超・今月観た映画(2024年3月)

 

観た映画


『アーガイル』☆
エイリアン3
エイリアン4
ロッキー・ホラー・ショー
エイリアンVS.プレデター
AVP2 エイリアンズVS.プレデター
デューン 砂の惑星
ホドロフスキーのDUNE』
デューン 砂の惑星 PART2』☆
『X-メン』
X-MEN2
X-MEN ファイナル ディシジョン』
『ゴールド・ボーイ』☆
『DOGMAN ドッグマン』☆
クール・ランニング
ウルヴァリン:X-MEN ZERO
X-MEN:ファースト・ジェネレーション』
ウルヴァリン:SAMURAI』
ザ・ロック
コン・エアー

新作4本☆、旧作16本。
WOWOWのDisney+無料キャンペーンで契約したので、DUNE関連の3作(再鑑賞含む)を除いて、旧作は全てDisney+で観ました。スター(というよりFOX)作品を囲っているだけで強いのが腹立たしいです。

再鑑賞した映画
『DUNE/デューン 砂の惑星

 

観たかった映画


『14歳の栞』
『落下の解剖学』
『FEAST -狂宴-』
ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ
 『英国式庭園殺人事件』
 『ZOO』
 『数に溺れて』
 『プロスペローの本』

『14歳の栞』は劇場上映専用で、それ以外の鑑賞手段が存在しないらしいです。『オオカミの家』と同時上映された短編映画『骨』は“美術館での収蔵を前提に制作された”、“個人の「所有」を権利者が許可していない”らしく、これと同じ箱に入れることになりました。『コリアタウン殺人事件』は幻の作品となり、『キャプテンEO』も鑑賞することができず、こういった映画を観られないまま死んでいくんだな……と悲しくなります。

 

見たドラマ


『初恋ハラスメント』
いい意味でチープで、見たことのない映像が出てくるのがよかった。反面、「後半は常時フィルタがかかる」なんかは(それくらいのボルテージを望んでいたが)思ったままのものが出てきたし、オチもバレバレすぎる“自己責任もの”逃げをしてしまったのは残念。『祓除』以後のホラー映像作品においてこの程度のことをやってしまうというのは残念。フィルタ同様、このオチも読めてしまったので、欲しいものはあったが上回るものは何一つなかった。
『奥様ッソ』辺りに端を発し「ニッポンおもひで探訪」のようなメタまでされたこの一年ちょっとのフェイクドキュメンタリー作品群において、技巧を先行するがあまり本編に面白さがなく、「添え物であるからこそ正面から向き合って面白くする」ということからも逃げており、ギミックを楽しむ以上のことはできない。
幸運にもリアルタイムで視聴できたが、これを後追いで見た人は可哀想だな……と思った。一通り楽しめはしたが、二度と見ることはないだろうな、くらいの面白さでした。

 

日記


何もない月でも一つくらい思い出を残しておこうと思っているのですが、今月は嫌なことが重なって、本当に特筆すべきことがなかったです。

超・今月観た映画(2024年2月)

 

観た映画


マルサの女
マルサの女2
うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
ビューティフルドリーマー
『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
トゥルーマン・ショー
猿の惑星
『ボーはおそれている』☆
ラ・ジュテ
ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』
迷宮物語』(OVA

映画館3本(うち新作1本)☆、旧作10本(うちOVA1本)。


再鑑賞した映画


千年女優』☆
パーフェクトブルー』☆

去年の『パーフェクトブルー』を金銭的理由で見逃してしまったのですが、『千年女優リバイバル上映に合わせて(同映画館では初めて)『パーフェクトブルー』も遅れ上映することを知り、それならと両方観ました。10年ぶりくらいに観てほぼ初見の感覚だったので幸せな時間でした。田舎でも名作が観られるというのは嬉しいですね。


観たかった映画


『落下の解剖学』
『梟―フクロウ―』
『フィスト・オブ・ザ・コンドル』
ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争』
『神探大戦』
『まどろみの彼女たち』
『悪魔がはらわたでいけにえで私』
ジェヴォーダンの獣 4K』
『真夜中の処刑ゲーム』

田舎では新作が観られないので嬉しくないですね。


見た番組


ウルトラマンブレーザー
子供の頃ぶりに見たウルトラマンなんだけど、客演もお借りもタイプチェンジもないので販促周りがすっきりしてるし、人間関係も落ち着いていて、終盤のSF展開から『ウルトラマン』オマージュもあり、ニュースタンダードというかすごく見やすくてよかったです。
ウルトラQ』オマージュの第9話「オトノホシ」、『ウルトラマン』オマージュの第15話「朝と夜の間に」、ドラマ、アクション、縦軸と全てに無駄がない第12話「いくぞブレーザー!」、第17話「さすらいのザンギル」、複雑な人間ドラマを語ることなく理解させる第20話「虫の音の夜」が特によかったです。ワーストは第10話と第22話。

『祓除』
「祓除 事前番組」では祓除師・いとうよしぴよの霊・スピリチュアルや“祓除”への価値観を描く。いわば「主人公の説明」のようなもの。
心霊映像としては祓除に至った経緯として数本の音声テープが紹介され、視聴者投稿のビデオと、その撮影場所で行われた実際の祓除が収められている。音声だけだし、持って回ったようなものなので、恐怖感はない。

