本記事は、『暗号学園のいろは』の魅力を伝えるために書かれたものです。
『暗号学園のいろは』はWJ本誌において掲載順下位を行き来し、安定した人気があるとは言い難いです。私はその理由の一つに、「難解さ」が挙げられると思いました。
暗号、つまり謎解きが難解なのもそうだし、設定やキャラの関係、話数を跨ぐ伏線や台詞についても、読者が気付かないからいまいち支持が得られていないのだと。実際、ジャンプにおいて分かりやすさ、派手さは大きな武器といえます。
しかし、『暗号学園のいろは』の魅力は「一見して地味であること」、「難しいが暗号自体はある程度フェアであること」、そして「アンチバトル漫画であること」にあります。
『暗号学園のいろは』は徹底してバトルを行わない。暗号のストックが枯渇してバトル展開に移行することもなければ、キャラの扱いに困ってバトルで解決することもない。
その素晴らしさを伝えるために、細枝の小ネタを拾い、解説していこうと思います。マジで、マジで切実なのでついてきてください。読めば絶対に面白いので応援してください。アンケートを出して、単行本を買ってください。
- 第一号「第四次世界大戦は紙と鉛筆でおこなわれる」
- 第二号「腹は減っては暗号ができぬ」
- 第三号「暗号は踊る、されど進まず」
- 第四号「解いて暗号の緒を締めよ」
- 第五号「暗号同舟」
- 第六号「暗号兵は拙速を尊ぶ」
- 第七号「最後に解く者が最もよく解く」
- イースターエッグ
- カバー下
- 1巻の出来事・バトル
第一号「第四次世界大戦は紙と鉛筆でおこなわれる」
アインシュタインが「第三次世界大戦でどのような兵器が使われるのか私は知りません。ですが、第四次世界大戦は石と棍棒によって戦われるでしょう」と言ったとされることから。
1P1コマ目「正解は38ページ後!」実際に38ページ後で正解が発表される。本誌掲載時はカラーページを含めた「58ページ後」だった。
2コマ目
「38ページ後」で文が終わっておらず、実は続いていた。この「文末を引き継いで別の意味にする」は本作で多用される語り口。
2P「才媛」
才媛は「教養のある女性」のこと。「女性」に掛けて傍点が振られている。
2P「次なる大戦」
1話サブタイトルで言及されているのは第四次世界大戦。前述のとおりアインシュタインからの引用だが、作中世界における「次なる大戦」が第三次世界大戦なのか第四次世界大戦なのかは不明。
1話おまけページ1「dwnLhlxaam」
1話掲載号の週刊少年ジャンプの表紙。裏返す(いろは視点から見る)と「weekly Jump」になるアンビグラム。ちなみに西尾維新のローマ字表記(NISIOISIN)も点対称かつ線対称のアンビグラムとなっている。
4P4コマ目「先取的」
「先進的」と同じ意味で使われているのであれば、男女の隔てがないこと、スカートを強制しないことなど、ジェンダーレス的な方針を指している?
