の思想が好きなので、私が勝手に考えていたことの答え合わせのようで、嬉しかった。

エヴァが何のために作られたアニメだったのか知りたい人、当時のアニメ業界やオタクらしさを知りたい人、現在でも通用する創作論を学びたい人、そして富野由悠季が好きな人は、読んで損することはないので、3300円は怯むけどぜひ買ってほしいです。

 

 

日記

猫の友達

前に飼っていた猫は、外に出していた。20年以上前で、それが普通だった。5年前までは庭に、頻繁に他の家の猫が(あるいは野良か地域猫が)遊びにきていたが、今の猫を飼い始めた5年前から、ぱたりと来なくなった。まさかうちの猫と同じタイミングで全部が死んだわけでもあるまいし、つまりあれは、前の猫が他の家に行って、そのお返しとしてその家の猫が私の家に遊びに来ていたんだろう。友達がいなくなったから来なくなったということだ。一度だけ、庭で猫が周回をしているのを見たが、あれも曜日だとか猫だけに分かる符牒みたいなもので、持ち回りで誰かの家でやっていたんだろうな。

猫が窓を見ながらやたらと鳴いているので何かと思ったら、白い猫が家の前を通り過ぎていった。ぽてっとして少し汚い猫だった。別の日に見かけたのでついていくと、少しだけ距離をとりながら、あまり急いでない感じで逃げて、住宅街へと消えていった。

 

植えてない花が咲いた

去年までの二年くらいで、根気よく草むしりをして、花壇が綺麗になった。20年以上前に植えられた水仙の球根は一年では全て駆除できるものではなく、今年に入っても生えてきていた。去年はようやく種を植えて、花を咲かせることができた。何十年も手入れされず荒れ果て、花壇の外側にも雑草が生い茂り、三年ほど前まではそれが膝の高さまで伸び、大量の枯れ葉が敷き詰められ、いたるところに苔とイシクラゲが生え散らかしていた頃から考えると、泣けてくるほどだった。

毎日水をやって、剪定していた。夏頃に咲いて、一年草なので、冬になると全てが枯れていた。花壇を綺麗にしたからか……去年撒いた種が咲いたのか、元から(数十年前に)植えられていた種に栄養が行き渡って復活したのか、近所から運ばれてきたのか分からないが、何もしてないのに花壇の一角に花が咲いていた。それと同時に、そこに菓子の空き箱が捨てられていて、近隣の民度が計り知れた。犯人を見つけたら絶対に殺してやるからな。お前も、家族も、全員殺す。

お花、大好き! 今年はさらに勉強して、いろんな花を植えようと思います♪

 

来月観た映画

今月観た映画(2023年2月)

先月観た映画


観た映画

アイカツ! 10th STORY 〜未来へのSTARWAY〜』

いい意味でお祭り感・特別感のないTVシリーズの延長。そうそう、こんなノリだった、という安心感。泣かせ路線もやらず、ライブメインにもせず、理想的な周年もの。ある種ありきたりながら、やっぱり前向きになれるのはアイカツ!だからこそ。後半のオタクの考えたような展開には脳が焼かれた。

 

『滝を見にいく』

おばちゃんあるある的なネタ出しをここまでやれるだけで強いのに、その一見キャラの薄いおばちゃんたちを短尺で立たせて、濃いドラマを展開していく手腕がすごい。「滝を見るバスツアーで遭難したおばちゃん」という設定でこんなにも面白い映画が撮れるのか。コメディを達しきった人間にしか作れない領域にあると感じた。

 

インファナル・アフェア

二重潜入のノワール。この設定でできる面白いことは全部やってくれて、互いの正体が判明しそうで直前で取り逃がすシーンは何度やってもたまらない。

 

インファナル・アフェア 無間序曲

前作の前日譚。面白いことは面白いが、普通のやくざものという感じ。

 

インファナル・アフェアIII 終極無間

一作目の続編。深みがないからわざと分かりづらい描写を増やし、回想パートは一作目と矛盾する。やりたいことは分かるが、一作目にこの内容を追加した方がマシで、一本の独立した映画としての意義がない。

 

トゥルーライズ

誕生日プレゼントでフォロワーにDVDをもらった。アクション映画3本分のアイデアとボリュームが詰まっているが、それをコメディでまとめ上げている。大変なことをやっているのに終始馬鹿馬鹿しくて、子供の頃大好きだった洋画を思い出した。