「祓除 本編」は2023年11月18日に実際に行われたイベントの録画。“祓除されるべき”ビデオが流され、映像やビデオテープをよしぴよが祓除する。
心霊ものが好きな人間ならこのイベントが何を目的としているか分かるはずだし、ほとんど情報がないまま参加している以上ほとんどの参加者はより理解しているはずだが、輪をかけて説明がなく怖がらせようとしていない、あまつさえ“(キャラ、舞台からの)降り”を混ぜてくるので、この手のイベントらしからぬ雰囲気になっているのが面白い。
紹介される映像は渾身というか、リアルイベントだけあってどれも面白い。質感としては『フェイクドキュメンタリー「Q」』に近く、金を払わせる以上あれより分かりやすくエンタメ的で、イベントでしかできない双方向的な試みもあるが、普通の心霊映像のような分かりやすい怖さ、面白さといったものはない。「人を選ぶイベントに来た人」に向けたもの。
「祓除」とはお祓いのようなものではなく、「霊を敬い遠ざけるもの」と紹介され、参加者は映像を“正しく”認識できるようチューニングされたと言われてイベントが終わる。要するに「自己責任」ものを指しているのだが、それを声高に言って恐怖を煽ることはなく、静かにイベントは終了する。

「祓除 事後番組」では番組やイベントを見た人間の“チューニングされた”反応や、よしぴよのその後が描かれる。『祓除』という番組・イベントの意図が説明され、同時にメタ的な意図も分かるようになっている。
イベントで行ったことをより強く、皮肉過程理論を交えて見せられるパートは好みの怖さ。
「事後番組」本編の始まり方はフェイクドキュメンタリーでしかできないことだし、ラストも、『フェイクドキュメンタリー「Q」』がわざわざ“フェイクドキュメンタリー”を名乗っていることをより分かりやすくしたような演出。面白さや意図は伝わりづらいし、マニア向けのものだけど、見てよかった。


読んだ漫画


ゴールデンカムイ
完結時に積んでいた単行本数巻を読みました。特に最終巻は描き下ろし部分でかなり印象が変わるので、読んでよかったです。本編はあくまで杉元とアシリパを描く物語で、現代に続くものがそう描かれるというのは、そのキャラのファンからしたら嬉しいんじゃないでしょうか。

『高校鉄拳伝タフ』
一年ほど前にT・D・Kの途中で止まっていたんですが、読み終えました。思いついたそばからキャラを投げていくのに台詞一つでいきなり魅力を作ったり、速度がすごい。あってないようなストーリーでとにかくバトルの連続なのに、延々バトルをやっているのが面白くて、溜めを作ってバトルの導入ばかりを丁寧にやる刃牙シリーズの対極にある。最終章に入っても新キャラがかませになるでもなくフェードアウトする感覚は他の漫画じゃ味わえなくて衝撃的です。


日記


りんご飴初挑戦


りんご飴というものを食べたことがなかったので、初めて食べてみました。初手をどうしていいのか分からなかったけど、歯を入れてしまえば食べられたし、シナジーがないんじゃないかと思ってたけど意外に美味しかったです。食べづらさが大きさではなくりんご自体の水分にあったのが気付きでした。
今度はカットされたものの方がいいな、と思ったんですが、いざその機会が来ると味の上限を知ってしまったので、別にもう食べなくてもいいかな……となってました。チョコバナナに勝ってる点ある?

 

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『ボーはおそれている』ネタバレ考察

ボウは精神病であることが示唆されていることから、劇中の描写は必ずしも正しい認知とは限らない。

 

 

1.アパートメント

 

ボウは——あるいはあらゆる人間は——その人生を「産道」と「膣」から始める。母親の支配の元に/支配から逃れるために産まれる。

 

ボウが騒音のクレームを受けるのは正しい認知と思われる。紙を入れた者が騒音を出し始めた可能性も(その場合脳内ではずっと鳴り響いていたのであろう)、紙を入れた者と騒音を出す者が別人でいる可能性もある。

これすらも誤った認知で、「紙は入れられていない」や「騒音は鳴っていない」可能性もある。

 

鍵を盗まれたのは実際に映像として使われているから事実だろう。ボウは実際に里帰りするつもりだった。

しかし、ボウの認知が狂っていることが後に明かされるので、深層心理で帰りたくない(母の死を餌にしなければ帰らないくらいだ)ボウが見た幻覚だったり、そもそも最初からチケットは取っていない可能性もある。母親のカードを使っているようなので、明細を見ればすぐに分かるだろう。が、「チケットを買って使わなかった」という可能性もある。

母親からの叱責は、観客からは誤りに見える。しかし、これまでの映像が嘘なら母親の方が正しいことになる。いずれにせよ、母親がボウを暴力でコントロールしようとしていることは事実だろう。

 

ホームレスたちがアパートに侵入したのは事実だと思われる。少なくとも、ヤク中が自室の前で死んでいたのは事実だろう。

しかし、保護されたボウが「自分の部屋にいない理由」を作るために遡及して記憶を捏造した可能性もある。最後の審判で言及されたホームレスは路上で、この一連のシーンは議論されていない。

 

 

2.軟禁

 

交通事故の直後のシーンはボウの記憶が飛んでいる。従って、交通事故すらも嘘の可能性がある。

医者夫婦は(というより本作自体が)明らかに『トゥルーマン・ショー』を下敷きにしている。つまり、軟禁されているのは母親の意志だ。あるいは夫婦以外にもあらゆる人間がボウを監視している。