5P1コマ目
15歳と銃後が掛かっている。
1コマ目「戦争を放棄」
日本国憲法の施行は1947年。
6P4コマ目「高度経済成長期」
1955年ごろから1973年ごろを指す。クロスワードパズルの成立や日本での普及はもっと古いので、「高度経済成長期」という言葉のチョイスには特に意味はなさそう。
2017年時点で刊行されている最古のクロスワード誌は1984年創刊らしく、やはり無関係。
http://blog.livedoor.jp/shienpuzzle/archives/51150870.html
8P1・2コマ目
「才媛」の中でも特に優秀であることが示唆されている。
3コマ目
何気ないカメラアングルだが三人には共通点がある(→12P4コマ目)。
13P2コマ目「他に利用者のいない図書室」
東洲斎と他二人、「匿って」と言った少女は「利用者」ではないので嘘ではない。
3コマ目
東洲斎はそれを見抜いているのでより確度の高い質問を続ける。
4コマ目
なので、これは完全な嘘。
15P1コマ目
17P目までモノローグで主人公の一人称は出てきておらず、ここでようやく性別が明かされる。
16P3コマ目「前の席くん」
ここで思い出したのか、それとも13P目は煽り言葉だったのか。
17P3コマ目「悪役令嬢」
13P目で「お嬢様」であることが明かされているが、さらに「悪役令嬢」でもある。類型はより過去に遡るが、29P6コマ目から、ここでは「小説家になろう」に投稿される「悪役令嬢もの」をパロディしていると思われる。
3コマ目「後ろの席くん」
凍から見て後ろの席に座っているので。
5コマ目「大きな声じゃ言えないがね」
凍→小声なので、大きな声では言えない。普通、人は後ろめたいことがあると大きな声では話せなくなる。
20P1コマ目「賢そうに見えるよ」
字面どおり受け取ると、眼鏡をかければ周りから賢く見られるということ。
22P1コマ目「暴力をふるわなくてもヒーローになれるから」
西尾維新のWJ前作『めだかボックス』で引用されたキャラでいえば、孫悟空もケンシロウも空条承太郎もキン肉マンも緋村剣心も、ヒーローと呼ばれる者はみんな「暴力をふるっている」と言える。
前述のとおり、本作は「アンチバトル漫画」であるため、この思想が根底に敷かれている。
そして何より、本作は最大の暴力である「戦争」を止めるために暗号を解く物語である。
24P6コマ目「見た目を変えても現実が変わるわけじゃないけど」
外見を変えたところでいきなり賢くなるわけではない。20P1コマ目と同じく、のちのページに続く。
26P1コマ目
自己紹介Xワード。問題文のないクロスワードという、読者(そしていろは)からすれば「何をしていいのか分からない」ものだが、実は「タテのカギに名前を入れる」というルールさえ分かれば解けるものだった。クラスメイトは全員それに気付いていたので、作成者側(そして読者)からすると、ただ言葉を入れただけではなく、いかに信条を当てはめられているかを見る場となる。
30P4コマ目「踏襲図」
東洲斎から踏襲、さらにそこから蹴りの連想で「トゥシューズ」と掛けている。
5コマ目「この学園で」
この学園以外で友達になると損がある?
5コマ目「敵に回すと欠損しますよ」
損するどころか、である。
31P3コマ目「完成度がいまいち稚拙よ 特に④…」
言われたい褒め言葉「とてもあざやか」。7文字で5文字目が「ざ」の言葉が思い浮かばず、副詞で文字数稼ぎをしているため。
33P6コマ目「帳面を破るくらい簡単」
赤子の手をひねるように。文字どおり、帳面を破っている。
35P
東洲斎享楽 5月1日生まれ
名前は東洲斎写楽から(2巻おまけページ)。誕生日はメーデー?
夕方多夕 1月4日生まれ
名前に「夕」が「多」い。「たゆう」は「太夫」、あるいは「たゆたう」雲のイメージで「夕方」? 誕生日は銃士(14)?
名前や誕生日には何かしらのネタが仕込まれてそうだけど、全然分からないので各自で解読してみてください(放棄)。
36P2コマ目
1P目に戻る。生きててよかったね。
38P
1P目から数えて38ページ後(3P目と4P目の間におまけページがあるので1ページずれている)。
2コマ目「解凍編」
ミステリの「出題編」に対する「解答編」。特に推理小説の場合、「それまでに出揃った情報で犯人を推理することが可能」を意味する。
解答からの連想で「解凍」、謎を解凍する。英語にして「icy」、音を拾って「I see」は「分かった」。また、「コールドリーディング」は観察法の一つで、相手の外見や口調から推理すること。事前に得た情報を伏せたままその場で推理したように見せる「ホットリーディング」の対義語。
39P3コマ目「否 それも否」
一つ目の「否」は1コマ目と同じ「いや、」の意味だが、二つ目は「それも違う」。否定を重ねているのではない。
40P1・2コマ目
「賢そうに見える」は暗号の解き方が見える」という意味だった。
43P4コマ目「だから出身地かもって思ったし」
1P目の時点で漢字の被りがなく都道府県を連想させる漢字のみが使われていることから、読者もそこまでは読めるだろう、と踏んでいろはの理解度をそこに設定している。
47P1コマ目「えらく私を悪く言うのね」
つまり、「検証するためのあてこすり」でも「笑い者にするつもり」でもなかった。
49P1コマ目「とてもあざやかね」
言われたい褒め言葉で褒めてくれる東洲斎。
50P1コマ目「暗号を解かれたオマエの負け」
この暗号バトルにおいて、東洲斎が勝利した場合の報酬は決められていたが、いろはが勝利した場合は決められていなかった。なので「いろはから提案された」この言葉には従う必要があった。
4コマ目
綿菓子が振り翳しているのはビニールチューブ入りのチェーン。欠損します。
51P1コマ目「ご主人様」
とはいえこれ以降、東洲斎がいろはの下女となってはいない(その理由は2巻13話で)。
54P2コマ目「M」
モルグは死体安置所。また、初めて密室殺人事件を扱ったミステリ小説のタイトルは「モルグ街の殺人」。
「暗号資産の発掘戦争」
暗号通貨のマイニングといえば、現実世界ではビットコインで有名になった行為。
〜都道府県編〜
左手が「四」本、右手が「七」の形で四十七都道府県?
