ゆでたまご嶋田の炎上と私の怒りの矛先について

ブログを書くに至った理由

以下のブログが今回の件について触れたのですが、前者に関しては出典がない、フェアでない、との指摘が見られたので、その辺をある程度補足しつつ、今回の件について解説します。

キン肉マンに今起こっていること - 将来キングギドラになりたいとか言ってた人のブログ

5分で消費されるのが辛いの意味を勘違いしている人間が多すぎる件について - 娯楽三昧

 

簡易まとめ

本文が異常に長くなってしまったため、先に結論を書いておきます。

 

嶋田が炎上した理由

 ・ビュワーやアプリで対策することなくスクショの禁止を読者に命じた

・web連載で0時に更新されるものを「更新から3日は感想を投稿するな」

・「0時に無料で読める漫画を読まないけれどTwitterはしているのでネタバレされたくない」という異常な読者に同調した

・『キン肉マン』がSNSの反響で人気を取り戻したことを理解していない

・法的措置を持ち出し、読者を委縮させた

ガイドラインを作ることなく刑事告訴をちらつかせることで、実質的に読者の感想を全面的に禁止した

・週プレNEWS編集部が読者を脅迫した(犯罪)

・週プレNEWS編集部がスラップ訴訟を狙っている

・「出版社・作家が上、読者が下である」と明確に見下し、読者の行動を完全にコントロールしようとしている

・本来なら嶋田を諫めるべきだった編集部が嶋田以上の失言をした

・ジャンプ+編集長がこれに同意し、ジャンプ+掲載作品の感想も言えなくなった

・「5分で消費される」と発言、読者の行動を「消費」であると定義づけた

・「web連載は厚意で残してやった」と発言、web読者がお荷物だと思っていることが発覚

・それに伴い、過去のインタビューでwebでの読者への感謝が建前であったことが発覚

・「肉友」とかいうキモい言葉に笑顔になる

集英社の編集者や漫画家に逐一「自身の漫画は感想を言ってもいい」と言わせ無駄な労力を使わせる

・問題が一切解決していないのにTVに出演する

 

私の怒り

・『キン肉マン』に「ネタバレ」が存在しないことを認識していない

・編集部が嶋田にそのことを理解させていない

・嶋田が読者を切り捨てるような発言をした

・編集部が読者を舐め腐り、コントロールしようとした

・法的措置、刑事告訴、情報開示請求といった強い言葉を考えなしに使い、読者を委縮させた

・脅迫やスラップ訴訟など、犯罪や犯罪まがいの行いへの謝罪を求める

・最低でも「週刊プレイボーイ編集長」と「少年ジャンプ+編集長」の辞任を求める

・早バレでない感想、ネタバレ、常識的なスクショに関して、先の声明を取り下げて、これを解禁することを求める

 ・編集者や漫画家に、SNSを使ったマーケティングについて理解させることを求める

 

ざっくりした流れについてはこちらが分かりやすいです。

 

以下、私の感情や当時のTLなどでの反応を含め、なるべく詳細に、時系列順に解説しています。

 

 

前置き

私は嶋田に対してブチギレており、私怨が入ってアングルがついている、ということをご理解ください。また、このブログ以外の意見や実際の嶋田のTwitterアカウントなどを見て、ご自身で納得できるまで咀嚼していただけると嬉しいです。


「先生」をgoo辞書で引くと、こうあります。

せん‐せい【先生】 の解説

《4が原義》

1 学問や技術・芸能を教える人。特に、学校の教師。また、自分が教えを受けている人。師。師匠。「国語の先生」「ピアノの先生」

2 教師・師匠・医師・代議士など学識のある人や指導的立場にある人を敬っていう語。呼びかけるときなどに代名詞的に、また人名に付けて敬称としても用いる。「先生がたにお集まりいただく」「先生、お元気ですか」「鈴木先生

3 親しみやからかいの意を含めて他人をよぶこと。

「ははあ―今日は宅 (うち) に居るな」〈漱石彼岸過迄

4 自分より先に生まれた人。年長者。

「年の賀も祝はれず、―にはあるまじきことなり」〈鶉衣・戯八亀〉

このうち、漫画家を「先生」と呼ぶのは2に当たると思いますが、私はこの件で嶋田のことを“学識のある人や指導的立場にある人を敬”うことができなくなったため、「嶋田」と呼称させていただきます。

 

前史

2020年7月13日に『キン肉マン』が、9年ぶりに「週刊プレイボーイ」本誌に復帰されることが発表され、8月17日発売号から連載を開始しました。

かなり時間を遡りますが――1997年、80年代に連載を終了した『キン肉マン』の続編として、『キン肉マンII世』が「週刊プレイボーイ」誌上での連載を開始します。しかし、2011年、突如「プレイボーイ」が漫画の掲載をやめ、『II世』も物語の途中で雑誌連載を打ち切られます。『II世』はともに打ち切られた漫画と同じく、web連載で続きを描くことになりました。

ここで注目したいのが、ゆでたまご先生はweb連載のパイオニアであるということです。そもそも、漫画でいわゆる「二世もの(過去作の息子を使った続編)」のブームの火付け役となったのもゆでたまご先生ですが、2011年当時、web連載は今のようなスタンダードではなく、「雑誌ではないよく分からない場所」という扱いでした。

『II世』は主観も入っていますが後半は失速して面白さをなくし、ゆでたまご先生自身も自伝や、以下で解説する「復活」立ち上げ時に反省するほどでした。

同年(2011年)、『II世』を完結させ、24年ぶりに『キン肉マン』の続編の連載を開始します。『II世』の失態を知っているファンからは冷めた目で見られながらも、「悪魔超人が活躍する」という口コミから人気になり、当初の作者の想定を超えた期間、連載は続きました。

2011年に連載を開始した『キン肉マン』は、当時は「完璧超人始祖編」という名称が決まっていなかったため、「新シリーズ」や「復活」など呼ばれていましたが、8月17日から始まったものを「新シリーズ」と呼称する記事があるため、本記事では「復活」で統一します。

「復活」は現在、三つの章で構成されており、順に「完璧超人始祖編」、「オメガ・ケンタウリの六鑓客編(以上がweb連載)」、「新シリーズ(現在連載中)」となります。このうち主に「始祖編」の中盤以降に、「『キン肉マン』は今が一番面白い」と言われ、読者数が増え、「オメガ編」では私の体感では読者人口が最も多くなりました。

その功績が認められたのか、9年前に“web流刑”となった『キン肉マン』は、ついに本誌に復帰することになります。

念を押して言いますが、「復活」は、口コミで火がつき、web連載を続ける中で新規読者を獲得し、念願の本誌復帰を果たします。

連載開始(復帰)直前の「プレイボーイ」に掲載されたインタビューで、嶋田はこう語っています。

――しかし今回の復帰はこれまでのウェブ連載も残しつつ、ということですから、その心配はなくなりましたね。

嶋田 はい。今回のお話をいただくにあたってその話は僕らから編集長にも散々したので、配慮してもらえたんだと思います。

 webでの人気を鑑み、「webで売れたけれど、雑誌掲載のみにしてweb連載は切り捨てる」とはせず、webと本誌両方で同時に(ラグなく)連載することにしました。

 

肉読者

web連載を支えてきた読者とはどのような存在だったのか。

以下は私の観測範囲の話であり、一般に想定される読者層とは異なるのかもしれませんが、私自身このコミュニティに近い場所にいるため、「この読者」をベースにし、「この読者」を想定して話すため、紹介させていただきます。