ボウが自分の人生とその後を見るのは、後の演劇と同じく、「母親の支配から逃れた人生」を夢見たということだろう。実際にはあんなチャンネルは存在しないが、母親は見ている、見られている。

 

 

3.劇団

 

森の孤児のパートは分かりやすく「現実」が描かれている。ボウが妄想していた演劇と乖離した実際の演劇を見るシーンがそれに当たる。本作で唯一といっていい、現実と妄想の正解が描かれている。

妄想パートは前述のとおり、「母のいない人生」だ。死の恐怖=母親による去勢を脱し幸せな家族を手にする。しかし、幸福を感じたことのないボウはそれを連続して維持できないので離ればなれになる(夢ではしばし未体験や信じられないものは強制力によって描かれなくなる。例えば夢の中で本を捲っても、ページには何も書かれていなかったりする=脳が描画で処理落ちしている)。童貞が夢の中で挿入の直前で行為を邪魔されるように、ボウは妄想の中ですら子作りができていない。その事実=現実=母親による去勢に気付いた瞬間、ボウは目覚める。

退役軍人に襲われるパートは事実とも、ボウが逃げるための口実とも読める。

 

 

4.母の家

 

「気に病まないで」という言葉は、自身が家政婦を殺してしまったことに対してだろう。実際に家政婦は死んでおり、死が偽装されている。

 

広告により、ボウが何らかの精神病である可能性が示唆される。しかし、これはただの広告に過ぎない。実際にボウがこの病気であるとは一言も言ってない。

 

屋根裏のシーンは、監禁されている父親を見たショックで、あるいは父親が醜悪な性であると認識して(例えば勃起しているとか)、怪物を幻視したのだろう。

ここだけファンタジーで、あの怪物が実在していると考えても構わないが。

「夢ではなく記憶である」と言われている以上、ボウは幼少期に同じ光景を見ているはずだ。ただ父親が監禁されていることに恐怖した可能性もあるが、それだけでトラウマになるとは考えにくく、それ以上の何かを見た可能性はある。

 

母親は全てを知っているが、それは前述のとおり、周囲の人間に監視させたからだろう。母親は神の視点を持っていない。

最後の審判のシーンでは、神の視点が用いられている。従って、このシーンは現実ではなく、ボウの呵責による精神世界としか考えられない。ここでは無意識に、正しい認知の情報だけが使われていると考えるのが妥当である。

 

ラストシーンの転覆は、羊水、つまり胎内回帰のメタファー。母親の元に帰りたい(生きてほしい)が、それは暗く冷たい。何より、起き上がることはなくボウは溺れる。つまり、母親は死んでいる(支配から抜け出し自立しなければいけない)。

過保護で監視する母親から逃げたいと思っているが、おそらく無職のボウは抜け出すことができない。しかし、深層心理では母親に死んでほしい=自立したいと思っている。だが、現実には本当に母親が死んでしまえばボウは人生を一人で生きることはできない。母親はガラスに衝突して死んでいる。そのことを、そしてその後の人生を考えたくないから、ボウは水面から顔を出さず心を閉じたまま、映画は終わってしまう。

 

 

——というのは全部嘘です。

 

いや、嘘ではないが、

・・・・・・・・・

考察する必要がない

 

本作では、ボウは最後まで正しい認知を持たない。何故なら「認知を正して生きる」ことを選ばず、心を閉じて終わるバッドエンドだから。

ラストシーン……つまり審判が精神世界であることと、母親が死んでいることは事実だろう。だが、それすらも劇中で実際に描写されることはない。観客が汲み取る必要がある。

しかし、観客がいくら考えたところで、答えはあえて描かれていない。

 

難解とかではなく、考察する意味がない。

現実を描かずに終わる試みは理解できるが、それならこちらが歩み寄る意味がない。現に私がやったように、全ての描写を精査して現実と妄想に分類することができる。しかし、劇中でその答え合わせがないし、「ないべきである」として終わる以上、全ての思索は無駄である。

 

つまり、『ボーはおそれている』を観て考察だの解釈だのをやってる奴は全員馬鹿だ。

描写が理解できないのではなく、意味がなく、無価値に作られているだけ。考察をしたりそれをありがたがってる奴らは恥を知れ

超・今月観た映画(2024年1月)

先月観た映画

 

 

観た映画

『サイコ・ゴアマン』
『マリグナント 凶暴な悪夢』
『哭悲 The Sadness』
『アビス』
グランド・ブダペスト・ホテル
『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』
『私はゴースト』
『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』
ゴジラ-1.0/C』☆
傷物語 <II 熱血篇>』
傷物語 <III 冷血篇>』
傷物語 -こよみヴァンプ-』☆
ねこぢる草』(OVA
ぼのぼの
ゴールデンカムイ』☆
ガンパウダー・ミルクシェイク』
『355』
さらば、わが愛/覇王別姫
『哀れなるものたち』☆
『スピード』
スピード2
『オオカミ狩り』

新作4本☆、旧作18本(うち1本OVA)でした。
『サイコ・ゴアマン』、『マリグナント 凶暴な悪夢』、『哭悲 The Sadness』、『グランド・ブダペスト・ホテル』、『さらば、わが愛/覇王別姫』はずっと観たかった映画で、満足度が高かったです。
『私はゴースト』と『A GHOST STORY』、『ガンパウダー・ミルクシェイク』と『355』はなんとなく似てるイメージがあったけど、実際に観てみるとわりと好き嫌いがはっきり分かれて面白かったです。