「裸眼!享楽教室」のサブタイトルは、実在するものの名称には「編」が付き、本作オリジナルの造語には付かないという法則がある。
第二号「腹は減っては暗号ができぬ」
「腹は減っては戦ができぬ」ということわざから。言葉どおり、物語は学食から始まる。また、比喩として「腹」は「資金」でもある。
1P目
モールス信号のアルファベット対応表。
3P1コマ目
「うどん」を食べたかったが「カツ丼」。1/16の賭けに出た可能性もあるが、「ドン」を読めていたのならニアミス。
モールス信号を一切知らなくても、券売機に書かれた「--/・/-・/・・-」を「MENU」だと当て推量することができれば「U」と「N」は分かる。
4P2コマ目
逃げている=隠れているから顔を隠してあげる。
6P2コマ目「いじめを避けるEASYめ」
いじめとEASYめで掛かっている。難易度は星3(食券<クロスワード<これ<都道府県)なので、EASYめではない。
7P3コマ目
文房具を武器にするといえば、<物語>シリーズの戦場ヶ原ひたぎ。「戦争を、しましょう」
8P5コマ目「教室裏サイト」
ゼロ年代半ばから流行したもので、学校裏サイトと呼ばれる主にガラケーでアクセスできる会員制のサイトが存在した。いじめを助長、過激化させる投稿が多数を占めた。
5コマ目「背中サイト」
自身の背中をその掲示板に見立てているのか、サイト(照準器)のことなのか。ちなみに東洲斎の髪飾りは、7P3コマ目で分かるようにライフル実包をモチーフとしている。
9P4コマ目「頭の上かなー?」
眼鏡を頭の上に置いて「メガネメガネ」と探すのは、横山やすしのギャグ。
11P6コマ目「おなかがいっぱいで あたまもいっぱいで」
前者は満腹で、後者は「いっぱいいっぱい」。予期せぬ再会、追われる理由、謎の眼鏡、暗号、宿題と矢継ぎ早に考えることが生まれたから。
13P2コマ目「新設校ゆえに」
1話2Pでも言及が。いろはたちは一期生なので、学園に上級生はいない。
3コマ目「M組のあるメタバース」
メタバースは、2021年ごろから投資の対象となった、VRゴーグルで没入する仮想空間のこと。M組の教室は現実世界にはないらしい。
16P3コマ目「嘘吐き共の狙いは」
つまり、嘘をついてない生徒の目的は500億Mではない。
17P3コマ目「その価値は時々刻々と劇的に変動する」
例えば最も有名な仮想通貨ビットコインは、初めて行われた取引が「ピザ2枚」と「10,000BTC」、2011年には1BTCが3000円、2013年には12万円、2017年の最安値は8万5000円、最高値は230万円と、乱高下している。
4コマ目「先進国が計上する軍事予算の中央値」
2021年のG7の軍事予算はアメリカは7782億、イギリスは592億、ドイツは528億、フランスは527億、日本は491億、イタリアは289億、カナダは228億(単位はドル)。中央値は527億ドル。130円で換算すると、5兆9551億円。
18P3コマ目「とっぽい奴ら」
「とっぽい」は、辞書によって「不良っぽい」、「間抜け」と全く別の意味が紹介されるが、ここでは前者。
5コマ目「つるはし」
前話ラストで「マイニングウォー」という言葉が出てきたが、「マイニング」は英語で「採掘」。
22P3コマ目「嘘吐きのクラスメイト共」
ここに挙げられた14人(-3人)は、志望理由を偽っている?(「嘘吐きを含む」という意味かもしれないが)
朧そぼろ「動機は憎しみ そして怒りだ」
海燕寸暇「あははっ だって制服可愛いもん」
絣縁沙「学園の理念に共感したのさ…」
濃姫家雪「もちろん ノブレス・オブリージュですの」
羊狼川食穂「タダメシ食えっから」
沼田場愁嘆「しゅーたん友達に誘われたの」
小芝井躾「なーんか楽しそうじゃん? 私の理由は常にそれ!」
雁音赫音「暗号を解くのが好きだから 一流の暗号解きになるのが夢なの」