その直前から待機し、日曜24時(月曜0時)になると同時に「週プレNEWS(公式)」や同時に配信される提携サイトにアクセスし、人によっては最終ページまで読み切ってから、人によっては数コマごとに唸りながら、Twitterに感想を書き込んでいきます。

その際、話しやすいように1コマをスクショして「うぅ~ん」と声にならない声を上げてみたり、「このコマって○○じゃん」とTV実況をするかのように子細に観察するなどしてTLを『キン肉マン』の感想で染め上げます。これらを総称して「肉の時間」と呼んでいました。

あたかもジャンプ発売日の教室のような空気が再現され、その輪に入りたいと思い『キン肉マン』を読み始める人も現れます。

しかし、ここで問題が起こります。

8月31日に更新された復帰4話目の最終ページがスクショされ、拡散されました。

というのも、3話目に旧作に出てくるキャラたちが登場したものの、一人足りない。その残りの一人、「レオパルドン」という超人は、いわゆる「かませ犬」であり、登場から1ページ足らず、わずか5コマで倒されてしまうという、文字どおり瞬殺キャラでした。しかしそのあまりに無惨な死に様から読者に愛され、旧作完結から27年のときを経て、2014年12月3日放送の『水曜日のダウンタウン』で「レオパルドンよりも一瞬で殺されたものなどいない説」として取り上げられるほどの人気があります。また、この放送でレオパルドンの試合時間が(他の試合時間と矛盾するものの)「0.9秒」と設定され、それによりさらに人気は加速しました。

そのレオパルドンが、仲間のピンチに颯爽と駆けつけ、二十数年ぶりにリングインする、というところで4話目は終了します。

人気も高い作中最弱のかませ犬が二十数年ぶりに二度目のリングインとなれば話題性があります。その話題性というものが問題で、いわゆる“バズ”を狙ったアカウントの付け入る隙になります。雨後の竹の子のごとく現れる悪名高いNAVERまとめがレオパルドンの再登場をネタにしていることからもその話題性の高さはうかがえます。

検索すればすぐに見つかるのですが、この「最終ページのスクショ」を画像検索すると、無数のアカウントがその画像を使いPOSTしています。

なお、31日当時、嶋田は困惑しつつ、トレンド入りに喜んでいます。

 ここで再確認したいのは、肉読者ではなく“バズ”狙いのアカウントが話題性だけを汲み取って「最終ページのスクショ」をアップロードしたということです。

もはやどのアカウントがPOSTしたのか遡れませんが、「4ページ丸々スクショしてPOSTした」と言われているものもあり、この復帰4話目は特にスクショが拡散されたようです。

 

炎上前夜

一夜明けて9月1日、嶋田がこのような声明を発表します。なお、この時点で「炎上」はしていません。

このPOSTには二つの思想が含まれています。個人的には片方には賛同し、もう片方には賛同しかねます。要素を分解し、その二つがどのようなものか解説していきます。

まず一つ目。“勝手なスクショのことです。” “特に今回のラストはスクショだらけ。私は悲しくなりました。” “どうかスクショはやめてください。”

これは先述した「最終ページのスクショ」についての苦言と、その拡散が悲しいという意志表明です。私が賛同するのはこちらです。そもそもイナゴのように話題に群がる馬鹿が嫌いだということもありますが、「20ページでひとまとめの漫画の衝撃的なコマだけを取り上げるな、楽しむな」というのはもっともです。

そして二つ目。“週プレでの紙の本をたのしみにしているんです。”

「週プレでの紙の本をたのしみにしているんです」? 「……?」となりました。後述するのですが、今となってはこの発言の意図も理解でき、それに反対することもできるのですが、このときはまだ、二つ目の意味を計りかねていました。

また、“集英社さんと共にそれなりの罰則をかんがえます”について、私は「スクショをできなくする」だと考えました。現にアプリ「ヤンジャン!」とアプリ「ガンガンONLINE」ではスクリーンショットの撮影を不可能にしているようです。もし専用のアプリを要求するようになるのであれば、『キン肉マン』を読むのはやめようとも思っていました。

 

ちなみにこのとき、私は(鍵垢で)以下のような発言をしていました。「何でweb連載のパイオニアなのに10年前の価値観なんだよ、そんなこと言うなら勢いだけのことやめて堅実な作劇で魅せろよ、話題になるためだけにやってんだから話題になったら喜べよ」「始祖編の重大局面でこれなら分かるんですよ。でもオメガ編みたいなウンコ垂れ流した後のギャグみてーな超神編で本誌復帰して大事な時期にこれってお前」

以降、他のアカウントもこのPOSTに言及し、一夜明けてからもぽつぽつと「ゆでの発言の真意と汲み取り方」についての発言が散見されます。

16時ごろにはこんなPOSTがあります(以下全て、犯人探しのような特定を避けるため、文言をアレンジしています。また、おおむね私が同意したPOSTを抽出しているため、嶋田に否定的なバイアスがかかっています)。

「ネタバレ云々について明言されるまでは『0時に感想をPOSTするな』ということになる」

キン肉マンがそれでよくても他の作品はどうなるのか」

ゆでたまご先生が『金を払っているプレイボーイ読者がネタバレを踏むのはよくない』と考えているのならなるべくそれに従うべき」

「作者以外の外野がこれを言っているのなら違法な早バレでないのだから無視する」

「本誌読者を考慮しろと言うのなら週プレNEWSでの更新を半日とか一日遅らせろ」

「『TVを録画で見る人間もいるんだからリアルタイムで実況するな』と言っているようなもの」

「公式で対応しない限りは従う必要はない」

 

 ついにはなんか漫画か何かで偉いっぽい人間まで嶋田の発言に言及し、それに追従する人も現れます。

このフデタニンの発言は極めて異常です。

“発売日が数日遅れの街もある。”

この意見は全く理解できません。「ない」です。web雑誌は決まった時間に更新されます。「新潟では6時間遅れで更新される」とか「電気信号の都合上、九州は3日遅れで更新される」なんてことはありません。日本全国で全ての人間が完全に平等にコンテンツを楽しめるのがweb雑誌です。回線速度で数分のラグがある、と言うのであれば、PCを買い替えてまともな回線引けばいい話です。

というか、web雑誌に限ったことではありません。全てを網羅しているわけではないのですが、日本の漫画雑誌のほとんどは発売日の0時に電子版を購入できます。プレイボーイも同様で、『キン肉マン』は無料でも読めるほか、紙のプレイボーイにも電子版にも掲載されています。つまり、webか物理書籍かに関わらず、連載漫画のおよそ全ては発売日の0時に読むことができます。

また、以下の文言に続きます。

Twitter見なければいいという意見もあるけど、それは違うと思うよ。”

これはとても高度な反論で少し難しいのですが、「違わない」が答えです。キン肉マンの最新話は「[キン肉マン]で検索」「webページ(週プレNEWSやebookjapan)をクリック」「『キン肉マン』をクリック」「[無料で読む]をクリック」の4クリック……検索結果から直接最新話のURLをクリックしたり、ブックマーク機能を使えばもっとクリック数を減らせるし、最大でもたったの4クリックで辿り着けます。「キン肉マンのネタバレが流れてくることを知っている日曜深夜に必ずTwitterにいる」にも関わらず「検索エンジンを使って最新話にアクセスできない」なんて理屈は理解できません。冷蔵庫に、いや、手元に食料があるのに餓死するか? ……しかし、のちに分かるのですが、この誤った、狂った認識を持つ人間はフデタニンだけではありませんでした。

再確認ですが、「web雑誌(週プレNEWS)は0時に更新されて日付が変わった瞬間に誰でも手軽に読める」「web雑誌でも物理雑誌でもほぼ全てが0時に読める」「ゆえに、発売日にネタバレされる未読の人間はいない」「初読を紙で読むことにこだわりがありwebで閲覧したくないのならTwitterを閉じて自衛する」、これが基本です。

翌日、地獄の釜が開きます。

 

混迷する学級会

 ついに嶋田にリプライで直接ラインを聞き出す馬鹿が現れました。いわゆる「公式凸」というやつです。「同人誌を出していいか公式に聞いたた駄目って言うに決まってるんだからグレーのままにしろ」というやつです。

のちに蔑称として「ゼニガメアイコン」と呼ばれることになる学級委員長は、以下のことを「控えた方がいいか」訊いています。

・『キン肉マン』のスクショを貼る

ハッシュタグを使って感想をPOSTする

・ネタバレに繋がる発言をする

それに対し嶋田は、“少なくとも3日はね”と返します。……このジジイ、日本語が理解できてんのか?