再鑑賞した映画

傷物語 <I 鉄血篇>』


観たかった映画

『失われた夜に』
『みなに幸あれ』
『シャクラ』
『プッシーケーキ』
『バーチャリィヒーローズ』


見たドラマ

『マイティジャック』第1話「パリに消えた男」
怪奇大作戦』と同じく、TSUBURAYA IMAGINATIONのプレミアムプラン限定だったものがU-NEXTで見られるようになったので見てみた。
全体的にスローテンポで一つのカットが長く、会話も甘い。「悪の組織」的な敵は荒唐無稽なのにスパイ映画のような戦い方で地に足ついていて、リアリティラインが見えない。特撮パートはいいんだけど、ドラマのスケールが小さいせいで浮いている。大人向けを志向したらしいけど、う~ん。キャラ・悪の組織・スパイ要素・特撮の全てが噛み合ってなかった。1時間番組なのも足を引っ張っている。
怪奇大作戦』も出し惜しみするほどの面白さではなかったし(必見級のエピソードがいくつもあり傑作だし満足したが)、『マイティジャック』もレアなだけで別に面白いとかではないのかな……と思い、視聴を断念。


読んだ漫画

『模型の町』
「町」や「生活」がテーマということもあり、“夢っぽさ”よりも“観察”をより感じられた。エッセイ「広報誌の世界」で語られたことが解像度を高めてくれた。どれも地味なんだけど、その地味さがより“観察”を感じさせる。

『商店街のあゆみ』
「家を作る」と「構造」がモチーフ。「スーパーハウス」と「奇跡」は読んだことのない感じ。ミステリ調の「うるう町」、ほとんどエッセイ漫画なのになかなか異様な「正しいおにぎりの開け方」、正しさに煙に巻かれる夢のような「ビルディング」がよかった。定番化した長編枠はなく、前巻から引き続き「ここはどこでしょうの旅」が収録。これが個人的に面白くないし、(一話完結とはいえナンバリングで)続きものなので、「この単行本だけ読んでも楽しめる」みたいな薦め方ができないのもかなり嫌。完結してないものやシリーズ映画が嫌いというのも大きいと思う。


日記

ペットを殺す一族で新しく飼われたペット

正月の集まりで、小学一年生の頃から飼っていた猫にワクチンを打っていなかったことを、母親が喋っていた。その猫は10歳で死んだ。外で喧嘩をしてきて、猫エイズにかかって死んだ。ワクチンを打っていれば死ぬことがなかったということを、初めて知ってしまった。今まで飼ったペットの中で、この猫のことが一番好きだった。ずっと一緒にいてくれた。それを親に殺されたんだ。
その前に飼っていた犬は外飼いだった。ある日、散歩から帰って撫でていると、首元に何か黒いものがあるのを見つけた。それを親に何度言っても無視して、日に日に衰弱していった。ダニか何かだったと思うが、それのせいで死んだ。犬小屋で、一人寂しく死んでいった。家の中にいれてやりたいと、未就学児の頃の私は思っていた。犬小屋に放置して団欒から外される寂しさを考えると悲しくて、今でも犬がトラウマになっている。
私が大きくなってからだったと思う……父の実家でビーグルを飼っていたが、10年ほどで死んだ。次に飼ったのは小型犬だった。叔父が飼っていて飼育放棄していたものを譲り受けたのだったか、とにかく散歩をほとんどしたことがない犬だった。すぐに死んだ。死ぬ前日に、1時間か2時間、信じられないほどの距離を散歩させたらしい。疲労で死んだのだろう、殺されたのだろう、と思った。
私が子供の頃、伯父が自殺した。自殺する者の考えは分からないし、狂った精神状態にはそれが救いになったんだろうとも思う。しかし、残された者は遺志に関係なく被害者になれる、ということを知った。
こんな人間畜生どもに囲まれてまだ生きている、それだけで偉いな、と自己肯定感が上がりました。

絶望の再確認


最寄りの書店でユリイカを注文した。土曜日に注文して、問屋に在庫がないので火曜に出版社に確認する(月曜日は祝日)、と言われた。なければその時点で電話を頼んでいたが、木曜日になって「品切れで重版中なので二週間は待つ」と電話がかかってきた。出版社への電話なんて17時までに掛ければ一瞬で終わるし在庫の有無が分からないわけがないので……そういったことを怒る気力もなく、キャンセルしてヨドバシの通販で購入した。
その前に、一日かけて隣の市でユリイカを探して、取り扱いがないことを確認していた。田舎の文化レベルが低いのは分かっていたが、「ユリイカがない」なんて状態を考えたことすらなかったので、視界が真っ暗になった。この数年で、もう何軒も書店が潰れている。よく考えると、こんなゴミみたいな土地の本屋なんか買い支える意味もなかった。
働いていた頃、同じことが何度もあった。田舎にはどんな本も売っていない。メジャー中のメジャーしか置いてなくて、文化的な多様性は存在しない。貴重な休日を使った結果、何も持たずに帰ることもあった。休日を無駄にして本の一冊でも買えてればいいが、「田舎には何もない」を確認するためだけに車を数時間運転し、時間を無駄にし、体力を浪費する。いつになったら抜け出せるんだろう、と思っていた。今も、どうせ働いてもここに戻るだけで、都会に戻るにはもう一段地獄を乗り越える必要があるんだと思うと、再就職できないままでいる。早く死にたいとしか思えない。

 

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今月観た映画(2023年12月)

今月……?