真蟲犇蝌蚪「某には憧れの暗号兵がいるのです」
目々蓮馬酔木「【コンプライアンス違反】」
匿名希望「………………。」
24P2コマ目「相当数の生徒がいろは坂のことを女子だと思っていました」
「相当数の生徒」は、A組以外であろう。そしていろはは外見も声も女子に見える。
第三号「暗号は踊る、されど進まず」
ウィーン会議を評する「会議は踊る、されど進まず」という言葉から。タイトルどおり、ダンスが主軸となっている。
1P目
巻末でも解決されているが、シャーロック・ホームズシリーズの短編「踊る人形」の暗号。グラフィック内の文字は一文字ずつ対応しており「CIPHERACADEMY」。左下は「AM HERE」。
2話冒頭の食券機(「MENU」)と同じく、「AM HERE」には「CHIPHERACADEMY」の文字しか使われてないので、「踊る人形」の暗号を知らなくても解ける。
『CHIPHER ACADEMY』は『暗号学園のいろは』の英語タイトル。
10P3コマ目「気の毒な人ではなかったわけですか」
1話での心理ネームで、いろはのことを何度か「気の毒」だと思っていた。夕方とは異なり、綿菓子は眼鏡がキーになっていることに気付いてなかったよう。その後の会話で東洲斎が「兵器」について知っているのは、凍が踏襲図の元社員だったから(2話ラスト)。
14P1コマ目「ダンスバトル」
ヒップホップのカルチャーの一つ。日本では2010年代後半からヒップホップ、日本語ラップの再ブームが起き、2022年からは日本テレビ主催のダンス大会「THE DANCE DAY」が開催されたり、フジテレビで「乃木坂46とダンスバトルズ」が放送されている他、ダンス関連の番組も増えている。
ヒップホップにおけるダンスバトルは、基本的にブレイクダンスを指し、いろはが踊ったものとは異なる(はず)。
また、2008年から中学校でダンスが必修科目となり、それ以前から小学校では「表現運動」が必修となっていた。
2コマ目「ごめん!」
謝れる女、綿菓子。
2コマ目「とてもあざやかでしたよ!」
いろはの言われたい褒め言葉。
5コマ目「暗号文で交わされた約束は絶対ですとも」
1話で東洲斎がいろはのことを「ご主人様」呼びしたのも、暗号バトルだから。逆に、ダンスバトルで嘘をついたのは暗号ではないから。
16P4コマ目「お前の孫」
いろはの眼鏡のこと? シィジィはAIのようだけど、1話ラストの台詞は凍によるものか、AIによるものか。
17P5コマ目「オマエ こないだ口にくわえてたし」
1話37P6コマ目。
20P4コマ目「コマンド」
「commando」なら特殊部隊、精鋭部隊の意味。
5コマ目「私は常に選択肢を提示します」
ここで提示された選択肢は「条件を呑んで暗号バトルで戦う」か「みっともなく泣きを入れる」。
5コマ目「男の中の男なら」
かかっているのは「選択肢」ではなく、「条件」に対して。男の中の男なら暗号バトルを選ぶだろう、という意味。
21P2コマ目「これが最後の解凍編」
いろはは学食でも2年B組でも凍に兵器を返却しようとしていたので、勝っても負けても手放すつもりだった……どころか、この暗号から兵器を使えなくなる。
〜15パズル編〜
ジグソーパズルは好きな位置にシャッフルできるけど、15パズルならスライドしなければ指定の位置にピースを置けず、そのために他の順番を入れ替える必要がある。私からすると脳内でやるならどっちも同じくらい難しい気がするけど、どうなんでしょう。
第四号「解いて暗号の緒を締めよ」
北条氏綱の遺言「勝って兜の緒を締めよ」から。例によってタイトルどおり、いろはの解いた暗号の“緒”にまつわる。また、“緒”が重要ということで、話数とサブタイトルも1ページ目ではなく最終ページに置かれている。
1P目
綿菓子の自己紹介Xワード。統一性はない?