 

『バビロン』

激動のハリウッド黎明期を描いたもので、過激。忙しなく刻一刻と変化する主要人物の趨勢は非常にスリリング。ラストはいい終わり方だけど、チョイスが『ベルファスト』に比べると明らかに我を出しておらず、一歩引いて本気で映画を作ってないんだな、と冷めてしまった。

 

残穢 -住んではいけない部屋-

ホラーというよりはホラー調のミステリ。物語の進め方は『心霊マスターテープ』のようで楽しい。途中で出てきた小説家がまさかすぎて、じゃあ何気なく出てきた夫もそういうことじゃん、と笑ってしまった。ホラーとは不条理で不可避なものだけど、そういう厭さだけが残る。

 

『ナイト&デイ』

スパイ映画風の恋愛映画。スパイ映画のお約束は全て踏襲し、「一般人のヒロインがこちらを向くとその後ろに大量の敵が音もなく現れる」みたいなコメディシーンもちゃんとしてるけど、トム・クルーズ演じるスパイが有能すぎて、ドラマを転がすのが計画の全てを邪魔する無能なヒロインなのがヘイトを溜めてしまう。スパイ映画にしてはシビアさもなく、ファンタジック。インド版リメイク『バンバン!』のために観たものの、上映が1週間で終わってしまい観られず……。この馬鹿馬鹿しさはインドでやると輝くと思う。

 

アントマン&ワスプ:クアントマニア』

絶対面白いの確定だろ! のノリで行った『ソー:ラブ&サンダー』が駄作だったので、予告やCMを見るたびに面白そうだと思ってしまうのを「いや、そんなはずはない……」とブレーキかけてたけど、想像どおりの面白さだった。アントマンらしさはなくまんまスター・ウォーズだけど、いい意味でクラシカル。冒頭とラストのあの感じが観たかったというのはあるが、これはこれで満足。フェーズ6アベンジャーズへの繋ぎになるのが不安だったけど、カーンの描き方もよかった。フェーズ4の暗闇をようやく抜け出せたのかな、と少しだけ安心できた。

 

『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』

前作ヴィランがシンビオート、本作はヴェノムから生まれたカーネイジで、変わり映えなし。もう一人のヴィランであるキャサディも、『羊たちの沈黙』のような作劇にできたはずなのに積み重ねがほとんどないまま対決になるので盛り上がらない。正義と悪のアングルがあっただけ前作のマッチメイクの方がマシ。レギュラーキャラもただ出しただけで活躍しないからいる意味なし。クライマックスは二つのバトルが並行するけど、並行じゃなくて平行のまま交わらないので邪魔なだけ。全てにおいて(ただでさえ面白くない)前作からさらに劣化した駄作。当時映画館で観られなかったが、これを『スパイダーマンNWH』の前に観ていたら、ヴェノムの扱いにブチギレていたと思うので結果的に助かった。

 

『ラブ&ポップ』

援助交際で出会う「オヤジ」たちは多面的で、可哀想でありながら暴力的で、女子高生に救われることしかできない。本名のくだりは、前述の暴力性に上書きされるものでありながら、胸を裂くように切ないのに温かくもあり、私の中でとても大切なものになった。

 

式日

中学生や高校生の頃に観たら感情移入していただろうな、という感じで、メンヘラには賞味期限があるんだと気付いてしまった。

 

『アシュラ(2016)

善人不在の腐った街で、暴力だけが加速していく。破滅に向かう道程は昂るし、クライマックスの何もかもが壊れていくアクションもたまらない。因果とか善悪といった作劇的なバランスはなく、とにかく全てを破壊するバイオレンスに満ち溢れている傑作。

 

RRR

お互いの正体を知らないまま、追う者と追われる者である二人が親友になってしまう。『忍者と極道』が好きなので、言うまでもなくこの設定だけで最高。破局を見つめながら友情を深め合うさまは、どうしようもなく美しい。『バーフバリ』が神話的だったのに対して、1920年を舞台にした本作は地に足のついた英雄譚で、だからといってパワフルなエピソードは据え置きで、こちらの塩梅の方が好み。

 

新作4、旧作11本。

 

 