先月観た映画

 



観た映画


『ナポレオン』☆
『search/サーチ』
『search/♯サーチ2』☆(家)
ヒトラーのための虐殺会議』☆(家)
『ベネデッタ』☆(家)
『65/シックスティ・ファイブ』☆(家)
『ソフト/クワイエット』☆(家)
『マッドゴッド』
フィル・ティペット 狂気と怪物たち』
『スイート・マイホーム』☆(家)
禁じられた遊び(2023)』☆(家)
金の国 水の国』☆(家)
『オペレーション・フォーチュン』☆(家)
TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』☆
『窓ぎわのトットちゃん』☆
『赦し』☆(家)
『別れる決心』☆(家)
スーパーマリオ 魔界帝国の女神』

新作14本☆(うちホームメディア11本)、旧作4本でした。
去年くらいから邦画でもその年のうちにBD化/CS放送/配信されることが増えてきて、せっかくなので2023年ベストに食い込ませるためにも新作を観ておくか、という感じで観てみました。


観たかった映画


『ノセボ』

宇宙戦艦ヤマト 劇場版 4Kリマスター』
さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 4Kリマスター』
カサンドラ・クロス』(午前十時の映画祭)
リバイバル上映。


見たドラマ


怪奇大作戦
TSUBURAYA IMAGINATIONでは年額2万2000円のプランでしか見られず出し渋っているので、伝説の完璧な番組というイメージだったけど、意外に当たり外れの激しいドラマだった。
オカルトのまつわる事件を解決する、科学捜査系の刑事ドラマのフォーマット。怪獣が出てこないことで『ウルトラQ』と差別化しつつも特撮を使っている。戦後が一つのテーマになっていて、戦争を伝承する側面を持っていた。

第5話「死神の子守唄」
第8話「光る通り魔」
第12話「霧の童話」
第14話「オヤスミナサイ」
第16話「かまいたち
第23話「呪いの壺」
第25話「京都買います」
この7話はマストで見た方がいいです。


見たバラエティ番組


『X年後の関係者たち』第30回「SASUKE」(再放送)
『SASUKE』第41回
今まで一切興味がなかったSASUKEに、何故か去年急にハマりました。リングフィットアドベンチャーで体を動かす楽しさを知り、自分が嫌いだったのが「運動」ではなく「体育」「スポーツ」だったことが分かったのが大きかったのかなと思います。そこから連動してロボットアニメの“身体拡張”感や、それに対する技術的警鐘みたいなことも一気に理解できるようになって、運動を好きになってよかった~と思いました。
毎回カットされまくってる(一説には「簡単にクリアするのでSASUKEのレベルが低く見えてしまう」とか)パルクール佐藤が“魅せる”クリアをやることで放送に乗っていたのがよかったです。そりゃカットされるし、しょうもないタレントを大勢参加させるよな、という別格のすごさでした。
『X年後の関係者たち』では偶発的に人間ドラマが生まれたことや自宅セットについて語っており、よくも(視聴者)悪くも(一般参加者)挑戦者と製作者で作り上げてきたことが分かってよかったです。クリア難易度についても語られていて、実際第41回大会は絶対無理だろという3rdステージで全員敗退していて、有言実行する奴があるかよとなりました。ライバルであっても敵ではなく、「部活」のような爽やかさがあること、人間ドラマ、そしてクリアできなくてもTV番組として成立することが、SASUKEの魅力なんだと思います。

M-1グランプリ2024』
敗者復活戦

スタミナパン【敗者復活ネタ】M-1グランプリ2023 - YouTube

ヘンダーソン【敗者復活ネタ】M-1グランプリ2023 - YouTube

ニッポンの社長【敗者復活ネタ】M-1グランプリ2023 - YouTube

ぎょうぶ【敗者復活ネタ】M-1グランプリ2023 - YouTube

エバース【敗者復活ネタ】M-1グランプリ2023 - YouTube


勝戦ファーストラウンド

ヤーレンズ【決勝ネタ】<ファーストラウンド> M-1グランプリ2023 - YouTube

令和ロマン【決勝ネタ】<ファーストラウンド> M-1グランプリ2023 - YouTube

マユリカ【決勝ネタ】<ファーストラウンド> M-1グランプリ2023 - YouTube

カベポスター【決勝ネタ】<ファーストラウンド> M-1グランプリ2023 - YouTube


これだけは見てください。
(第1回の中川家は例外として)初のトップバッターからのファイナルラウンド、初の優勝が快挙で、令和ロマンの芸風的にも格、落ち着き的にも納得なんだけど、全体的に歌ネタ大特集でシルバーコレクターまみれだったのが微妙でした。

 

日記


サウンドバーの死


GEOで2000円で買ったサウンドバーが急死しました。明らかにジャックが死んだっぽいので無意味だろうな……と思いつつも「サウンドバーの直し方」みたいなページに載ってる絶対これやっても違うなって方法を全部試してやっぱり完全に無意味だったので、SoundCore2を買いました。
6000円がセールで4000円で、しかもGEOのサウンドバーが2000円のものが絶版になってほぼ同じやつが3000円に値上げされてたので、実質1000円プラスでこれ買えるのお得じゃん、とテンション上がりました。
耳が別によくないし安物のイヤホンでも気にならないのでサウンドバーなしでも生活できるんじゃないかと思ったけど、久しぶりにTV内蔵スピーカーを使ってみるとあまりに音質が悪く、SoundCore2も違いが分かったので、案外違いってあるんだなと思いました。

