今月観た映画(2023年2月)

先月観た映画


観た映画

アイカツ! 10th STORY 〜未来へのSTARWAY〜』

いい意味でお祭り感・特別感のないTVシリーズの延長。そうそう、こんなノリだった、という安心感。泣かせ路線もやらず、ライブメインにもせず、理想的な周年もの。ある種ありきたりながら、やっぱり前向きになれるのはアイカツ!だからこそ。後半のオタクの考えたような展開には脳が焼かれた。

 

『滝を見にいく』

おばちゃんあるある的なネタ出しをここまでやれるだけで強いのに、その一見キャラの薄いおばちゃんたちを短尺で立たせて、濃いドラマを展開していく手腕がすごい。「滝を見るバスツアーで遭難したおばちゃん」という設定でこんなにも面白い映画が撮れるのか。コメディを達しきった人間にしか作れない領域にあると感じた。

 

インファナル・アフェア

二重潜入のノワール。この設定でできる面白いことは全部やってくれて、互いの正体が判明しそうで直前で取り逃がすシーンは何度やってもたまらない。

 

インファナル・アフェア 無間序曲

前作の前日譚。面白いことは面白いが、普通のやくざものという感じ。

 

インファナル・アフェアIII 終極無間

一作目の続編。深みがないからわざと分かりづらい描写を増やし、回想パートは一作目と矛盾する。やりたいことは分かるが、一作目にこの内容を追加した方がマシで、一本の独立した映画としての意義がない。

 

トゥルーライズ

誕生日プレゼントでフォロワーにDVDをもらった。アクション映画3本分のアイデアとボリュームが詰まっているが、それをコメディでまとめ上げている。大変なことをやっているのに終始馬鹿馬鹿しくて、子供の頃大好きだった洋画を思い出した。

 

『バビロン』

激動のハリウッド黎明期を描いたもので、過激。忙しなく刻一刻と変化する主要人物の趨勢は非常にスリリング。ラストはいい終わり方だけど、チョイスが『ベルファスト』に比べると明らかに我を出しておらず、一歩引いて本気で映画を作ってないんだな、と冷めてしまった。

 

残穢 -住んではいけない部屋-

ホラーというよりはホラー調のミステリ。物語の進め方は『心霊マスターテープ』のようで楽しい。途中で出てきた小説家がまさかすぎて、じゃあ何気なく出てきた夫もそういうことじゃん、と笑ってしまった。ホラーとは不条理で不可避なものだけど、そういう厭さだけが残る。

 

『ナイト&デイ』

スパイ映画風の恋愛映画。スパイ映画のお約束は全て踏襲し、「一般人のヒロインがこちらを向くとその後ろに大量の敵が音もなく現れる」みたいなコメディシーンもちゃんとしてるけど、トム・クルーズ演じるスパイが有能すぎて、ドラマを転がすのが計画の全てを邪魔する無能なヒロインなのがヘイトを溜めてしまう。スパイ映画にしてはシビアさもなく、ファンタジック。インド版リメイク『バンバン!』のために観たものの、上映が1週間で終わってしまい観られず……。この馬鹿馬鹿しさはインドでやると輝くと思う。

 

アントマン&ワスプ:クアントマニア』

絶対面白いの確定だろ! のノリで行った『ソー:ラブ&サンダー』が駄作だったので、予告やCMを見るたびに面白そうだと思ってしまうのを「いや、そんなはずはない……」とブレーキかけてたけど、想像どおりの面白さだった。アントマンらしさはなくまんまスター・ウォーズだけど、いい意味でクラシカル。冒頭とラストのあの感じが観たかったというのはあるが、これはこれで満足。フェーズ6アベンジャーズへの繋ぎになるのが不安だったけど、カーンの描き方もよかった。フェーズ4の暗闇をようやく抜け出せたのかな、と少しだけ安心できた。

 

『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』

前作ヴィランがシンビオート、本作はヴェノムから生まれたカーネイジで、変わり映えなし。もう一人のヴィランであるキャサディも、『羊たちの沈黙』のような作劇にできたはずなのに積み重ねがほとんどないまま対決になるので盛り上がらない。正義と悪のアングルがあっただけ前作のマッチメイクの方がマシ。レギュラーキャラもただ出しただけで活躍しないからいる意味なし。クライマックスは二つのバトルが並行するけど、並行じゃなくて平行のまま交わらないので邪魔なだけ。全てにおいて(ただでさえ面白くない)前作からさらに劣化した駄作。当時映画館で観られなかったが、これを『スパイダーマンNWH』の前に観ていたら、ヴェノムの扱いにブチギレていたと思うので結果的に助かった。

 

『ラブ&ポップ』

援助交際で出会う「オヤジ」たちは多面的で、可哀想でありながら暴力的で、女子高生に救われることしかできない。本名のくだりは、前述の暴力性に上書きされるものでありながら、胸を裂くように切ないのに温かくもあり、私の中でとても大切なものになった。

 

式日

中学生や高校生の頃に観たら感情移入していただろうな、という感じで、メンヘラには賞味期限があるんだと気付いてしまった。

 

『アシュラ(2016)

善人不在の腐った街で、暴力だけが加速していく。破滅に向かう道程は昂るし、クライマックスの何もかもが壊れていくアクションもたまらない。因果とか善悪といった作劇的なバランスはなく、とにかく全てを破壊するバイオレンスに満ち溢れている傑作。