8P4コマ目「過去問復習」
綿菓子の尊い勉強法。
14P1コマ目「引き分けってことだね。」
5P3コマ目の「逃げちゃ駄目だよ」という台詞を考えると、最初から最低でも引き分けを狙っていたのか。
綿菓子は3話14P3コマ目で「30分以内に解」けた場合をいろはの勝利条件、20P3コマ目で「解けなかった」場合を敗北条件としているが、「31分以上かけて解いた」場合は指定していなかった。
第五号「暗号同舟」
兵法書「孫子」の故事成語「呉越同舟」から。敵対する者同士で同盟を組む話。
2P4コマ目「きみの瞳を誤認逮捕する♪」
ドラマ『君の瞳をタイホする!』から。
4P1コマ目「そんじゃギャルはドロンしまーす リュウセンだね ナガレカワだね ルカワだねえ♪」
『タイムボカン 王道復古』のドロンジョの台詞「流れ石だね、リュウセキだね、流石だね」から。いろはのことを「流石」と褒めている。リュウセン、ナガレカワ、ルカワはどれも「流川」で、2022年12月3日公開の映画『THE FIRST SLAM DUNK』からの引用(掲載号のWJ2023年3号は2022年12月19日発売)。
また、朧と海燕はどちらも2話で「嘘吐き」とされた生徒。
5P2コマ目「並べた中に答えがあるとも言っていない」
Q.02と同様に。
12P4コマ目
神絵師の正体は3巻20話と21話で。
16P
2巻12話及び4巻26話の派閥を付記すると、正答者と指名は以下のとおり。
1.東洲斎(東洲斎派)→いろは
2.真蟲犇→匿名希望(未)
3.牡丹山→雁音<拒否>(牡丹山は13番目に並び直し)
チーム。
対立派閥かつ幼馴染み(2巻13話)。
6.海燕→朧(未)
チーム。
7.雁音→牡丹山
8.羊狼川(濃姫派)→沼田場(未)
対立派閥。
9.綿菓子(東洲斎派)→目々蓮(未)
仲良し。
10.母倉<指名せず>
11.要塞村→小芝井(未)
12.いろは→縁沙(未)
13.牡丹山<指名不可>
東洲斎→いろは、牡丹山←→雁音、膾商→母倉のみ正答者への指名で、それ以外は未回答者への指名。夕方、朧、目々蓮辺りは指名されることを分かって解いてなさそう。
〜手錠解錠〜
「手首だけに剃刀」
リストカットといえば、『新本格魔法少女りすか』。
第六号「暗号兵は拙速を尊ぶ」
前話に引き続き「孫子」の「兵は拙速を尊ぶ」から。三人の「拙速」が描かれる。
1P1コマ目「カステット・カルテット」
カステットはフランス語で「ジグソーパズル」。
4Pワンポイントレッスン「こういうのは面白い面白くないじゃねーから」
本記事でも“こういうの”をいくつか解説しているし、今後も頻出するが、面白い面白くないではないです。
5Pワンポイントレッスン
「頭を壊すこと・もの」が「大きな声じゃ言えない」というと、『銃夢』新装板刊行時に20年間使われてきた「発狂」という単語が差し替えられた(作者曰く「論理的に矛盾しまく」っている)修正を思わせる。
http://yukitolog.blogspot.com/2010/06/1.html
8P1コマ目「九倍」
2種類のピースを2人で四重奏、なので3種類3人で9倍。
2コマ目「口癖 臀部にまつわる夥しいまでのスラング」
1話8P、2話7P、24P、5話9Pと、登場回では毎回「臀部にまつわるスラング」を発していた。その由来は2巻12話で。
9P1コマ目「ご縁がなかったってことで」
縁沙だけに。
8コマ目「体裁が悪い」