この「ジジイ日本語分かってんのか問題」は後に尾を引くため、少し解説しておきます。

ゼニガメアイコンは上記の三つの質問をしています。一応、一番最後のセンテンスである“スクショの有無問わずキン肉マンハッシュタグを使って感想を呟く時もネタバレ繋がるツイートも控えた方がよろしいですか。”が本題で、嶋田もそれに対して“少なくとも3日はね”と言ったのだと思われます。しかし、この一文には三つの質問が内包されています。これでは「3日」というラインが「スクショを貼る期限」なのか「ハッシュタグで感想をPOSTする期限」なのか「ネタバレをする期限」なのか分かりません。しかも、このリプライは自己RTするわけでもなければ再投稿するわけでもなく、「リプライを検索するかメンションを開く」ことでしか見付けることができませんでした(なのでPOSTと反応にラグがある)。

とにかく、嶋田には複数の話題を一括で発言する癖があるということを覚えておいてください(この例ではゼニガメアイコンの文章が冗長なのも悪い気はするけど、一言で返すのではなく問題ごとに返信すれば済む話なので、それをしないのが問題です)。

多くの人はここで「更新から3日間はプレイボーイ読者に配慮してfusetterを使って水曜からは自由に発言したりfusetterを自己RTして『肉の時間』をやろう」という方向に舵を切ろうとしていました。

私はこの時点でブチギレていました。

 (サンデー辺りに移籍しろの意)

 (トレンドとネタバレがトレードオフであることに気付いてないっぽい)

 

20時ごろにはこのような意見がありました。

「3日間のネタバレ禁止はサイトの規約で禁止されない限りは守ってはいけない」

「いくら作者が偉くても読者を縛る権限はない」

「作者は自作にまつわるルールをどう制定しようが自由で、ファンがそれに従うのも離れていくのも無視することも自由」

ゆでたまご先生はそこまで深く考えずに発言したので、むしろ編集の方が驚いてそう」

 

 前日の嶋田のPOSTを受け、カミムラ晋作先生が言及します。

「作者がスクショを嫌がるならすべきでない」、「公式でスクショ投稿機能を持つサイトもある」、「口コミのためのスクショは歓迎(だろう)」、「自身はスクショを歓迎する」、「悪意のあるスクショに関しては(封殺するのではなく)都度対応する」という、至極当たり前のことを言われています。何なら、もはやこれ以上の議論は必要ないくらいに自明です。

 

 「スクショ禁止」「ネタバレ3日禁止」から、このように邪推する人も現れます。「嶋田の発言はプレイボーイ休刊(の危機)を受けてのものである」という説については嶋田からもプレイボーイ編集部からも、肯定も否定もされていません。

個人的にはこの説には懐疑的です。

まず、『キン肉マン』が載っているからといってプレイボーイが売れるわけありません。私は復帰を機に紙のプレイボーイの購読を始めましたが、そんな読者が世に何人もいるわけないです。それに、『キン肉マン』頼りで部数を伸ばしたいと考えるのであれば、嶋田の意見を無視して本誌のみの連載に切り替えるはずです。それならまだプレイボーイ本誌の売り上げは上がるでしょう。

まだ「人気がふるわなければwebのみの連載に戻す」と言われたと考える方が自然です。ですが、これにしてもたった4話で、それもネタバレが拡散した程度で人気が出なかったと判断するでしょうか。事前にそういった打ち合わせがあったにせよ、レオパルドンのスクショの拡散如何で編集部の意向が変わるということはないと思います。

嶋田は『キン肉マン』が載った程度で部数が上がると思っているならプレイボーイを高く見積もりすぎだし、編集部は『キン肉マン』を過大評価しすぎです。

ゆえに、私は嶋田の「お気持ち」に関しては、プレイボーイや編集者の意思はかかわっておらず、嶋田の独断であったと考えています。

 

月曜日

9月7日0時、『キン肉マン』が更新されました。

 いつものように「肉の時間」が始まらず、もしかしてみんな「3日」のルールに従ってしまったのでは……と不安になりましたが、0時半ごろからいつもよりは少ない数ですが、感想POSTが流れてきました。

スクショに関しては、観測範囲ではゼロと言っていいでしょう。絶対にネタバレにならないような1コマを含め、皆無だったと記憶しています。私も、感想を3日控えるのはともかくとして、スクショを貼らないことについては賛成していたので、これに関しては当然だと思います。

作者に気持ちよく作品を描いてもらい、最もいい状態の漫画を読みたいというのが総意で、私個人としては「作家には文句を言う権利がある」、「読者には感想を言う自由と作家の提言を無視する自由がある」と思っています。例えば『映像研には手を出すな!』は作者がR-18イラストを描くなと明言しているため、限りなくクローズドな場でのみ行われています。ですが、感想とは「漏れ出るもの」です。それを留めておく権利は、譬え作家であってもないと私は考えています。

 

 午前3時、嶋田はファンのリプライで「レオパルドン」のトレンド入りを知り、喜んでいます。

まあ、「ある程度のネタバレが含まれていたとしても感想はPOSTしてもいい」、「スクショはネタバレに関わらず全面的に禁止」、ここが落としどころでしょう。細かいところでは「web連載に『ネタバレ』はない」とか言いたいことはありますが、嶋田本人も意に介してないようですし、波乱はあったもののいつもどおりの日常が戻ることだろうと思っていました。

 このとき、私はまだ嶋田のことを親しみを込めて「ゆで」、「ゆで嶋田」などと呼んでいました。

 

撃鉄が起こされた

 月曜日から数えて3日目、10日0時に“SNSやブログ等、ネット上における『キン肉マン』画像利用についてのお願い”なる声明がアップされました。

嶋田と「週プレNEWS編集部」は、我々読者に銃を向けたのです。

 この文章の問題点を、箇条書きで抜き出して、一つずつ見ていこうと思います。

 

嶋田の文章

・『キン肉マン』が連載していることを知らなかったけど、SNSの評判をきっかけに読んでくれるようになったという方もいると思います。
・私たちの漫画原稿そのものやその内容が、簡単にSNSに上げられてしまうこと。
・必要性以上に作品内容がわかってしまう文章や画像を含んだものがたくさん見受けられ、
・20ページすべて読んでくれたら、もっとおもしろいのに。
 ・それだけ人によって読むタイミングも違ってきます。
・かつて『ジャンプ』で『キン肉マン』をいち早く読もうとしていた少年たちも、自分が読む前に内容を話されたら怒っていたように、

 週プレNEWS編集部の文章

TwitterInstagram等のSNS、およびブログ等、インターネット上
・漫画のスクリーンショットをSNSやブログに著作権者の許諾無く投稿(アップロード)する行為は、法で定める一部の例外(※)をのぞき、著作権の侵害にあたり、
・場合によっては刑事罰が科され、あるいは損害賠償請求の対象となります。
・悪質な著作権侵害、ネタバレ行為(文章によるものを含みます)に対しては、発信者情報開示請求をはじめ、刑事告訴、損害賠償請求などの法的手段を講じることもありますので、ご注意ください。

 

 いや~~~~~言いたいことは山ほどあるけど、まず、分かりづらい!