観たかった映画

DOOR デジタルリマスター版』

DOOR2 デジタルリマスター版』

『崖上のスパイ』

Sin Clcck

『ベネデッタ』

『ボーンズ アンド オール』

『呪呪呪/死者をあやつるもの』

『呪餐』

県内での上映がありませんでした。

 

『対峙』

『別れる決心』

『コンパートメントNo.6

『逆転のトライアングル』

『バイオレント・ナイト』

アラビアンナイト 三千年の願い』

『エンパイア・オブ・ライト』

県内の行けない映画館で上映がありました。

 

タイタニック: ジェームズ・キャメロン 25周年3Dリマスター』

『バンバン!』

県内での上映はあったのですが、観られませんでした。

 

 

見たアニメ

機動警察パトレイバー アーリーデイズ』

『ぶらどらぶ』や『TNG』とも共通するテーマが多くあり、押井守スターターキットという感じ。だからといってそれらと同じ味付けにはなっておらず、物語はアイデアではなくキャラ主導で生まれるんだと思った。

 

読んだ漫画

岸辺露伴ルーヴルへ行く』

フルカラーのバンドデシネで、三幕構成で場面ごとに使われる色が変化するとか、エロスであるとか、読みながら考えていたことが全部巻末で解説されていたので、言いたいことがなくなって困った。当時先行で刊行されたフランス語版だけ買っていて、長い間日本語版を買ってなかったことに気付いた。もっと早く読んでおけばよかった。

 

ソーシャルゲーム

Fate/Grand Order』第2部第7章「黄金樹海紀行ナウイ・ミクトラン」

「アヴァロン・ル・フェ」のバランスもよかったが、SF的なアプローチで描かれるミクトランも好み。テペウ、ワクチャン、イシュキックとみんな大好きになったし、異聞帯のキャラの名前を覚えられたのって初めてかもしれない。フリオチとリフレインが丁寧で、唐突さがなく、これから起こることが分かりやすいのが(プロのライターなら当然のことだけど)よくて、奈須とそれ以外では埋まることのない差があるんだな……と思った。ORT戦なんか「Dランクの風呂敷から畳み始めやがった!」という感じで、しかもそれが毎回面白くて、ゲームとしての難易度も丁度面倒でない程度に強くて、ヌルゲーではあるが理想的だった。U-オルガマリーも、デイビットも、第二部全体の種明かしの部分も最高。第二部終章があるだろうから……と乗り気でなかったけど、異星の神もORTもここで処理してしまって、そりゃメタ的な敵にシフトするよな、という感じ。つまらないを通り越して不快なイベントシナリオでやる気を長いこと失っていたけど、結局奈須のシナリオを読むと許せてしまうのが悔しい。

 

 

日記

ある朝、目が覚めてからいくら水を飲んでも喉が渇いて、何かの病気なのかと恐怖したけど、花粉症が始まっただけでした。

 

突然顎と胸が痛くなり、横になることしかできず死ぬのか……と怯えてたけど、カフェインの摂りすぎなだけでした。水を飲んだら血中濃度が下がったみたいで楽になった。これまでも五日連続で缶コーヒーを飲むと必ず口内炎ができる法則を発見してたけど、三日目くらいで耐性が生まれるのでカフェインを摂取する意味はないっぽいです。精神が一日でリセットされるので肉体もそうだと思ってたけど、こっちは連続して数日分をまとめて計上してるんだな〜と学びました。もしかしたらこれまでも多々あった狭心症のような症状も、カフェインに着目してなかっただけで、コーヒーを連日飲むのが駄目だっただけかもしれないです。

 

タイタニック』を、1週目は体調的に見送って、2週目で観ようと思ったのですが、映画館に着いた時点でチケットが完売していました。まともな席がないということはあるけど、完売を見たのはたぶん初めてなので面食らいました。どうやらInstagramなんかでも広告を多く出しているらしく、そのときもロビーにはカップルが多かったように思います。正直かなり舐めていたので、まさかタイタニックにこんなに人気があるとは……と震えました。金曜ロードショーで放送したのも追い風になったのかな。

車で1時間かかるので、3時間の映画を観ると最低で5時間超の拘束、それも2時間は気を張ってないといけないので、距離をネックに映画が観られないということが多々あります。