笑い者にするほど悪人ではないが、いろはや縁沙を切り捨てない理由が情ではないくらいには打算的。
14P「敏捷い…って言うか 敏腕い!」
敏の字で掛けて。
15P5コマ目「袖擦り合うも他生の縁さ」
袖擦り合うだけに、萌え袖。
19Pワンポイントレッスン「よいお年を!」
掲載号は
第七号「最後に解く者が最もよく解く」
イギリスのことわざ「最後に笑う者が最もよく笑う」から。“最後”に明かされた暗号の答えは……。
2P1コマ目「眼鏡兵器」
名称はここが初出。
扉絵
絣縁沙の自己紹介Xワード。「の」縛り。かつ、口癖も組み込んでいる。
3P13コマ目「空気が読めない割には表情を読むじゃない」
複雑な感情を的確に。これについては3巻22話で。
5P7コマ目・8P9コマ目
お互いが自身の長所が上回っていると考えている。6話15P1コマ目(14P2コマ目)のいろはの自己肯定感の低さ(3話7P)との対比。
7P4コマ目
4話のいろはのように書き出したが、本来は同じ文字を抜き出すだけでいい。4P目のボード(真ん中が上下反対)と見比べると分かる(つまり、4P目の時点で解ける)。
9P3コマ目「元がごちゃ混ぜのジグソーだったことも加味すれば」
答えるために出題方法を加味するのは、6話冒頭に倣う。
11P4コマ目「カステット・カルテットの正解」
前ページワンポイントレッスンも引いて、「Q.09」はカステット・カルテット自体には掛かっていない、という仕掛け。
14P「ボクが学級兵長になったら… 世界で起きてる戦争を 全部停める。」
2話19Pで語られる凍の夢との対比。の、さらに倍。
19P6コマ目「伝えるつもりなかったけど☆」
6話冒頭の暗号含め、いろはを値踏みしていた。渡すつもりがなかったのは……いい性格してる。
〜ロゼッタ・ストーン編〜
「どんな漫画もジャンプに載ればジャンプ漫画」
私がこの記事を書く理由でもあります。アンチバトル漫画でありながらジャンプ漫画であることに本作の魅力があります。
イースターエッグ
「いろは坂のカーブ」
日光いろは坂は、48個のヘアピンカーブをいろは歌に例えて、それぞれに文字板が建てられている。ヘアピンカーブなのでヘアピンで、そのヘアピン自体がいろは歌の看板の形になっている。
「デザインが違いました!」
1話15P以前も、他のクラスメイトが全員右前の中、いろはのみ左前になっている。注意深く観察すれば東洲斎より先にいろはが男であることに気付けた(他の推理材料としては2P目の「才媛」への傍点など)。
「バッハ作曲『蟹行カノン』!」
6話4P1コマ目の背景。最後の音符から逆行する曲、らしい。ゴールがスタートになるカステット・カルテットゆえに。
カバー下
3話で登場した、作中世界に実在する男子校。実際に土嚢を積んで塹壕を作っているのかは不明。
1巻の出来事・バトル
1話……いろはと東洲斎
2話……いろはと凍
3・4話……いろは対綿菓子
5〜7話……学級兵長選抜試験一回戦「カステット・カルテット」
1巻を通して描かれたのは、テーマ……つまり「いろは坂いろはの目標」。1話で志なく入学したいろはは、2話で眼鏡兵器を手に入れて凍に魅せられ、7話(つまりラスト)でその目標を言葉にする。これにより、「主人公の精神性」と「物語の着地点」が明確に示されることとなった。
ストーリー面では東洲斎と凍を天秤にかけ、いろはは凍のために綿菓子と戦う。そしてカステット・カルテットでは同盟を手に入れる。