結局何を伝えたいのか分からない。「混迷する学級会」の項で書いたけど、“嶋田には複数の話題を一括で発言する癖がある”。何でその悪癖が編集部にまで伝染してんだよ! こいつら、一個の文章で複数の話をしすぎなんだよ。しかもそれが二人分まとめてだからただでさえ多い議題が倍に増えてんのに一個の結論に収束してんだよ。してねんだよ。収束してねえんだって。

まずは嶋田の文章から見てみましょう。私は読者へのリスペクト、語義の曖昧さに問題があると思っています。

 

嶋田の文章
>・『キン肉マン』が連載していることを知らなかったけど、SNSの評判をきっかけに読んでくれるようになったという方もいると思います。

この文章単体では特に問題は見当たらず、正しい認識を持っていると思われます。嶋田の別の発言で、この言葉や復帰直前のインタビューが覆ることになるので、そちらで詳しく触れます。


>・私たちの漫画原稿そのものやその内容が、簡単にSNSに上げられてしまうこと。

SNSに限定していることから、これは「ネタバレスクショ」を指しているとみていいでしょう。ですが、「簡単にアップロードする」のは紙雑誌を写真に撮ってもできることです。

2011年に放送されたTVアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』では、第3話で意図的に衝撃的なシーンを挿入することでSNSで話題を作り、人気を得ることに成功しました。これは「3話切り」といってTVアニメの視聴を3話でやめる文化へのカウンターであり、SNSを巧みに使った例といえるでしょう。

「復活」も、SNS上の口コミで評判が広まり、また「肉の時間」で読者を増やした経緯があることを考えると、現代で、webで漫画を連載している意識が希薄すぎます。ましてやゆでたまご先生は誰よりも早く、9年間もwebで戦ってきました。SNSという存在をあまりに軽視していると感じます。

 

>・必要性以上に作品内容がわかってしまう文章や画像を含んだものがたくさん見受けられ、

「混迷する学級会」の項でも触れましたが、嶋田は意図が複数ある発言を一つにまとめたがります。これも私は「必要性以上に作品内容がわかってしまう文章の投稿」と「必要性以上に作品内容がわかってしまう画像を含んだ投稿」の二つに分けて考えていますが、読点を省略しているのではなくこれだけで一つのセンテンス、つまり「『必要性以上に作品内容がわかってしまう文章』や『画像』を含んだもの」である可能性もあります。まともな編集者がいるのであれば限りなく誤読を減らすよう直すべきでした。

「必要性以上に作品内容がわかってしまう文章」の範囲も漠然としています。例えば「レオパルドンが登場する」はセーフなのでしょうか。「レオパルドンが戦う」は、「レオパルドンが負ける」は、「今週はまだ負けなかった」は、「生きてる」は……。極端な話、「レオパルドン」とだけPOSTしてもアウトと判定される可能性があります。現に、『チェンソーマン』は通常よりも衝撃的な内容の回の場合、「チェンソーマン……ア……」とだけPOSTされたりするのですが、私はそこから「内容を語れないほどに衝撃的だった」という情報を受け取ります。スクショは完全に禁止にすればいいのですが、感想は読者の権利です。それを縛り付けるのであれば、明確なルールを提示すべきです。


>・20ページすべて読んでくれたら、もっとおもしろいのに。

これに関しては、面白い漫画を描けと言いたい。「オメガ編」以降はつまらないですし、そのつまらなさが祟って、「新シリーズ」では劇薬を使いました。「レオパルドンの再登場」というのは劇薬なのです。

まず、嶋田は大きな勘違いをしています。それは「旧キャラを出すと盛り上がる」ということです。成功したときに何がよかったのかというと、「旧キャラを出して盛り上がった」のです。断じて、「旧キャラを出したから盛り上がった」のではありません。その違いを理解していないので、「オメガ編」でも「新シリーズ」でも、「始祖編」から成長せず同じことを繰り返しています。「始祖編」で悪魔超人が再登場したとき何が面白かったのかというと、ストーリー上で悪魔超人が参戦するべき理由があったからです。そして動き始めた悪魔超人を制御できていたからです。対して「オメガ編」では二匹目のドジョウを狙うかのごとく正義二軍を登場させますが、そんなものは誰も望んでいませんでした。悪魔超人が受けたのはドジョウだったからではなく、ドジョウの使い方がよかったからです。アップデートせずに方法論だけ使い回して面白い漫画になるわけがありません。それで受けが悪かったものだから「新シリーズ」ではよりネタ性能の高い旧キャラを掘り起こしたのです。

ネタでしか勝負のできないつまらない漫画が20ページ読んでもらえると思っているのは甘えです。「衝撃的なスクショで認知度が上がってよかった」と思えないのなら、スクショしてもネタバレにならないようなまともなストーリーを練るべきです。現に、「始祖編」のころはその一枚が拡散したところで致命的なネタバレになる、というものはありませんでした。純粋に、ストーリーが面白くて評価されていたのです。

ネームバリューだけで20ページも漫画を読んでもらえると思っているのなら傲慢すぎます。今すぐ筆を折るべきです。

追記(2020年9月15日)

中井画伯が「始祖編」前半でペンタゴンを再登場させた際、「こういったシンプルな超人をもっと描きたい、現在の画力でリメイクしたい」と発言していたので、「オメガ編」の正義二軍については嶋田だけの責任ではないのかもしれません。特に前述のレオパルドンに関しては、わざわざ「リメイクした姿」と同じコマに「あえて旧作の絵柄のレオパルドン」を置いて対比させていることからも、二人の間でどのような意思の疎通があったのかは分かりかねますが、この思想が続いていることが読み取れます。


>・それだけ人によって読むタイミングも違ってきます。

もう一度だけ説明するね。

この意見は全く理解できません。「ない」です。web雑誌は決まった時間に更新されます。「新潟では6時間遅れで更新される」とか「電気信号の都合上、九州は3日遅れで更新される」なんてことはありません。日本全国で全ての人間が完全に平等にコンテンツを楽しめるのがweb雑誌です。回線速度で数分のラグがある、と言うのであれば、PCを買い替えてまともな回線引けばいい話です。

というか、web雑誌に限ったことではありません。全てを網羅しているわけではないのですが、日本の漫画雑誌のほとんどは発売日の0時に電子版を購入できます。プレイボーイも同様で、『キン肉マン』は無料でも読めるほか、紙のプレイボーイにも電子版にも掲載されています。つまり、webか物理書籍かに関わらず、連載漫画のおよそ全ては発売日の0時に読むことができます。


>・かつて『ジャンプ』で『キン肉マン』をいち早く読もうとしていた少年たちも、自分が読む前に内容を話されたら怒っていたように、

 これは重箱ツンツンになってしまうので触れない方がいいのかもしれませんが、すでにツッコまれているので、一応、とある投稿を引用するという形で済ませておきます。

 