ビリヤニ・リベンジ


9月にセブンイレブンビリヤニを食べ損ねて、インドカレー屋のビリヤニで失敗したけど、再販されてようやくセブンイレブンビリヤニを食べられました。
いや~~~、美味しいけど、そんな思ったほどではなかったです。またあったら食べるけど、なければ二度と食べられなくても大丈夫くらい。でも長粒米ビリヤニを食べられてよかったです。

2023年新作映画ベスト10&ワースト5大発表

映画、観てますか? 観てませんよね。年の瀬に今年観た映画だのを発表してる奴はゴミなので近寄らないようにしましょう。
ということで、今年観た新作映画のベスト10を発表していきたいと思います!
なお、一部の映画のタイトルは私個人の思想に基づき、邦題ではなく原題に近い記法を用いることをご了承ください。

 

ベスト10

1位『ゴジラ-1.0』
実写作品としては『シン・ゴジラ』以来7年ぶりの待望の日本版ゴジラ
山崎貴監督ということで「泣かせ」のイメージが先行しており、『シン・ゴジラ』で上がりきったハードルをリセットするような、60点か70点のやつが出てくると覚悟していたが、100点でした。感動を封印するわけでもなく、「山崎貴の感動」をそのままゴジラのドラマパートに乗せることで、「ゴジラと主人公を対比させる」という、ゴジラシリーズが70年間苦心し続けてきた要素に、自分の武器で正解を打ち出す。
幾度となく議論されてきた「ドラマパートいらない問題」を解決しただけでなく、CGのクオリティも日本映画では考えられないほどで、特に海上のシーンを昼間にあそこまで作れるというのは本当にすごい。そもそも特撮――特殊撮影というのは実在しないものをリアルに描くために生まれた技術なので、ハリウッドでは当然のように特撮がCGに置換されてきた。それがようやく日本でも、山崎貴なら「特撮」を使わずにかつての特撮が表現したものを作れるんだ、と胸が躍った。

 

2位『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』
『貞子vs加椰子』以来、大手配給で撮り続けてきた白石晃士監督の、8年ぶりの新作にして完結作。
白石作品は、特に<コワすぎ!>シリーズは暴力描写に定評があるが、本作ではハラスメントを糾弾される時代にあって、暴力は封印される。そしてこのメッセージ性が根幹をなし、より強い恐怖を描いている。
8年前の『超コワすぎ! FILE-02』までに積み上げられた伏線は回収されないまま、前作までとは繋がりのない単独の新作でありながら、過去作全てを内包した設定。そして『カルト』や『オカルトの森へようこそ』といった投げっぱなしENDの作品の“その先”を描く内容。ファンの望む全てがそこにあった。

 

3位『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』
異なるアニメの技法を一つの画面に収めるのは前作から変わらず、シーンごとにタッチを目まぐるしく変え、それをただ追うだけで楽しい。一瞬たりとも脳が休まることがなく、アニメーションの奔流に呑み込まれる。
描かれるドラマもより重厚になり、冷たく悲しい。単独で完結していた前作から、実はそこが伏線だったのか、というシーンがあるのもワンダー。そこで描かれるのも普遍的なテーマで、万人の感情移入を許す。

 

4位『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
オフィスのデスクの下にくっついたガムを食べるとか、とにかくバトルが馬鹿すぎる。あまりに乖離しすぎると今度は理解が及ばなくなるので、ギリギリ理解の範疇で最大までふざける。普通のアクション映画はシチュエーションや殺陣の組み立てで「次はどう来る!?」と身構えるものですが、本作に限っては「次はどんな馬鹿なことをする!?」と楽しみになり、どんどんめちゃくちゃになっていくのがその期待を超えてくれる。
それでいてやっていることは王道のSFで、SF設定も立て付けは格好いい。描かれるドラマも家族愛に結実し、きちんと泣かせてくる。それなのに結局のところおばさんと小太りの少女の馬鹿げたバトルというルックスが、泣かせ感を中和して、ただひたすらに笑わせてくれる。石のシーンは他の映画ではできない演出で、最高。

 

5位『窓ぎわのトットちゃん』
シンエイ動画の繊細なアニメーションはリッチで、アニメ映画の幸せが詰まっている。トットちゃんの空想は絵本のようなタッチで描かれて、複数の絵柄が使い分けられ、「和」や「田舎」以外の共通体験として日本人の心を映し出す。
優しい日常を切り取ったものだと思っていたら戦前から戦中が舞台で、ストーリーは特に後半は重いものだったのが意外だった。トットちゃんの目線で描かれるため、戦争はほとんど直接描かれないのに、銃後の描写だけで強烈。驚くほど台詞で説明しないのもすごくて、あらゆるシーンは受け手の解釈に委ねられる。子供に考えさせることで正しいものを学ばせる姿勢と、現代では失われたものを描き継承する方針がよかったです。

 