家から最寄りの映画館(300館規模のものしか拾わない)まで30分、まともな映画を上映する映画館が南北にそれぞれ1時間の距離に4館、南北からさらに同じ方向に30分〜1時間の距離によりコアな映画を拾うシネコンとミニシアターが2館があるという感じで、どこに行くにも平等に遠い、めちゃくちゃ不利な立地に住んでいます。

 

来月観た映画

今月観た映画(2023年1月)

観た映画

LAMB/ラム』

羊から羊人間の子供が産まれ、子供を持たない夫婦が育てる不条理ホラー。終始シュールで何をやっているんだという可笑しさに溢れる。

 

銀河英雄伝説 新たなる戦いの序曲』

1230日の一作目から連続公開。OVA12話のリメイクということで、前作よりもドラマが濃くなって映画的になっているが、その分前作のアニメっぽさ……冒頭とクライマックスにアクションを入れるお楽しみが減ってしまった。原作もOVAも全部見たい。

 

神々の山嶺』(吹替)

原作、漫画版を読んでから観賞。骨子はかなり別物になっており、設定こそおよそ使われているものの、内包するドラマはほとんど削ぎ落とされている。一応谷口ジロー版を原作としているようだけど、絵柄も完全オリジナル。それでもエヴェレストの山肌や自然、空、大気、そういったものを描くだけで最高に面白い。私は原作の別の箇所に惹かれたんだけど、この作品の本質は第三幕の登山であって、それ以外を描く必要がない、というのは正しい。

 

『最後まで行く』

藤井道人がリメイクするとのことで観賞。なんとなく真面目な韓国ノワールだと思ってたら、かなりコメディな感じ。展開がB級なのに妙に真剣なのも面白い。クライムサスペンスとしてはさくさく進んでイベントも多く、きちんと楽しませてくれる。

 

『はぐれアイドル地獄変

Vシネっぽい安さだけど、おざなりに作っているわけではなく頑張っている姿勢が見えて好印象。前半はフェイクドキュメンタリー風で、この改変が原作の設定ともマッチしていて低予算をカバーしつつ独自の面白さに繋がっている。後半は劇映画で、ベタなストーリーながら見やすい。原作はエロ+コメディながら、オリジナルキャラを使ってフェミニズムシスターフッドの文脈でまとめていて、意外なまでに真面目。

 

『心霊写真』

『女神の継承』の監督とのことで観賞。主人公が交通事故を隠すことから始まって、とにかく厭な人物だらけ。心霊写真の謎を追いながらストーリーが進み、解明パートではもう一段階厭さを積み上げてくれる。風変わりなモチーフだけど根幹は王道。心霊写真をただのマクガフィンとして使うのではなく、オカルトとしてきちんと向き合ってくれているのが嬉しい。

 

怪談新耳袋 劇場版』

オムニバスのホラー。出来にばらつきはあるものの、面白い作品がほとんど。構成もアルバムのようにラストに向けてテンションを上げてくれて楽しい。雨宮慶太の「約束」がとにかくインパクト抜群。

 

怪談新耳袋 劇場版 幽霊マンション』

こちらは長編。アップを多用したTVドラマ的な撮り方で、台詞も説明的。リアリティは一切なく、その場でのインパクトを重視している。全ての要素を持て余している。ラストはホラーとして本当にしょうもないオチ。

シリーズ全作を観るつもりだったのですが、プライムビデオで三作目『ノブヒロさん』を再生したところ別の映画が始まり、どうしようもなかったので、『幽霊マンション』がこの出来なので残りを観る必要も感じられず、ここで打ち止めにしました。

 

機動戦士ガンダムF91 完全版』

1クール分の物語を115分に収めているので駆け足だが、台詞を繋ぎ合わせる技術で理解させてくるのがすごい。作画もアクションもリッチで、どのアニメーションも観ていて気持ちいい。映像としてのアイデアも面白い。終わっていないはずなのに綺麗に締めることで余韻を生むのも技巧的。日常を壊しすぐ隣に現れるMSの恐怖は、『閃光のハサウェイ1』に繋がるものを感じる。

 

『バーフバリ 伝説誕生』

『バーフバリ 王の凱旋』

RRR』が観られなかったので観賞。神話スケールで英雄を描いて豪快さがすごい。映像もキャラもとにかくパワフル。全力で滾るエンタメ。

 