 次に、週プレNEWS編集部の文章を見ていきましょう。こちらの問題は、「文章によるネタバレ」とは何か、それと「感想」はどう違うのか、スラップ訴訟ではないのか、訴えるつもりがなく法的措置を持ち出すのは脅迫ではないのか、といった点です。

 

>・TwitterInstagram等のSNS、およびブログ等、インターネット上

主にTwitterInstagram、ブログの三つを挙げていますが、この三つがどこにかかってくるのかが分かりません。嶋田の文章では主に、というかほぼ確実に「Twitterのみ」の話をしています。Instagramレオパルドンのスクショを投稿しても何も思わないでしょう。であれば、何故ここでTwitter以外のSNSなどの名前を出したのか。おそらくは「週プレNEWS編集部」の主張のためでしょうが、この文章の主体は嶋田です。嶋田がどこを争点にしているのか、編集部の文章とどう関係しているのかなどを明記していないせいで、この三つが嶋田の文章にまで割り込んできて、読者に解釈を負担させてしまっています。この文章では嶋田の文章を補足するにとどまり、違法アップロードやネタバレへの訴訟については別途記事を用意して、そちらで話すべきでした。


>・漫画のスクリーンショットをSNSやブログに著作権者の許諾無く投稿(アップロード)する行為は、法で定める一部の例外(※)をのぞき、著作権の侵害にあたり、

これまで嶋田は一貫して「スクショをアップされたくない」という話をしてきました。私はずっと、「お気持ち」ベースの話で、「衝撃的なネタバレとなるコマ」を拡散してほしくない、ということだと思っていました。著作権を持ちだしてくるのであれば、ネタバレも糞もなく、全ての『キン肉マン』の画像は違法となります。“集英社さんと共にそれなりの罰則をかんがえます。”とは「刑事告訴する」という意味だったのでしょうか。

また、嶋田との信頼の話とは別に、この文章には『キン肉マン』に限らずあらゆる漫画の読者を委縮させる効果があります。これまでさんざんSNSでの宣伝効果について書いてきましたが、最も宣伝効果が高いのは「スクショを貼る」ことです。それは商業漫画家や編集者、雑誌公式アカウントなどが「○○な話 1/n」と4ページ漫画をアップして“バズ”を狙っていることからも明らかでしょう。読者にしても、基本的には悪意を以てアップロードするのではなく、好きな漫画を広めたい一心で画像を添付しているはずです。そういった多くの善良な読者に冷や水を浴びせ、あろうことか法的措置をほのめかしてきたのです。

しかも、この文章は「週プレNEWS編集部」に文責があります。ここまで強い文章は完全に独断で出せるものではなく、集英社の総意と考えるのが自然でしょう。さらに範囲を拡大すると、集英社の親会社である小学館に関しても、「自社の漫画を1コマでもアップロードしたら訴訟する」と考えているかもしれません。『キン肉マン』に限定して言えばよかったのですが(それでも言葉が強すぎますが)、「漫画」と指定してしまったことで、適用される範囲が広がりすぎてしまいました。

 

>・場合によっては刑事罰が科され、あるいは損害賠償請求の対象となります。

しかし、現実的に集英社小学館の漫画をたった1コマ貼りつけただけで訴訟されるでしょうか。違法か合法かはともかくとして、現実的かどうかでいえば、現実的ではありません。

告訴の意思なく発言した場合について、こちらのページではこうあります。

判例は、「権利行使の意思がなく相手を畏怖させる目的で告知した場合」には脅迫にあたると考えています(大判大正3.12.1)。

「週プレNEWS編集部」の発言は脅迫に当たるのではないかと私は考えています。

 

>・悪質な著作権侵害、ネタバレ行為(文章によるものを含みます)に対しては、発信者情報開示請求をはじめ、刑事告訴、損害賠償請求などの法的手段を講じることもありますので、ご注意ください。

 「悪質な著作権侵害」とは何でしょうか。街を裏と表から守るいいヤクザみたいな「良質な著作権侵害」があって、それは許されているのでしょうか。

「ネタバレ行為(文章によるものを含みます)」に関してはもっと分かりません。

 画像と文字で早バレを紹介したサイトの運営者が逮捕された事例はありますが、『キン肉マン』で(web連載には早バレの概念がないので「新シリーズ」で)早バレが話題になったというのは聞いたことがありません。

であれば、ここでいう「ネタバレ行為(文章によるものを含みます)」とは、何なのでしょう。そもそも0時に更新されているのにネタバレも糞もないのですが、「ネタバレ要素を含む文章」がアウトということなのでしょう。では、「ネタバレ」とは何を指すのか。スクショであれば「レオパルドンの登場シーン」のように分かりやすいですが、上記の嶋田の文章への批判のとおり、「ネタバレを含む感想」は、「キン肉マン」だけのPOSTでも成り立ちます。つまり、ここで禁止されているのは「Twitterにおいてキン肉マンに関連する全ての言葉を使うこと」ということになります。

嶋田の文章のみで考えれば、例えばfusetterを使うなどしてクローズドな場でやっていればよかったのですが、刑事告訴などというものを持ち出されては、そのような対策をしても無意味で、訴訟に怯えながら『キン肉マン』の話をするくらいなら、二度と読まない方がましです。

そもそも、文字だけのネタバレ――というか、ネタバレですらない、「嶋田と編集部とごく一部の読者だけがネタバレだと思っている」感想を訴えることができるのでしょうか。厳密にいうと、勝訴することができるのでしょうか。圧倒的な資本を持つ側がそうでない者に対して嫌がらせ目的で裁判を仕掛けることをスラップ訴訟といい、アメリカの多くの州ではスラップ訴訟を禁じる法律もあります。

 

文章全体での問題は以下のようになります。

・1コマでも引用条件を満たさずTwitterに貼りつけると告訴されるのか

・告訴する気がないのなら脅迫罪に当たるのではないか

・勝ち筋のないものでも訴えるのはスラップ訴訟に当たり、それ自体は違法ではないが読者をいちじるしく委縮させてしまう

SNSを軽視しすぎている

・ネタバレについて明確なルール・ガイドラインを設けるべきである

・嶋田はネタバレが存在しないことを理解しろ

・嶋田は面白い漫画を描け

 

さらにもう二つ、この文章の問題点を指摘しておきます。

・読者を完全にコントロールしようとしている

現実的に訴えることが可能か、スラップ狙いや脅迫目的か、あるいは訴える気は全くなくルールを恣意的に運用し悪用する気がなかったとしても、法的措置をちらつかせて読者を委縮させるというのは、強権的すぎます。というか、読者を舐め腐っています。「出版社・作家が上、読者が下」と考えてなければこのような真似はできません。

「撃鉄を起こした」と表現しましたが、人によっては「発砲した」あるいは「自身が撃たれた」と感じてもおかしくないことを、週プレNEWS編集部はしました。私は普段から売り手と買い手に上下関係はなく、ホストがゲストに、ゲストがホストにリスペクトを持つことで商売が成り立つと思っています。ですが、こんなことは言いたくないのですが、「どちらの力が強いか」はあります。勿論、「金を払う側が強い」のです。読者が対価を支払い出版社が給料を支払う以上、「読者は出版社に強く、出版社は作家に強く、作家は読者に弱い」という力関係があります。同人であれば作家が描かなければ読者が読むことはできませんが、商業の場であるならば、読者が金を出さなければ作家は漫画を描くことができません。言うまでもなく、出版社も商売ができなくなります。

嫌なら売らなければいい、嫌なら描かなければいい。それも成り立つため、出版社と作家は金のために、読者は創作物のために、互いを尊重し合う必要があります。しかし、片方がその関係を拒むというのであれば、もう片方も尊重する気持ちを持つ必要はありません。吐いた唾は飲めない、というやつです。週プレNEWS編集部は、読者に対して言ってはならない禁句を言ったのです。