6位『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー Vol.3』
フェーズ4以降不調続きだったMCUですが、過去二作同様、最高。
ガモーラの死によって停滞したGotGシリーズだが、本作のテーマは変革。GotGのメンバーは、成長し、変わっていく。お祭りは永遠に続いてほしいけど、人生にはいつか終わりが来る。寂しいけれど祝うべき門出が描かれる。
ストーリーはかなりヘビーで、それを吹き飛ばすかのようにアクションは爽快。このヘビーさが次回作以降にも効いてきて、MCUの一作としても機能しているのも嬉しい。

 

7位『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
白人によるオセージ族殺人事件を3時間半の長尺で描き切る。
恐怖を駆り立てることなく淡々と次々に起きる殺人は、それが当然かのように過ぎ去っていくのが何よりも恐ろしい。加害者として加担することになる主人公は、家族思いで間抜けで、それなのに殺人を厭わない、愛される人としての面と殺人者の面、おじきに支配される面が同時に描かれる。
オセージ族の衣装や儀礼といった美術面も素晴らしく、これらを美しく描くからこそ白人に滅ぼされた悲しみが表現できている。興亡を切り取るギャングものはどうしても尻すぼみになりがちだけど、本作ではそこに自覚的に向き合っている。

 

8位『ザ・クリエイター/創造者』
ロードムービーのSFで、アジアをミックスしたサイバーパンクとも異なるロケーションが魅力的。模造人間(シミュラント)と呼ばれるロボットは、人間型は顔は人間そのままなのに後頭部が刳り貫かれた形状で、一目で異質と分かる。機械頭のシミュラントは<スター・ウォーズ>シリーズのドロイドのような愛らしさがありながら、タイ風の袈裟を着ていたりと独自性もある。
東南アジア、ネパール、中国、日本なんかをごちゃまぜにした舞台・ニューアジアはリアルな生活感があり、この世界観だけで満足度は高い。それら全てを破壊する無慈悲な銃撃戦も楽しい。

 

9位『SISU/シス 不死身の男』
「殺人マシン」ものの亜種なのに、敵は一切舐めてこない。最初から全力で、たった一人の老人にいきなり戦車をぶつけてくる。でも勝つ。そして殺す。
主人公は「不死身の男」ではあるけど最強というわけではなく、いい感じのバランス。敵対するナチス小隊も台詞がほとんどないのにちゃんとキャラを立たせてから殺される。用意された武器やシチュエーションを全て使い、アクションとゴアのアイデアを使い倒す。ゴア描写は初殺の時点で笑えるほど痛々しく、とにかく肉片が飛び散って景気がいい。

 

10位『ミンナのウタ』
そこそこの面白さの<村>シリーズを連発して、なんとか中田秀夫にだけは勝ってきた清水崇。しかもGENERATIONSを使ったアイドル企画のホラー。アイドルのファン向けの最低限の出来になるんだろうと思っていたら、意外にも面白い。
ちゃんと怖いし、カセットテープを題材にすることで使えるテクニックを全て取り入れる。手抜かりは一切なく、映画を面白く、怖くするためにできることを全てやってくれている。現代で再流行しているホラー映画だけど、そのほとんどが若手女優を使ったもの。そんなな中で大の男たちに怖がらせる時点で企画は成功といえる。
日本版ではグロ描写は削除されているが、それなのに不満はなく怖くて面白い。海外版BDが出たら解禁版を観たい。

 

1位『ゴジラ-1.0
2位『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!
3位『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース
4位『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
5位『窓ぎわのトットちゃん
6位『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー Vol.3
7位『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
8位『ザ・クリエイター/創造者
9位『SISU/シス 不死身の男
10位『ミンナのウタ

 

ワースト5

『Pearl パール』
当時の映画をオマージュしているのは分かるが、展開まで当時のレベルのままで何のひねりもなし。悪い意味で全ての展開を予想できてしまう。観客の思考へのメタがなさすぎて、最新作として観る意味が感じられなかった。お洒落な映画が好きな人間はこういうのが好きなんだと思う。ラストはよかったが、その数分のために100分を無駄にするくらいならYouTubeで1分くらい見たらもう充分かなという感じ。

MEG ザ・モンスターズ2』
そこそこは面白いんだけど、そこそこ面白いだけ。巨大生物のパニック描写はハードルを下げたので観たかったものは観られたけど、とにかく演出が古い。前作からしてそうだったが、中国のセンスであらゆるシーンが撮られるので、ルックスは最低限ハリウッド級なのに、10年か最悪20年古いユーモアをぶつけられる。とはいえそこそこを求めていったので、期待には応えている。

『アステロイド・シティ』
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』が最高に面白かったので期待していたんだけど、描きたいモチーフがそこまで刺さらず、そこが外れたのでそれ以外の部分もそこまで……という感じだった。

禁じられた遊び
ファーストサマーウイカを起用する時点でやる気は一切ないんだけど、案の定。説明台詞だらけで不自然で、感情のこもっていない登場人物。再現ドラマレベルの屋内。実在感も生活感もないので感情移入できず、何が起こっても怖く感じられない。時系列も整理されておらずぐちゃぐちゃで、その入れ替えがギミックになっているといったこともない。『事故物件 恐い間取り』は一転突破の糞でそこをネタにできたが、こちらは満遍なく全てが糞なので笑うことすらできない。