 

RRR

お互いの正体を知らないまま、追う者と追われる者である二人が親友になってしまう。『忍者と極道』が好きなので、言うまでもなくこの設定だけで最高。破局を見つめながら友情を深め合うさまは、どうしようもなく美しい。『バーフバリ』が神話的だったのに対して、1920年を舞台にした本作は地に足のついた英雄譚で、だからといってパワフルなエピソードは据え置きで、こちらの塩梅の方が好み。

 

新作4、旧作11本。

 

 

観たかった映画

DOOR デジタルリマスター版』

DOOR2 デジタルリマスター版』

『崖上のスパイ』

Sin Clcck

『ベネデッタ』

『ボーンズ アンド オール』

『呪呪呪/死者をあやつるもの』

『呪餐』

県内での上映がありませんでした。

 

『対峙』

『別れる決心』

『コンパートメントNo.6

『逆転のトライアングル』

『バイオレント・ナイト』

アラビアンナイト 三千年の願い』

『エンパイア・オブ・ライト』

県内の行けない映画館で上映がありました。

 

タイタニック: ジェームズ・キャメロン 25周年3Dリマスター』

『バンバン!』

県内での上映はあったのですが、観られませんでした。

 

 

見たアニメ

機動警察パトレイバー アーリーデイズ』

『ぶらどらぶ』や『TNG』とも共通するテーマが多くあり、押井守スターターキットという感じ。だからといってそれらと同じ味付けにはなっておらず、物語はアイデアではなくキャラ主導で生まれるんだと思った。

 

読んだ漫画

岸辺露伴ルーヴルへ行く』

フルカラーのバンドデシネで、三幕構成で場面ごとに使われる色が変化するとか、エロスであるとか、読みながら考えていたことが全部巻末で解説されていたので、言いたいことがなくなって困った。当時先行で刊行されたフランス語版だけ買っていて、長い間日本語版を買ってなかったことに気付いた。もっと早く読んでおけばよかった。

 

ソーシャルゲーム

Fate/Grand Order』第2部第7章「黄金樹海紀行ナウイ・ミクトラン」

「アヴァロン・ル・フェ」のバランスもよかったが、SF的なアプローチで描かれるミクトランも好み。テペウ、ワクチャン、イシュキックとみんな大好きになったし、異聞帯のキャラの名前を覚えられたのって初めてかもしれない。フリオチとリフレインが丁寧で、唐突さがなく、これから起こることが分かりやすいのが(プロのライターなら当然のことだけど)よくて、奈須とそれ以外では埋まることのない差があるんだな……と思った。ORT戦なんか「Dランクの風呂敷から畳み始めやがった!」という感じで、しかもそれが毎回面白くて、ゲームとしての難易度も丁度面倒でない程度に強くて、ヌルゲーではあるが理想的だった。U-オルガマリーも、デイビットも、第二部全体の種明かしの部分も最高。第二部終章があるだろうから……と乗り気でなかったけど、異星の神もORTもここで処理してしまって、そりゃメタ的な敵にシフトするよな、という感じ。つまらないを通り越して不快なイベントシナリオでやる気を長いこと失っていたけど、結局奈須のシナリオを読むと許せてしまうのが悔しい。

 

 

日記

ある朝、目が覚めてからいくら水を飲んでも喉が渇いて、何かの病気なのかと恐怖したけど、花粉症が始まっただけでした。

 

突然顎と胸が痛くなり、横になることしかできず死ぬのか……と怯えてたけど、カフェインの摂りすぎなだけでした。水を飲んだら血中濃度が下がったみたいで楽になった。これまでも五日連続で缶コーヒーを飲むと必ず口内炎ができる法則を発見してたけど、三日目くらいで耐性が生まれるのでカフェインを摂取する意味はないっぽいです。精神が一日でリセットされるので肉体もそうだと思ってたけど、こっちは連続して数日分をまとめて計上してるんだな〜と学びました。もしかしたらこれまでも多々あった狭心症のような症状も、カフェインに着目してなかっただけで、コーヒーを連日飲むのが駄目だっただけかもしれないです。

 

タイタニック』を、1週目は体調的に見送って、2週目で観ようと思ったのですが、映画館に着いた時点でチケットが完売していました。まともな席がないということはあるけど、完売を見たのはたぶん初めてなので面食らいました。どうやらInstagramなんかでも広告を多く出しているらしく、そのときもロビーにはカップルが多かったように思います。正直かなり舐めていたので、まさかタイタニックにこんなに人気があるとは……と震えました。金曜ロードショーで放送したのも追い風になったのかな。

車で1時間かかるので、3時間の映画を観ると最低で5時間超の拘束、それも2時間は気を張ってないといけないので、距離をネックに映画が観られないということが多々あります。

家から最寄りの映画館(300館規模のものしか拾わない)まで30分、まともな映画を上映する映画館が南北にそれぞれ1時間の距離に4館、南北からさらに同じ方向に30分〜1時間の距離によりコアな映画を拾うシネコンとミニシアターが2館があるという感じで、どこに行くにも平等に遠い、めちゃくちゃ不利な立地に住んでいます。

 

来月観た映画