私の怒りの最も大きい部分が、ここにあります。「メンツ」と言ってもいいでしょう。馬鹿が舐めた真似をしたのなら、そいつが後悔するまで殴るしか、終わらせる方法はないのです。

 

・嶋田のケツを舐めるな

編集部が舐めているのは読者だけではありません。嶋田のケツも舐めまくっています。

「嶋田の発言はプレイボーイ休刊(の危機)を受けてのものである」説を否定するときに、“嶋田は『キン肉マン』が載った程度で部数が上がると思っているならプレイボーイを高く見積もりすぎだし、編集部は『キン肉マン』を過大評価しすぎです。”と言いましたが、どうやらそう思っていたのは私だけで、編集部は『キン肉マン』を、そしてその作者である嶋田をだいじだいじに思っているようです。

シティーハンター北斗の拳キャプテン翼聖闘士星矢、男塾、銀河といった作品群と比べると、たしかに『キン肉マン』は成功しているかもしれません。「始祖編」でシリーズ通してのピークに達したかもしれません。ですが、「オメガ編」のつまらなさ、「新シリーズ」の劇薬頼みに関しては、先述のとおりです。週刊誌の漫画枠ということで厚遇しているのかもしれませんが、一般的な漫画のレベルとしては『キン肉マン』も嶋田も、敬意を払うべき対象ではありません。

漫画の面白さには主観が入るので、別の角度から見てみましょう。果たして嶋田は尊重すべき人物であるか、ということです。生み出す物語は別にして、SNSの使い方という点では最悪です。編集部がビュワーやアプリで対応すべきスクショへの対処を読者に依存する、大量の誤字、感情的な発信、言葉足らずで複数の話題をひとまとめにする、明記すべきルールをいちアカウントとのリプライのみで済ませる……。この記事で引用した部分だけでも、SNSを運用する資格は到底あるとは思えません。現代で漫画を売るためにはSNSが不可欠で、「作者の人格と作品は切り離すべきか」などの議論が活発に行われ、藤本タツキ先生のような若い作家はセルフブランディングをしています。現代でSNSを使いこなせない者は作家として二流である……と言えば言いすぎかもしれませんが、ここまで直情的で後先を考えない人間のことを持ち上げ、機嫌取りする必要などありません。むしろ、SNS講習を受けさせるべきです。

それなのに、「嶋田先生に気持ちよく漫画を描いてもらえるために」みたいな浅い考えでこの文章を世に出し、法的措置などという読者との信用関係を完全に破綻させた編集部は異常です。まともな感性をしているならば、嶋田を諫めるべきだし、法律を持ち出すべきではありませんでした。価値のないロートルに、暴れられたら面倒だという理由でいい面するな、ということです。

 

この声明で火がついて、一気に燃え上がりました。界隈で燃え盛ったのは勿論、それを見て肉読者でない人が全貌を理解したり、「『キン肉マン』にはネタバレがある」と思ってしまったり、あるいは騒ぎたいだけの馬鹿がいっちょかみし始め、数日燃え続けることになります。

「スクショやめてください←分かる、感想で盛り上がってください←分かる、ただし文章でネタバレしたら訴訟←感想で盛り上がってほしいのに!?」

「明確なガイドラインとして出してくるならルールとして成り立つけど、基準が不明瞭なのに罰則だけをちらつかせるのは……」

「嶋田のTwitterなら個人の自由の範囲だからしょうがないけど、編集部を通したうえでこれが出てくるなら終わり」

「訴えられたくないからキン肉マンの感想なんて二度とTwitterで言わない」

「「嶋田は理屈が欠けているだけで純度100%の善意による発言で、厳しいジャッジで取り締まりたいわけじゃないんだろうけど、インターネットはグレーを黒判定させるものだから……」

著作権とかweb雑誌と物理雑誌のビジネスの話じゃなく、いかにして嶋田にインターネットというものを理解させて、議論のスタート地点に立たせるかが焦点なのか……」

「BUSTERCALLステマを問題だと認識してなかったWJ編集部ならこれに追従する可能性もある」

 

 

 私は当時こんなことを言っていました。「“感想はいいんです。ネタバレにならなければ。”、ほんとうにすき。早くお前のダンベル寄越せよ、壁に嵌めてやるから。」「いい感想だけの国を作りたいんだよね」「プレイボーイの編集部、マジで高架下で昼から飲んでる前歯ゼロ本野球帽ジジイみたいな人間しかいないんだろうな」

 

この時点ではまだ、私は嶋田のことを呼び捨てにはしていませんでした。

 

また、これに関して評論家の三崎尚人さんや、ライターの藤井三打先生が言及しています。

 

 

 弁護士ドットコムニュースは謎の感想文を提出してきます。お前がやるべきことはスラップ訴訟や脅迫に当たるか否かの判断じゃないのか?

 

 

前歯折られたいのか? 

 

追従する者、反発する者

翌日、 「少年ジャンプ+」編集長(2代目)の細野修平が、嶋田の声明に反応します。全然関係ないのですが、「どうぶつタワーバトル」をパクって問題になったときの編集長がこいつです。

6時間ほどぶん殴られてようやく事態を0.1mmくらい理解できたのか、言い訳をします。

こいつのせいでさらに事態が悪化したので、問題点をさらっていきます。

 

>2週遅れで『キン肉マン』を掲載していますが同じスタンスです。

「2週間遅れのジャンプ+に合わせて『刑事告訴の対象となるネタバレ』 の範囲は『2週間前の最新話』まで広がる」ということなのでしょうか。それともこの声明に対して賛同するだけで、『キン肉マン』以外の漫画の話はしていないのでしょうか。それとも、「ジャンプ+」に掲載される全ての漫画が告訴の対象となるという意志表明なのでしょうか。

もし三つ目を想定して言った場合、例えば「ドラゴンボールフリーザという敵が出てくる」と言っただけでも訴えられることになります。ジャンプ+編集長の肩書でこんなことを言えば、「ジャンプ+の漫画全般が感想を言っただけで訴訟」と捉えられて当然です。

 

>「私のツイートは大丈夫かな?」と心配するくらいの人はたぶん大丈夫です。

「たぶん」? 発信者情報開示請求をし、刑事告訴をし、刑事罰が科せられるものに対して「たぶん」なんて言葉使っちゃ駄目だろうがよ。「たぶん悪い奴が裁判に負けると思います」なんて法律見たことあんのか? 仮にも一つ部門のトップに立つ人間がこんなふわふわした認識で許されると思ってんのかよ。

それに「大丈夫かな?」でセーフになるってどういうことなんだよ。全ページスクショして詳細に文章でもネタバレしても最後に「大丈夫かな?」って付け加えりゃセーフなのか? じゃあ何でワンピースのネタバレサイトは捕まったんだよ、あいつらも「大丈夫かな?」という魔法の一言付け加えてりゃ許されておまんま食っていけたのか? 善性信じてられるなら法律なんていらねえんだよ。

つーかこの書き方だと、こいつが『キン肉マン』の担当編集でない限りは「ジャンプ+」全般の話をしてると読めるよな。そうでないとのちに言い訳してるけど、だとしたら読者にそう思わせた時点でお前が悪いだろ。まともな日本語書けないなら編集者なんて一番文章に関わる仕事辞めろよ。

 

>それでも心配な人はゆでたまご先生のメッセージをしっかり読みこんでみてください。

あんな下痢便みてえな駄文何度読んでも同じだろうがよ。「しっかり読み込めば問題が解決する」のはまともなルールが敷かれたときだけなんだよ。1巻1話1コマ目から網羅して「キン肉マンが出てくることをPOSTするのはセーフ」「ミートくんの登場はアウト」「テリーマンが『ザ・テリーマン』と呼ばれていたのはセーフ」「ロビンマスクが超人オリンピック前回優勝者であることはアウト」って全部に基準設けてりゃその表暗記するまで何百回でも見てやるけどあんな糞の足しにもならんようなお気持ち感情文章なんて二度も見る価値ねえよボケ。説明責任を放棄すんなよ、それとも訴えられたらお前が責任取ってくれんのか?