『リゾートバイト』
原作を改変すること自体は面白ければいいんだけど、登場人物に女を入れている時点で配給都合すぎるし、改変によって面白くなっていない。原作は「普通に見える女将さんが」「日中に」「変わった場所で」やることが逆説的に恐怖となる、いわば“ケのホラー”なんだけど、それをやる実力がないから逃げたのか、「異常な女将さん」と「深夜の暗闇」に「禍々しい場所」になっており、怖くされているせいで逆に怖くない。とにかく原作にあった旨味の全てを殺しているし、それによってより面白くなっているということもない。洒落怖ユニバースをやりたかったのは分かるが、原作の面白さを潰してまでやることとは思えなかった。ラストはやりたいことは分かるがかなり唐突だし、アイデア先行すぎる。

 

ということで、今年は新作を53本(うちホームメディア15本)観ることができました。
去年くらいからBS・CSやVODで新作が年内に放送・配信されることが増え、田舎住みには嬉しい限りです。映画メモを見ていると、チェックしていた観たかった映画のうちかなりの数が安価な媒体で観られるようになっていて、実際に何本も観ることが叶っていました。
次は鑑賞総本数、観てよかった旧作、観たかった(まだ観られない)映画をまとめたいと思います。

今月観た映画(2023年11月)

先月観た映画


 



観た映画

『ザ・キラー』

ゴジラ-1.0

タンポポ

魔界転生

七人の侍

『ウィッチ』

『キャビン』

『ノック 終末の訪問者』☆(家)

ウォッチメン

ベイビー・ドライバー

『セッション』

『乱』

『御法度』

『首』

 

新作4(うち1本ホームメディア)、旧作10本でした。

25日からU-NEXTで『怪奇大作戦』の配信が始まったのと、トラブルが重なって全然映画を観られませんでした。

 

 

観たかった映画

『メカバース』

『映画(窒息)』

モナ・リザ アンド ブラッドムーン』

『サムシング・イン・ザ・ダート』

 

ゴーストワールド

インファナル・アフェア 4K

リバイバル上映。

 

1%er

坂口拓主演のアクション映画。公式によると「都内の劇場に事実無根のクレームが入った」「配給側で誤っていることを説明したが、複数回のクレームが劇場の運営会社に入り、劇場側から中止の要請があった」とのことで、文面からするとクレームがあったのは一つの劇場であったにもかかわらず、公開を延期したとのこと。

おそらくは園子温のレイプを斡旋したことを受けてのクレームと思われます。しかし、ここで問題となっているのは「坂口拓が悪事(レイプから連想する何か)を働いているか」ではなく(無実であることは説明されている)、「クレームを無視することなく外圧に屈した」ことにあります。フェミニストなどの過激派組織によるクレームは無視すべきであるという論調が、この一年で広く周知されるようになったと、私は体感しています。とにかく、馬鹿に成功体験を積ませてはいけません。その点において、『1%er』が公開を延期したことを強く残念に思います。

12月にはKADOKAWAが書籍の刊行をクレームによって中止しており、暴走した一部の馬鹿のために言論の自由が脅かされる世になろうとしていることを危惧しています。

 

 

見たバラエティ番組

X年後の関係者たち』第53回「山崎貴と日本VFX

ゴジラ-1.0』に合わせて放送された番組。山崎貴といえば「感動の人」というイメージだったけど、実写三丁目の夕日二作目を「やりたくなかった」と言っていたり、印象が変わりました。

樋口真嗣が『スター・ウォーズEP4)』のデス・スターの爆発を「嘘っぽい」、『宇宙からのメッセージ』を「リアルだ」と言ったことに対して、「特撮は一つのカメラで完結する、VFXは別撮りを重ね合わせる。だからそれがリアルに見えた」と言っているのが印象的でした。その後、樋口真嗣特撮に、山崎貴VFXにの道に進むのですが、これは「宗派」なのでしょう。このリアルと嘘というのは、アニメと実写に置き換えてもいいでしょう(アニメは実在しないからリアル、実写は人間が演技するから嘘/アニメは絵だから嘘、実写はそこに人間がいるからリアル)。私の宗派は特撮ですが、『ゴジラ-1.0』のVFXは認めざるを得ませんでした。

 

『ドキュメント20min.』ニッポンおもひで探訪

話題になったのでTVerでの視聴期限が切れる直前に滑り込みで見ました(話題になっていることを知ったのがそのタイミングだった)。

話題になるってことはフェイクドキュメンタリーに類するものだろう、と思いながら見てもちゃんと意外性のあるものでした。

このテーマ・構成で語られるべき真相は興味深く、その上でこの、NHKの実験的なドキュメンタリーの枠でやることに意味があるというのがとてもよかったです。フェイクドキュメンタリーというのはどうしても技巧的になるしかないのですが、本作ではそれがある種反転している。

『このテープもってないですか?』、『フェイクドキュメンタリー「Q」』S2、『TAROMAN』(「おやすみタローマン」、「帰ってくれタローマン」)、『SIX HACK』、『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』、『祓除』とフェイクドキュメンタリーが流行したこの一年を締めくくるに相応しい番組でした。

 

日記

二郎インスパイア

先月初めて二郎系ラーメンを食べて衝撃を受け、今月は県内の二店舗と、セブンイレブンのデカ豚ラーメンを食べました。

他の店舗は車で2時間近くかかるのでさすがに行けないし、なんとなく二郎系のことが分かってきたので、今後は「家でありものを使って簡単に自作する」みたいな路線になるのかな〜と思ってます。味が達してなかったり合格でも面倒臭さが勝るなら店に戻ります。

こんなことをしていたからか、体重がちゃんと1kg増えていて泣きました。

 

来月観た映画