時計じかけのオレンジ

キューブリック監督ということで言うまでもなく美術は圧巻で、そこに架空の若者言葉「ナッドサット」が組み合わさってケレンがすごい。表層的に描かれる中に多面的な意味が混じり、そんなことを考えなくても強烈な絵面だけでも楽しめる。

 

『フラ・フラダンス』

アイカツ! 10th STORY』関連作で観賞。お仕事アニメとしては丁寧で、バンピクなのに作画もいい。フラダンス部分は面白いのに、作り手がそれを信じられなかったのか余計なことをしてしまっている。リアリティを強調したかったのだろうが成長のカタルシスもない。

 

レザボア・ドッグス

無意味な会話だけで構成されていてすごい。低予算を描写の削減と時系列入れ替えでカバーするだけでなく、ラストも勝者と敗者のアングルで盛り上げようとしないのも巧み。

 

『イニシェリン島の精霊』

中年と老人の仲違いだけで、特に新しい要素を追加しないまま語り切る。ただただ厭〜な関係を見せられるし、好転しそうなのも逆に厭。ただでさえ陰鬱としてるのに、さらに人が死ぬ予言で不穏さも増してくる。並の戦争映画で痛みを感じなくなった人間も傷付けてくれる、新しい戦争映画。

 

新作2、旧作11本。

 

 

観たかった映画

『ノースマン 導かれし復讐者』

ヒトラーのための虐殺会議』

『エンドロールのつづき』

『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』

県内で上映がないか、車で1時間半以上かかる映画館でしか上映がなかった映画です。

 

BAD CITY

上映してたんですが、機会が合わず観られませんでした。坂口拓の復帰作なので観たかったのですが。

 

 

読んだ本

神々の山嶺』上・下/夢枕獏集英社文庫

16日にプライムビデオでアニメ版が配信されるとのことで、告知のあった年末から読み始めました。前に本を読んだのが二年とか三年ぶりで、労働で脳を破壊されたけどまだ読書ができたんだな、と嬉しくなりました。

深町と羽生のドラマに惹かれたので、後続作ではその辺がカットされることが多く、結果的に原作が一番好きになりました。とにかく力強い一文が多く、漫画版を読んでいても「あの言葉はないのか」と思い続けていました。

 

神々の山嶺』上・中・下/夢枕獏谷口ジロー

『エヴェレスト』に合わせて刊行された2016年の愛蔵版で、原作と一緒に買って6年以上積んでいたことになります。『孤独のグルメ』を除けば実は初めて谷口ジローを読んだのですが、コマ割りに法則性を作りつつそれを壊すことで、読みやすさとダイナミズムを両立させててすごいと思いました。絵に関しては人類の最高峰レベルなので、すごすぎて何一つ理解できませんでした。夢枕獏と現地で取材しただけあって、原作を読んだときと寸分違わず、それを上回る情景がそこにありました。

 

『金の国 水の国』スペシャル版/岩本ナオ

ある種の流行り要素である政略結婚(ここでは『逃げ恥』を念頭に置いてます)を、お互いに取り違えることで運命に変換しているのが発想の勝利で、ラストもこういうのでいいんだよという温かさでよかったです。破綻寸前のフリーハンドで描かれた絵は少年漫画にはない刺激で、簡単な絵柄でトーンも使わないのに背景が綺麗で、アクションもないのにヒキで背景をメインにしたコマが多いのでカメラやアングルを変に工夫しなくても魅せてくれて、ストレートに強いです。ストーリーもシーソーが上手く、最低限のイベントで心理描写を最大限盛り上げ、対称的なはずの二人をずらすことで非対称にするのとかも巧みでした。ふだん少女漫画を読まないので、すごくよかったです。

スペシャル版(完全版)だと、漫画系の賞を複数獲っているので単行本刊行後の新規イラストが収録されているのが嬉しかったです。

 

日記

歯医者に行きました。6月に無料検診のはがきが届いていたんだけど、先延ばしにし続けて期限切れ直前の月末になんとか。

怖かったけど虫歯ゼロ、フル知らず(親知らずがフルで残っていること)だけど、斜めに生えているものの抜歯の必要はないとのことで、完全に杞憂だった。歯磨きのやり方が間違ってたらどうしよう……と思ってたけど、一箇所に歯石を指摘されただけで全く問題がなかったみたいで、よかったです。