 

>もっと心配な人はコメント欄に感想書いてもらえると

私はTwitterで『キン肉マン』の(もっというと集英社の漫画の)話をしたいのです。感想は読者の権利であるにもかかわらず、それを脅迫で取り上げて挙句「コメント欄に書け」と言える神経が理解できません。そもそも、ジャンプ+のコメント欄は低レベルで、あんな場所に何かを書き込む気にはなれません。

 

以下は言い訳に対するものです。

>雑なツイートをしてしまいました。ごめんなさい。

雑なツイートをすんな。編集者の長なんだぞ。責任のある立場なんだから100回見返して問題がないと思って一時間寝かせてからPOSTしろよ。2000年入社で22歳として今42歳だろ。何で高校生くらいの感覚でTwitterやってんだよ。セルフブランディング以前の問題だろ。

あと「ごめんなさい」じゃねえだろ。「すみませんでした」か「申し訳ありませんでした」か「責任を取って辞任します」の三択だろ。ガキの感覚で言葉紡いでんじゃねえよ。マジで高校生なのか? 年齢がじゃねえよ、精神年齢の話だよ。16歳から30年近く思想も価値観も使命感も何もかも同じままなのか? 集英社は少年の心を持った人間を採用してるから高校生より賢い奴は入社できないようになってんのか?

 

>『キン肉マン』に関して酷いネタバレをやめてねというのが、ゆでたまご先生と同じ気持ちということでした。

分かるわけねえだろ。お前はTwitterのことエスパー養成所だとでも思ってんのか? 責任ある立場の人間が「嶋田先生かわいそ~」ってだけのことを言ったとは思うわけねえだろ。40過ぎたいい大人なら誤解されないまともな文章を書けよ。つーかこの程度の感情を公式の立場をとるアカウントで表明すんなよ。

 

>『少年ジャンプ+』はもちろん感想ツイート、リツイート大歓迎です!みなさんのツイートを編集部も楽しみにしています。

法律をわたあめくれえふわふわとしか理解できてない高校生がこんなこと言って信じられるか? 6時間も読者を不必要に委縮させておいてこんな言葉信じられるかよ。「やっぱ法律のことちょっと勉強したらジャンプ+のネタバレも許せなくなりました。これまでPOSTされたものも全て告訴します」くらい言うだろ、こいつの脳味噌ならよ。

編集部単位でも出版社単位でもなく編集長の立場で出された声明であることを考えると、これで安心することはできません。それによって何が起こるのかというと、「ネタバレでも何でも、SNSで話題になって売れたい」と思う新人作家の芽が潰されます。才能が潰される可能性のある発言に思考を放棄して乗っかる人間がweb雑誌の編集長でいていいわけがありません。

 

細野のカスが鎮火させようとする前に、17時、嶋田がさらなる爆弾を落とします。私が一番ブチギレたのはここです。

 スッゲーーー好意的に解釈してやれば、これは「レオパルドンのネタバレ」をスクショしたものに対して言ってるんだと思います。ですが、声明文の中で「ネタバレ」を「感想」と同一視したことにより、「SNSに感想を投稿する」ことを「たった5分で消費され」ると言っているように見えます。

というか、20ページの漫画なんて5分で読めてしまいます。まさか、1コマ1時間かけて日曜の23時にようやく最終コマを読むような、そんなねっとりクンニみたいな読み込み方をしろというのでしょうか。私の知る「肉読者」は、5分で読み終えた後、平気で明け方の3時、4時までTLに張り付いて感想を述べ続けます。それが「5分で消費」に見えていたと言っているも同然ですし、あるいは「そんな読者がいると想定してない」ということになります。

さんざん言ってきましたが、まともな大人なら限りなく誤読をされないような言葉を選ぶべきです。「感想を言うな」に加えて「5分で読み終えるな」って、どこまで読者をコントロールしたいんだよ。

 

 はあああぁぁぁあああああアアアアアアアアア~~~~~~~!?!?!?!!?!!!????!

 

――しかし今回の復帰はこれまでのウェブ連載も残しつつ、ということですから、その心配はなくなりましたね。

嶋田 はい。今回のお話をいただくにあたってその話は僕らから編集長にも散々したので、配慮してもらえたんだと思います。

 なァオイ、これ、嘘だったってことか?

嶋田 はい。WEB連載に移って一番よかったと思うのはそこかもしれません。日曜の深夜0時に更新されると一斉にツイッターの感想が上がるんです。それが200回やってて今でも毎週、嬉しいんですよ。昔はそれが読者のハガキだったんですけど、やっぱり漫画家って読者に自分の作品を読んでもらって、それでどう思われるかという仕事じゃないですか。面白いと思ってもらえたら続けられるし、反応なければ終わるし。

2017年のこれも建前だったのか?

webで支え続けてきた読者がいたから無碍にすることなく、無料で読んでる乞食を切り捨てろと編集長に言われたにも関わらず、恩義を感じて尊重してくれた――んじゃなかったのか?

“WEB連載残してもらったんです。”。

じゃあ今すぐweb連載やめろ!!!!!!!!!!!!

SNSでの売り方分かってないって言ったけど、それ以前の問題でした。私はこいつの温厚で、本来なら有料に切り替わるはずだった『キン肉マン』を、おこぼれで、温情で、お情けで、ご厚意で、乞食として読んでるだけだったに過ぎないようです。

そう思ってるんだったら最初からwebから撤退しておけよ。それで金を出さない乞食が減るんだからwin-winだろ。お前からしてみりゃwebで読んでる奴は「残してやった」程度のものだったんだろ。じゃあ必要ねえだろ。“バズ”に喜んでんじゃねえよ。それも全部乞食が起こしたことなんだよ。恩着せがましい言い方してんじゃねえよゴミ。

紙が一軍でwebが二軍だという価値観を持ってこの9年間webで連載し続けてきたということが露呈してしまったのです。たしかに昭和のころから一線張ってきた作家であるならそういったプライドがあってもいいでしょう。実際、「ジャンプ+」が「週刊少年ジャンプ」に勝てるとは、私も思いません。ですが、この9年でその思想は変化したものだとばかり思っていました。違ったのです。9年間、ずっと嫌々、二軍相手に不快感を覚えながら漫画を提供してくださっていたようです。紙を離れても面白い漫画さえ描いていれば口コミで評判になり、SNSで盛り上がって“バズ”になり、それを楽しいと思ってくれていたとばかり考えていました。

ドカベン』(完結)も『はじめの一歩』も電子版には掲載されてないんだし、「新シリーズ」もそうすればよかっただけです。それを上から目線で残してやったと発言するくらいなら最初から切り捨ててもらいたかったです。しかし、今や『リアル』が電子版に掲載される時代です。いくら紙至上主義であったとしても電子書籍と折り合いをつけていくべきだし、それを9年間web連載の最前線にいた漫画家が理解していなかったことが、本当に悲しいです。

嶋田はweb読者を不要だと言ったのです。ジャンプ+の編集長もとんだ流れ弾です。二軍のカスを使って乞食を喜ばせてると思われてるんですよ。

 

 

 

 紙でプレイボーイを読んでネタバレではない感想をPOSTする者だけが“肉友”らしいです。

 

 渦中、編集者の林士平氏が「本作の、感想・RT大歓迎です〜」と、最大限の意思表示をします。林氏は、細野が編集長を務める「ジャンプ+」の所属です。

また、「性格の悪いリプライ」に対して、以下のように返しています。

 “(ん、プラスは早バレ無いので安心です‼️)”。ここまで完璧な回答があるでしょうか。この対応に嬉しくなると同時に、編集長にSNSの知識が決定的に足りてないことが悲しくなりました。

 

 「ジャンプSQ.」に「だるまさんがころんだ時空伝」が掲載されたおぎぬまXは、嶋田にゴマ擦ってケツしゃぶりをしています。肉友なのでしょう。

 

 

 ジャンプ+で連載中の『ゲーミングお嬢様』原作の大@nani先生が、自作の感想その他を許すことを、わざわざ明言します。林氏のような身内だけでなく、本来なら編集部で保護すべきはずの作家にまでフォローさせてしまうのは、編集部の良識を疑います。

 

 

 ジャンプ+副編集長の中野氏も、林氏と同じようなスタンスで、配慮をもってこう表明しています。特に『怪獣8号』はまだ単行本も出ていない作品で、今まさに「人気沸騰中」の売り出し時期なので、編集長に水を差されたものをフォローしている形になってしまっています。

 

 

こうして同業者に否定されたり、ケツ穴舐めてもらったり、編集者や集英社の作家に気を使わせたりしながら、より遠くまでこの騒動が伝搬していきます。

 

スッキリしない報道

翌日、信じがたいことに、日本テレビ「スッキリ」で、この件が取り上げられてしまいました。

編集後記を見れば分かるように、大した話はせず、嶋田は軽く流し、「著作権侵害ってナニ!?」みたいな高卒の主婦向けお得プチ情報みたいなことをやっていたようです。

ラストシーンのコマをスクリーンショットして、そのままSNSに転載されていた。嶋田さんはこれが著作権侵害にあたるとし、さらにネタバレになっていることについても問題視。「それなりの罰則を考えます」とツイッターで発言した。

記事によると、放送でこの発言が流れたようです。Twitterよりもはるかに多くの人が見るTVで、です。これにリーチしたり、Twitterに投稿された「スッキリ」の直撮りを見る人は、おそらく嶋田本人や林氏などの関係者のPOSTは確認しないでしょう。そうすると何が起こるかというと、「『キン肉マン』についてネタバレ発言をすると『罰則』がある」ということだけが広まります。

私は寝て起きたらこんなことになっていたんですが、

 「昨日の今日でTVで取り上げられる」はさすがに予想外でした。

 

昨夜に続き、商業作家の方の反応が相次ぎます。

 

 

 

 

 全然違います。

 善意しかない国には法律なんて物騒なものは存在しないと思います。

 

 弁護士の方の「法的措置を執ることは難しい」という見解から、スラップ訴訟狙いである疑惑が強まります。集英社を相手にするのであれば、「訴えられるはずはない」や「裁判になっても勝てる」はもはや安心材料ではありません。

 

問い合わせを行った方に 「週プレインフォメーションデスク」から返信が来ますが、回答のないもので、他の方々も全く同じメールを受け取っており、コピペだったようです。

 

 ジャンプ編集部に電話された方もいましたが、「ガイドラインを作る予定はない」とのことです。この方は喜んでおられますが、私はむしろ真逆の感想を得たので、不安は残ります。

編集者・漫画家による個別の回答に関しても、特に林氏のPOSTが顕著ですが、公的な立場での発言ではなく、あくまで個人的な発言にとどまっています。感情としてはそれらを信じたいですが、いまだに週プレNEWS編集部からの声明文の拘束力が大きいです。

 

総括

とりあえず、常識的に考えればTwitter程度の短文であれば感想もネタバレも、訴えられるということはないでしょう。また、スクショに関しても引用条件を満たしていれば法的に問題はありませんし、そうでなくても悪質でない限りはセーフです。

これまでどおり何も気にすることはない……のですが、月曜0時、『キン肉マン』の感想がほぼないのは当然ながら、炎上や「スッキリ」のせいなのか、ジャンプの感想も先週までに比べて激減しています。

キン肉マン』は自業自得として、ジャンプもただちに影響があるということはないでしょうが、先に挙げた『怪獣8号』のようなSNSを頼る漫画には直接的に大ダメージです。新人漫画家が老害に潰されるなど、あってはならないことです。この流れを断ち切るために、集英社としてなるべく早く声明を出し、法的措置などについて釈明を行うべきです。

また、冒頭で触れたように、私が望むのは、それに加えてプレイボーイ編集長、ジャンプ+編集長の辞任・解雇、嶋田からの謝罪です。

 

『究極の超人タッグ編』はリアルタイムでは完走しなかったのですが(のちに読破)、『II世』世代であり、「復活」も9年間ずっと追ってきた身で、始祖編終盤の面白さを全身に浴びた記憶も新しいです。それがここにきて、念願の本誌復帰を果たした瞬間に冷や水をぶっかけられ、この数日間、ずっと悲しんでいます。一日でも早く問題が解決されることを望みます。

 

追記

(2020年9月15日)

「撃鉄が起こされた」の項に、中井画伯の嶋田への要望について追記しました。こちらは当該部分の執筆中に2時間分のデータが飛んでしまい、そこで書き(直し)忘れたものでした。

この記事の投稿後に作家やメディアなどからも今回の件に関してリアクションがあったので、そちらについても軽く触れておきます。

 

 『ニンジャスレイヤー』のほんやくチームが(おそらくこの件に関して)声明を更新しました。

重要なこと:我々はポンコツAIではないので、悪質な著作権侵害行為とポジティブな引用はその都度見分けます。嫌だった場合は、まず言います。善意の人にノーモーションで初手から訴状送りつけるような事はありません。そして皆さんも常識的に自分の行いが奥ゆかしいかどうかは事前に自己判断してください。このレベルの常識の何がOKで何がNGかわからない人は、そもそもタグに書き込むのは中止し、家族や隣人と話をしてください。

 

 こちらはあまり触れたくないのですが、ねとらぼが雑な目線で適当な見解を出しました。私の記事を読んでいただければねとらぼのこの記事が誤っていることは自明ですので、内容については触れないでおきます。取材をせず、網羅的でもなく、新しい情報があるわけでもなく、誤った情報を含み、話題になっているものに後乗りするのは、本件の発端となった「レオパルドンのスクショ」のようなものです。

 

 …………。

これは全然関係ないのですが、私はタモリはタル先生の絵がこの世で一番エロいと思ってて、子供のころはちんちんが1000万パワーバッファローマンみたいになるまでシコり散らかしてました(これは嘘、大人になってからも定期的にちんちんの先ヒリヒリするまでロボポンで抜いてる)。悲しいですね。

 

 9月14日に「キン肉マンはおろか、ジャンプの感想も少ない」とにわかに話題になり、それを検証されています。肌感覚でも感想が激減したのを感じたのですが、実際に相対的に減ったようです。記事中の「第321話」は、『キン肉マン』最新話の話数です(内容どころかタイトル、サブタイトルすら出されなくなり、話数だけがPOSTされた)。